求められるのは「目の前のことに向き合える力」

ーーでは、ヘッドハンティングをされるような人材になるにはどうすればいいでしょうか?
【髙本尊通】対外的な部分としては、ヘッドハンターの目に留まりやすいように自分を発信していくことが大事ですね。SNSやブログなどの自身のメディアを持ち、仕事の知識や実績など、発信できるものはどんどん発信していく。「どのような人間か」「どのような能力・実績があるか」が見える形にしておくといいですね。

【髙本尊通】あとは転職するしないにかかわらず、キャリアに興味を持っていることが重要ですね。転職ポータルなどに登録をして、自身のキャリアを常に見直したり、エージェントとパイプを持ったりしていることが望ましいです。対外的に活動をしてオンライン、オフライン問わずにセルフブランディングしていくのが一番ですね。

 「出世に『ウルトラC』はありません!」と髙本さんは語る
「出世に『ウルトラC』はありません!」と髙本さんは語る【撮影=福井求】


ーーやっぱり、今の時代は発信することがキャリアにつながるのですね。
【髙本尊通】ですが、それ以上に大切なのが対内的な部分です。今所属している会社での実績はもちろん社内評価や性格、人柄などがとても重要になってきます。ヘッドハンターはさまざまな噂を頼りに人材の選定をするので、会社でちゃんと人や仕事に向き合っている人には声をかけやすいのです。

【髙本尊通】「成果を出すにはどうすればいいか?」ということに近くなるのですが、とにかく何に対してもやり続けること、今与えられた仕事を一生懸命こなすこと、そして関わっている人たちに真剣に向き合うこと。これらがヘッドハンティングをされるための一番の近道です。つまるところ、キャリアを作っていくことや年収を上げること、出世することに“ウルトラC”はありません。

ーー転職やヘッドハンティングにおいても当たり前のことが一番大事なのですね。
【髙本尊通】そうなのです。成果を上げるうえで、ひとりでできることが100とするなら、それ以上の結果を出すためには周囲の仲間の力を借りることで、1000や1万の成果を出すことができます。そのためには日頃から仕事や人に向き合い、一生懸命頑張っていることが必要になってくるのです。

【髙本尊通】結局のところ、目の前のことをきちんとこなせる能力が一番強いですし、どの企業にも最も求められます。転職においても同じことで、これができる人はどの職場に行っても成功します。逆に目の前のことに向き合わず、何でも他人や組織のせいにする人は、どれだけいい転職先が決まっても結局はうまくいきません。そのような人はヘッドハンティングの対象にはなりませんね。

プロフェッショナルバンクが目指すのは「日本適材適所」

ーー今後、転職市場はどのように変化していくでしょうか?
【髙本尊通】2023年6月現在は、アフターコロナの影響で求人ニーズはすごく高いです。ですが、今後の状況がどうなるかは全くわかりません。何らかの理由で転職市場が縮小するかもしれませんし、逆にもっとよくなるかもしれないです。確実に言えるのは、今は転職活動を始めるにはとてもいい時期だということです。

ーー今後、貴社ではどのような活動を行っていきますか?
【髙本尊通】引き続き、9割以上を占める転職潜在層の人たちへのキャリア提案を続けていきます。私たちが目指しているのが「日本適材適所」です。能力のある人を適する場所に配置することで、その人も成長するし会社も伸びると考えています。

「今後も『日本適材適所』を目指し頑張ります!」と髙本さんは意気込む
「今後も『日本適材適所』を目指し頑張ります!」と髙本さんは意気込む【撮影=福井求】


【髙本尊通】日本人って、これまではひとつの会社に骨を埋めるという価値観を持っていましたが、今はそのような時代ではありません。一人ひとりがもっとキャリアに向き合うようになれば、日本自体の成長や、世界における日本のプレゼンスも上がるだろうと思います。そのような日本社会を目指すため、「健全な人材の流動」を進めていきたいです。

ーー最後に、読者に一言お願いします。
【髙本尊通】転職や仕事、お金はあくまでツールであってゴールではありません。大事なのはいかに自分がイキイキと生きるかどうかです。そのような人生を送るためにも、自分のキャリアを見つめ直すことがとても重要になります。先ほども申し上げたことではあるのですが、転職活動にはリスクはありません。むしろ、転職活動をしないことがリスクです。みなさんが生きている「今」がこれからの人生で一番若い時期です。そのため、とりあえずでもいいので転職活動を始めてみてはいかがでしょうか?

この記事のひときわ#やくにたつ
・「自分発信」が新たなキャリアを生み出す
・転職活動はキャリアを見つめ直すチャンス
・最も求められるのは、目の前の仕事や人に真摯に向き合う人

取材・文=福井求(にげば企画)