「47歳の女性です。夫の従姉にあたる方の父親が、老衰により95歳で亡くなりました。苦しむこともなく逝かれたので大往生と言えるのかもしれません。しかし葬儀の際、あるトラブルが...何と従姉が海外旅行に行き、葬儀を欠席したのです!」
アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?


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■親の葬儀か海外旅行か。従姉の選択は...旅行だった
夫(48歳)の母親(70代後半)は兄弟が多く、最近は身内の訃報がよく耳に入って来るようになりました。
先日も、義母の長姉(Y子さん、すでに他界)の夫のHさん(95歳)が、老衰のため亡くなられました。
Y子さんとHさんの間には子どもが3人いて、1番下の娘であるA子さんは63歳だそうです。
私の夫とA子さんはいとこ同士になりますが、年の差があるためあまり交流はなかったそうです。
そのA子さんが、ちょっとした騒動を引き起こしました。
A子さんは父親であるHさんが亡くなった直後に、夫のBさんと2人で10日間の海外旅行へ出掛けてしまったのです。
もともとA子さんは還暦祝いに夫婦での旅行を計画していたそうですが、コロナ禍によって延期。
コロナ禍が落ち着いたこともあって、ようやく行けるようになり、この旅行をとても楽しみにされていたそうです。
まあ気持ちは分かりますが、一般的な感覚だと自分の親が亡くなれば旅行の予定などはキャンセルし、喪に服すのかと思います。
しかし、すでに航空券やホテルなども手配済みで、直前のキャンセルは難しいということで、旅行を強行されたそうです。
ちなみにHさんが亡くなられたのは、出発の2日前でした。

■大往生の老衰で亡くなるのは「不幸」ではない?
当然、兄弟や親族は唖然。
A子さんに旅行をキャンセルするように進言しましたが、聞く耳を持ちませんでした。
「大往生の老衰で亡くなったのだから不幸ではない。父が還暦の際には盛大に祝った。父も娘の還暦祝いの邪魔はしたくないはず」
それがA子さんたちの主張でした。
お通夜には参加されたみたいですが、親の葬儀よりも高額な料金を支払い済みの海外旅行のほうが大事だったようです。
A子さんは末っ子なので、喪主をすることもありません。
親が「大往生の老衰」で亡くなるのは、子どもにとってさほど悲しいイベントでもないものなのでしょうか。
いや、そんなことはないはずです。
きっと親子関係にもよるのでしょう。
もしかするとA子さんは、父親と距離があったのかも知れません。
ちなみに亡くなられたHさん、90歳を過ぎた頃から認知症を患い、ずっと高齢者施設で生活されていたそうです。
ここ数年はコロナ禍で家族との面会もほとんどできなかったため、本人が家族のことを覚えているかどうかさえ不明だった模様。
そしてこのことが、A子さん夫妻が旅行を強行する言い訳にもなっていました。
Hさんの葬儀は親族のみによる家族葬にて執り行われました。
その後、10日間の海外旅行から帰って来たA子さん。
一応、良心の呵責はあったのか、ご霊前に大量の旅行土産を供えていたそうですが、遺産相続に関する話し合いにはしっかり参加されたとのことです。