考えた末に、深愛(齊藤京子)は決断を下した / (C)テレビ朝日
【写真】深愛が那須川と出会うきっかけとなったスーパーの面接

日向坂46の齊藤京子が初の単独主演を務める土曜ナイトドラマ「泥濘の食卓」(毎週土曜夜11:30-0:00、テレビ朝日系)の最終回となる第9話が12月16日に放送された。深愛(齊藤)が那須川(吉沢悠)と不倫していることを母・美幸(筒井真理子)が知り、そして那須川の妻・ふみこ(戸田菜穂)も息子・ハルキから不倫のことを聞かされ、修羅場を迎えた。(以下、ネタバレを含みます)

「泥濘の食卓」とは

本作は、同ドラマは2016年に「悪い夢だといいのにな」で「第75回ちばてつや賞」大賞を受賞した漫画家・伊奈子による「泥濘(ぬかるみ)の食卓」を実写化。不倫相手と幸せになりたいという思いから、ある家族に寄生する、かつてない“パラサイト不倫”を描くストーリーとなっている。

齊藤が演じる捻木深愛(ねじきみあ)は、田舎町のスーパーで働き、母と二人暮らしをしている25歳の女性。抑圧の強い母親・美幸(筒井真理子)の下、常に否定されながら育てられたため、自己肯定感が低い。そんな中、初めて自分のことを肯定し、優しくしてくれた店長・那須川夏生(吉沢悠)を好きになり、不倫関係になる。

夏川の妻・ふみこを戸田菜穂が、一人息子のハルキを櫻井海音が演じる他、ハルキの幼なじみで、ハルキに異常なほどの愛情を抱く尾崎ちふゆを原菜乃華が演じている。

すべてが明るみに出てしまった

那須川の妻・ふみこが夫の浮気に気づいた。不倫相手は誰なのかを聞かれた息子・ハルキは「深愛さん」と答えてしまう。

そして、深愛も母・美幸に好きな人がいることがバレてしまい、問い詰められ「すずらんの那須川さん」と答えてしまった。美幸は深愛を引っ張ってスーパーすずらんに連れてきたが、深愛がスーパーのバイトを辞めていたことを知り、そして”那須川”が店長だということ、つまり不倫だと気づき、深愛を家に閉じ込めてしまった。

深愛の母・美幸がやってきたことによって、スーパーの店員たちにも深愛との関係がバレてしまい、居場所を無くした那須川。帰宅すると、ふみこに「私、ハルキと出ていくから」と言われ、「どうして?」と問うが「分かってるでしょ」と言われてしまう。

話し合おうとするが、ふみこは聞く耳を持ってくれない。

ちふゆも学校に居場所がなくなる事態に

ハルキがちふゆに付きまとわれているという噂が広がり、教師がハルキにその真偽を確かめるために呼び出した。ハルキは本当のことを伝えた上で、「学校を辞めようと思っています」と伝えた。

そのことによって、ちふゆの父親が学校に呼び出され、ちふゆは学校での居場所を失ってしまった。そしてその矛先はハルキに向けられることとなった。

母親に決別を宣言「私はそれでいい。不幸でもいい!」

深愛は母・美幸に那須川とのことを知られてしまい、家から出られない状況に。しばらくはおとなしくしていた深愛だったが、ふみこから「久しぶりに、一緒にご飯作らない?」というメールをもらったことで動き始めた。

母親から出された食事に対し、「私の好きなもの、私は唐揚げが好きかな」と母親が一度も出したことのない料理をあげ、「お母さんが作ってくれるご飯、大好きだよ。でもね、私、お肉とか揚げ物が好きだったかも。私、もう肉じゃが作れるんだよ。私、これからは自分で食べたいものは自分で作ろうと思うんだ。お母さんはお母さんの好きなものだけを作って食べてほしい」と決別を宣言。

母親に「あんたには無理。あんたが動くと不幸になるから、ここでじっとしてればいいの!」と言われ、「私はそれでもいい。不幸でもいい!」と押し切って家を飛び出した。

那須川とふみこに「バイバイ、ありがとう」と言われ決断を下した

母親を振り切って那須川家にやってきた深愛。ふみこと一緒に唐揚げを作り、ハルキを交えて3人で食卓を囲むが、ふみこから「今日で終わりね」と言われてしまう。「もう大丈夫、深愛ちゃんは一人でできるんだよ」と。

その時、ちふゆがやって来た。ハルキは家に入れることを拒絶するが、タイミング悪く那須川が帰ってきて、一緒に家に入ってきた。

ちふゆは自分のことをバラされたかわりに、「ねぇ、おばさん。ハルキのパパ、浮気してんだよ!  知ってんでしょ? 深愛って子」と那須川の浮気をバラした。

そのちふゆの視界に深愛の姿が入り、「あんたが来て、全部めちゃくちゃになった!  ハルキのこと、どこまでたぶらかすつもりなの?」と半狂乱になり、包丁で深愛を刺そうとするが、深愛をかばった那須川が刺されてしまう。

救急車で運ばれる那須川に付き添うふみこの姿を見て、自分の入り込む隙がないと感じたのだろう。那須川とふみこから「バイバイ、ありがとう」と言われ、深愛は決断を下した。

ハルキは深愛について行こうとするが、バスの中で深愛は「あの二人はこれから何があっても大丈夫なんだろうな。この子はあの二人の子ども。二人が愛し合って作り上げた大切な子ども」と思い、ハルキにバスを降りるように伝えた。「私はもう人を傷つけたくない。迷惑をかけたくない。ハルキくんは大丈夫。今よりツラい思いなんてしないんだから」と。

一人で生きていくことを決断した深愛。その切なく悲しい決断が印象的な最終回となった。

◆文=ザテレビジョンドラマ部