目次

プレスリリースを書く前に意識すべきこと

<プレスリリースとは何なのか>

<メディア関係者に宛てた文書であるという意識を持つ>

<掲載されたい媒体の優先順を決める>

<記事を書く人の材料になるという意識を持つ>

<ニュースバリューを明確に>

掲載されるプレスリリースの書き方

<書く情報を整理する>

<タイトル(見出し・件名)は30文字前後で書く>

<リードはインパクトのあるフレーズを入れながら全体像を把握できるように書く>

<本文は結論を先に書き、それに関連した情報を続ける>

<ストーリー性を持たせる>

<具体的な数字や根拠を明示する>

<専門用語は控える>

<ニュース性・トレンド性を取り入れる>

<写真などの素材を盛り込む>

プレスリリースの書き方を具体的に紹介

<プレスリリースに情報解禁日を記載する例>

<新商品を紹介するプレスリリースの書き方例>

<イベントを紹介するプレスリリースの書き方例>

<展覧会を紹介するプレスリリースの書き方例>

PressWalker(プレスウォーカー)とは

<プレスリリースの配信無料サービス>

<合計3.2億PVのメディアで記事化される!>

広報活動の手段としてよく使われるプレスリリースですが、毎日たくさんのプレスリリースを受け取っているメディア関係者に「これはニュース・記事にしたい」と思ってもらうためには工夫が不可欠です。「プレスリリースとは?広報担当者必見の基本的な意味や読まれるコツを解説」に引き続き、OneNewsの浅野祐介編集長が、メディア関係者の目に触れ、実際に掲載されるためのコツやポイントを解説します。

プレスリリースを書く前に意識すべきこと

<プレスリリースとは何なのか>

プレスリリースは企業などが行う広報活動の手段のひとつです。その内容は、自社の情報を報道機関がニュース素材として利用しやすいように文書や資料としてまとめたもので、メディアに向けて発信されます。

プレスリリースの主な目的は、企業や団体・組織の最新の活動を各メディアに取り上げてもらい、一般のユーザーや取引先、株主など、企業や団体・組織を取り巻く関係者に広く知らせることです。

プレスリリースの詳しい説明やメリットなどは「プレスリリースとは?広報担当者必見の基本的な意味や読まれるコツを解説」をご覧ください。


<メディア関係者に宛てた文書であるという意識を持つ>

メディア関係者にプレスリリースを見てもらうためには、まずは「どうすればメディア担当者がそのメールを開くか」を意識することが重要なポイントとなります。

メディア関係者のもとには、毎日たくさんのプレスリリースが届きます。多い人では1日に2000件ものメールが届きますが、それらすべてに目を通すのは不可能です。このことを念頭に置いた上で、プレスリリースを書く目的を整理し、メールを開いてもらうための工夫を凝らす必要があります。

メディアのもとには毎日大量のプレスリリースが届く
メディアのもとには毎日大量のプレスリリースが届く


<掲載されたい媒体の優先順を決める>

掲載されたい媒体の優先順位を決めることは、プレスリリースを書く前の準備としてとても大事です。配信代行サービスを使った場合、プレスリリースがいっせいにかつ大量にメディア関係者のもとへ送られます。一度に数百ものメディアにプレスリリースを送信することができるため効率が良いのですが、掲載の確率は必ずしも高くないというデメリットもあります。

このデメリットをクリアするには、掲載されたい媒体の特徴を踏まえ、その媒体に掲載されることをイメージして内容を決めるというのがひとつの方法です。目に留まりやすいプレスリリースにするには、書き方だけでなく媒体研究も大切です。

<記事を書く人の材料になるという意識を持つ>

ターゲットにする媒体が決まったら、その特徴をしっかりリサーチすることが必要です。いっせいに送ってどこかの媒体で掲載されればいいと考える場合と、どの媒体に載せてもらいたいかを決めた場合では、タイトル(見出し・件名)も違ってくるからです。

まずは、ユーザー特性やサイトコンセプトなどの情報がまとめられたメディアガイドなどを確認し、その媒体の特徴を把握します。それによって、例えば生活情報サイト「レタスクラブ」が”へとへと主婦”をターゲットにしているとわかれば、プレスリリースのタイトルには「へとへと主婦が絶賛!」などの言葉を入れます。レタスクラブの関係者がそのタイトルを見れば「レタスクラブのターゲット向けだ」と注意を向け、本文を読む可能性は格段に高まります。

