「55歳の女性です。20代の頃に一緒に働いていた方と年賀状の付き合いを続けていましたが、会うことはありませんでした。ところが、最近になって再会するようになったのです。習い事を通して、再び昔の話で盛り上がっています」
アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?


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■30年前からお願いしていたこと


私が20代の頃に一緒に働いていたKさん(女性で80代後半)という方がいます。
退職後は年賀状のやりとりをずっとしていましたが、お会いすることはありませんでした。
一緒に働いていた頃から、Kさんは趣味で手毬を作っていました。
何個かプレゼントでいただいたこともあり、「いつか作り方を教えて下さい」と話していたものの、習う機会はありませんでした。
2年ほど前にKさんのお知り合いの方が、手毬作りを習いに通われていることを聞きました。
私も是非この機会にと、昨年からKさんの自宅へ習いに行くことになりました。
手毬は球状にした綿や発砲スチロールの土台に糸を巻いて、刺繍で模様を作っていきます。
手毬はもともと床について遊ぶものですが、子どもが生まれたときの厄除けの意味もあり、飾り手毬としても作られています。
彩られるいろいろな模様は、子どもが生まれなくてもうれしいと言われます。
綿と糸を締め、球体にして模様を刺していく作業は私としては楽しいですが、時間がかかります。
■手毬の美しい模様にすっかり魅了されて
昔から手仕事は好きでしたが、手毬はまず綿を糸で絞めながら円球を作ります。
最初の頃はなかなかきれいな円球にならず苦労しましたが、徐々に慣れました。
次に地割といって円球を4等分、8等分に分けて刺繍糸で模様を描いていきます。
手毬の大きさも自分好みの大きさに作ることができ、小さいものならばストラップやイヤリングにすることもできます。
Kさんの作る手毬の模様は、刺繍糸が整然と並んでいてとてもきれいです。
手毬の模様もけっこうな種類があり、次から次へとあれがやってみたいこれがやってみたいと思うようになりました。
材料費もあまり高いものではないですし、空き時間が少しでもあれば作業をするという具合で、時間もすぐに過ぎていきます。
昨年から1カ月に1回のペースでKさんの自宅へ行って習っていますが、最近は次回までにここまでやってきてねと宿題となり、ある程度作業をしてから残りの時間はおしゃべりをしています。
一緒に習っている年上の女性は、娘夫婦と同居しているのですが、80代後半にもなると外出することも少なく、人とおしゃべりをすることがとても楽しいと言っています。
さて、私は新しい模様は少しだけ刺し方を習って1か月後に見せています。
習ったことはすぐに実践しないと忘れてしまうので、宿題は早めにしています。
コロナ禍で、なかなか人と会うことができなかったのですが、「習いにいらっしゃい」のお誘いで、長年できなかった手毬を趣味にすることができました。
次の模様を選ぶのも楽しい作業です。
手毬の師匠でもあるKさんには、まだまだお元気で過ごしていただきたいものです。