また、決まった曜日に記事がたくさん配信されるなど、媒体にはそれぞれ特徴があります。意中の媒体がどういう観点で動いているかも調べておくことが大事です。

もちろん、ターゲットを絞るのではなくいっせいにプレスリリースを送る方法でも、掲載される可能性はゼロではありません。600以上の媒体に送れば、中には取り上げたいと思う媒体があるかもしれませんし、意外な媒体との接点が生まれることもあります。アプローチを変えて併用していくのが得策です。

<ニュースバリューを明確に>

プレスリリースを書く際、「何が新しいのか」「どこが他と違うのか」など、情報のバリューを明確に伝えることが重要です。そして、そのバリューをタイトルでしっかりとわかりやすく表現することがポイントになってきます。

メディア関係者が送られてきたプレスリリースのタイトル(見出し・件名)に興味を持ちメールを開いたとしても、限られた時間の中で見るという状況は変わりません。タイトルだけでなく、冒頭部分に要点を入れるなど本文の作り方も工夫を凝らしましょう。

プレスリリースの書き方がわからない場合は、テンプレートや例文を参考にする方法もあります。そうした際も、ここで紹介したことを意識してみてください。

掲載されるプレスリリースの書き方

“メディアに掲載されるコツ”を紹介 
“メディアに掲載されるコツ”を紹介 tadamichi / PIXTA(ピクスタ)

<書く情報を整理する>

プレスリリースを書く上で最初のステップは、「書く情報を整理すること」です。その際、「5W5H(※1)」は、わかりやすいプレスリリースを書く上で必須の情報が押さえられ、かつ、メディアが記事化を判断する際の重要な情報になります。
(※1)
5W…いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)
5H…どのように(How)、どれくらいの価格で(How Much)、どれだけの数を(How Many)、どれくらいの期間(How Long)、どのようになっていく・将来性や想い(How in Future)

<タイトル(見出し・件名)は30文字前後で書く>

タイトル(見出し・件名)は30文字前後で見やすくまとめます。プレスリリースはメールで送られてくることが多いため、メールの件名部分がプレスリリースのタイトルになります。限られた文字数の中でメールを開いてもらうには、社名を入れる必要があるのかも検討すべき要素のひとつです。

<リードはインパクトのあるフレーズを入れながら全体像を把握できるように書く>

読み手の関心を引くために、リードのなかにはインパクトのあるフレーズやキーワードを入れます。また、読み始めてすぐにプレスリリースの全体像をつかめるようになっていることが重要なので、本文の内容を誇張なく正確に要約し、「伝えたいこと」「取り上げてほしいこと」を完結にまとめます。

<本文は結論を先に書き、それに関連した情報を続ける>

本文の構成は、最も伝えたいことや結論を冒頭に入れ、伝えたい内容と関係値が高いものから書くという順番を意識するといいと思います。また、文字量は2000文字を超えると長いと感じるので、それ以内を目安にするといいでしょう。

<ストーリー性を持たせる>

メディア関係者がニュース・記事を発信しやすいと思うプレスリリースは、ストーリー性があるものです。例えば新商品のプレスリリースの場合、新商品が出たという最も伝えたい情報の次に、「なぜこの新商品を作ることになったのか」「作り手がこの商品を出すことによって何を実現したかったのか」といった思いの部分が続いているとストーリーが生まれ、メディア側が取り上げやすいプレスリリースになります。

<具体的な数字や根拠を明示する>

メディア関係者がニュース・記事を書くための材料となる事実を正確に伝えることが必要です。その際、販売数や来場者数など具体的な実績を数字で記載することで、メディア側にインパクトを与えやすくなります。本文だけでなく、タイトルやリード文にも数字や根拠を積極的に取り入れましょう。

その際、内容が事実だと証明してくれるデータや情報が一緒に記載されていることが大切です。例えば、「業界ナンバー1」と書かれていた場合、その事実を証明するデータがないと、メディア関係者は掲載するにあたってその情報が正確かどうかゼロから調べる必要が出てきます。「業界ナンバー1」という表現に「〇〇調べ」などの補足が記されていることで、メディア関係者は裏取り作業をよりスムーズに行うことができます。このように、メディア側の心情や掲載までの動きをイメージすることもポイントのひとつになります。

<専門用語は控える>

業界用語などの専門用語は、できるだけ使用しないよう意識してください。もちろん、業界メディア向けのプレスリリースであれば専門用語が多用されていても問題ありませんが、一般ユーザーに向けて届けたいという意図がある場合は、専門用語をより簡単な言葉に置き換えることで、前提知識の少ない一般メディアの担当者にとってもわかりやすいプレスリリースとなります。使わざるを得ない専門用語には、注釈を付けるなどの工夫も施しましょう。

<ニュース性・トレンド性を取り入れる>

日々多くのニュースが世の中に発信されるなかで、自社の情報が埋もれてしまわないようにするには、その情報が世の中の関心事やトレンドとどのように結びついているかを考える必要があります。

例えば、プラスチックごみを再利用した洋服を新発売するというプレスリリースを出す場合、ただ単に新しいという情報ではニュース性は弱いです。しかし、SDGsなど環境への関心が高まっていることを踏まえて、「環境に配慮した」などの一文を加えることで、その情報の価値がさらに高まります。その情報や価値が他者や社会の関心とどのように結びついているかが明確であると、メディア側は取り上げやすくなります。

<写真などの素材を盛り込む>

プレスリリースの中に文字以外の情報も入っていると、ニュース・記事として取り上げられる確率は高まります。媒体にもよりますが、ニュース・記事を作成する際、メディア側はユーザーによりわかりやすく届けるために、テキストだけでなく写真や画像とセットで情報を発信するメディアがケースが多いです。「ストーリー性がある」新商品の例で言えば、「こんな思いで、こんなところに苦労して作りました」という開発者の話と一緒にその人物の写真があると、メディア側が記事としての深みを出しやすくなります。

プレスリリースの書き方を具体的に紹介

<プレスリリースに情報解禁日を記載する例>

プレスリリースの情報解禁日とは、企業や組織内の情報を公に発表する日のことです。多くの場合、プレスリリースはこの情報解禁日当日か数日前に配信されます。

プレスリリースを書く際に必要な情報解禁日を記載する例を紹介するので、タイトル(見出し・件名)とリード文に注目してみてください。

◆タイトル(見出し・件名)
【情報解禁〇月〇日(火)AM〇時】〇〇さんが■■への愛を叫ぶ新TVCMが本日より放映開始

◆リード文
================================================
※本情報は、〇月〇日(火)AM〇時情報解禁となります。
お取り扱いにはお気をつけくださいませ。
================================================
「ドリンクブランド▲▲」初の糖分ゼロ
『■■への愛を叫ぶ』篇が2022年〇月〇日(火)より放映開始


ここでは、タイトル(見出し・件名)に情報解禁日が明記されています。このように、重要な情報は、タイトル(見出し・件名)にも書くなどしてわかりやすく伝えることがポイントです。ただし、その場合は冒頭に入れる情報や文字数にも注意してください。

リードにも情報解禁日が書かれています。リードではそれ以外にも大事な情報を伝えているので、情報解禁日は他の情報と見え方に差をつけて目立たせるなど工夫されています。

<新商品を紹介するプレスリリースの書き方例>

プレスリリースにはさまざまな種類があり、中でもよく利用されるのが新商品・新サービス、イベント、展覧会です。ここからは、実際にPressWalkerに掲載されているプレスリリースから一部を抜粋して、それぞれのポイントを紹介します。

新商品を紹介するプレスリリースの書き方例
新商品を紹介するプレスリリースの書き方例

クラシエフーズ株式会社のプレスリリース「史上初、“大人も楽しんでいい”プレミアムな「ねるねるねるね」解禁!ソムリエ推薦ワインをもとにアロマ成分を配合した“赤白2種の本格ぶどう味”「大人のねるねるねるね」9月5日(月)より発売」では、ロングセラー商品の意外性のある新展開がひとめでわかるタイトルで表現されていることがポイントです。さらに、リードや本文には新商品の概要、特長、こだわり、発売への背景まで漏れなく記載されています。

<イベントを紹介するプレスリリースの書き方例>

イベントを紹介するプレスリリースの書き方例
イベントを紹介するプレスリリースの書き方例

株式会社ムーミン物語のプレスリリース「イルミネーションは、“見る”から“没入する”時代へ。 冬季ナイトイベント『ムーミン谷のナイトウォーク~イルモリノオト~』」では、まずタイトルで「没入」という言葉が使われています。この言葉は近年、イルミネーションをはじめとした体験型イベントのキーワードでもあり、トレンドを押さえたタイトルになっています。さらに、オリジナルストーリーのテーマや内容がわかりやすくシンプルに記載されているのもポイントです。

<展覧会を紹介するプレスリリースの書き方例>

展覧会を紹介するプレスリリースの書き方例
展覧会を紹介するプレスリリースの書き方例

MARK IS みなとみらいのプレスリリース「鳥肌総立ち!累計来場者数50万人を突破した 大人気イベント「キモい展」が、MARK IS みなとみらいにやってくる 「キモい」のには、理由があるんだ・・・ 『キモい展2022 in 横浜』 9月17日(土)から開催!」では、人気の度合いが累計来場者数という数値的根拠で示されています。このように、客観的な事実にもとづいて書かれているプレスリリースには説得力があります。その他、概要や見どころなどがパートに分かれて、シンプルにわかりやすくまとめられています。

ここで紹介したプレスリリースはあくまで一例です。それぞれの媒体や情報の性質にあったプレスリリースを見つけて、ポイントを押さえながらプレスリリースを書いてみてください。

PressWalker(プレスウォーカー)とは

<プレスリリースの配信無料サービス>

記事化に直結するプレスリリース配信サービス「PressWalker」
記事化に直結するプレスリリース配信サービス「PressWalker」

PressWalkerは、完全無料で利用でき、記事化に直結するプレスリリース配信サービスです。プレスリリース代行サービスにかかる登録料・利用料は完全に無料で、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌・WEBメディアなど、約600以上のメディアにプレスリリースの配信を無料で行います。


<合計3.2億PVのメディアで記事化される!>

KADOKAWAが運営する5つのWEBメディア「レタスクラブ」「ウォーカープラス」「WEBザテレビジョン」「ダ・ヴィンチWeb」「毎日が発見ネット」のPVは、合計3.2億PV(※2)。これら5つのWEBメディアに2022年9月に誕生した「OneNews」を加えた計6メディアで、PressWalkerを利用して配信されたプレスリリースをもとに、毎月一定本数を記事化します。さらに、この6つのWEBメディアに加え、提携のWEBメディア・WEBサイトにプレスリリースの原文転載を行います。
(※2)
PV数は、レタスクラブWEB 2021年9~11月の平均、ウォーカープラス 2021年4~11月の平均、WEBザテレビジョン、ダ・ヴィンチWeb 2020年10~12月の平均、毎日が発見ネット2021年8月時(メディアガイドより)

記事化されるプレスリリースは、各メディアの編集部が選定を行い、編集記事としてメディアに掲載します。当然、プレスリリースを記事化したものですから費用はかからず、無料で掲載されます。※すべてのプレスリリースが記事化されるわけではありません。

プレスリリースの配信は無料でも、利用後の効果には大きな期待が寄せられています。特に、KADOKAWAメディアでの記事化は利用企業の多くから支持され、広報コストの確保に課題を感じている組織やサービス・商品の効率的なPR手段のひとつとして評価されています。ぜひ、この機会にご利用してみてください。

OneNews編集長・浅野祐介

OneNews編集長・浅野祐介
【プロフィール】OneNews編集長。出版社2社を経て株式会社KADOKAWAに2014年1月に入社。同年10月より「ウォーカープラス」編集長に就任。前々職のファッション誌、前職のスポーツメディア時代のネットワークに加え、東京、北海道、横浜、名古屋、大阪、福岡での編集経験があるため、全国の様々なジャンルへの人脈も広い。2021年3月、ウォーカープラス編集長を退任後、ウォーカープラス、レタスクラブ、ザテレビジョン、ダ・ヴィンチWebの動画領域を担当。2022年3月に無料のプレスリリース配信サービス「PressWalker」をスタートし、同年9月、「OneNews」創刊編集長に就任。Yahoo!ニュース個人オーサーも担当。

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取材・文=嶋崎千秋