菊池風磨“饗庭”が見せる公務員の在り方に反響 / (C)日テレ
【写真】ついに山田杏奈“華子”と直接対峙する本郷奏多“相楽”

「ゼイチョー ~『払えない』にはワケがある~」(毎週土曜夜10:00-10:54、日本テレビ系/Huluにて配信)第3話が10月28日に放送された。今回は、子育て世代への問題に菊池風磨演じる饗庭蒼一郎や、松田元太演じる増野環が奮闘。難しい“待機児童”問題に切り込む饗庭の言葉に、「ギャップすごすぎてシビれた」「なんか涙出そうになった」などの声がSNS上で飛び交った。(以下、ネタバレを含みます)

「ゼイチョー ~『払えない』にはワケがある~」とは

同ドラマは「BE・LOVE」(講談社)にて、2016年4号から2017年6号まで連載されていた「ゼイチョー!~‎納税課第三収納係~」が原作。“徴税吏員”が滞納されている税金を徴収するべく奮闘する物語で、著者である慎結が市役所で非正規職員として働いていた経験を基に描かれている。

ノリは軽いが優れたスキルを持った徴税吏員・饗庭蒼一郎を演じるのは菊池。そして、饗庭と正反対、真面目に滞納者と向き合う猪突猛進タイプの新人徴税吏員・百目鬼華子役は山田杏奈が務める。

「カボチャ怪人が食べちゃうぞ~」徴税強化対策へ立ち向かう第三係の仮想姿がかわいい

「みゆきの市は子育ての街」ということをアピールすべく、みゆきの市はハロウィーンイベントを開催。第三係のメンバーは、ハロウィーンイベントにちなみ、カボチャの仮装をしてイベントの手伝いにきていた。

子育ての街のPRのためスピーチをしていた相楽義実(本郷奏多)の様子を見て、第三係の係長である橘勝(光石研)は「副市長、若いのに堂々としているなぁ」と力ない声でつぶやく。隣にいた華子は不安そうな表情。積極的に家宅捜索による徴収を行うべしと発布された、“徴税強化体制”のことが頭から離れないようだ。

そんな華子に話しかけてきたのは、同じくハロウィーンの仮装に身を包んだ饗庭。「そんなに気になるなら、聞いてみればいいじゃん。ねー!お兄ちゃん、教えて~」以前まで相楽と義理のきょうだいであったという華子へのアドバイスだったが、体を揺らしながら駄々っ子のまねをする姿は相変わらずノリが軽い。そして華子も、「今は、ただの職員と副市長です」としっかり“今はきょうだいの間柄ではない”と反論する。

そんなやりとりをしていると、近くで何やら大きな物音が。どうやら園児たちが集まる「おえかきコーナー カボチャとわたし」から聞こえてきたようだ。そこには、園児たちを落ち着かせようと奮闘する保育課職員の姿があった。

どうやら園児の1人が描いている途中の絵を破ったことで、騒ぎになってしまったようだ。三係の増野が「どうして破いちゃったの?」と園児に尋ねるが、「知らない!」と興奮するばかり。

そんなシリアスなひと幕もあったが、イベント会場にいた子どもたちにカボチャのボールを投げつけられる饗庭はいつもの笑顔に戻る。「やったな~!カボチャ怪人が食べちゃうぞ~!」と子どもたちを元気に追いかけ回していた。

保育課と協力して徴収に挑む

子どもたちと接するイベントが終わってすぐ、饗庭は後輩の増野から滞納者についての相談を受ける。増野が担当しているのは、契約社員のSEである木下祐介(小関裕太)。住民税の滞納は27万6400円。督促状も留守電も無視されている状況で、以前臨宅したが会うことができなかったという。

木下は長男3歳、長女2歳と2人の子どもがいる中、1年前に病気で妻を亡くして突然シングルファーザーに。華子と増野は木下がしっかりと収入がある中で税を滞納している状況に疑問を抱いていたが、饗庭は「いくら収入があっても滞納する人はするの。まあ、そうチョゼらないで」と後輩たちをなだめた。

子どもを保育園に預けている点に目を付け、保育課に相談することで臨宅のタイミングが分かるかもしれないと提案する華子。保育課に足を踏み入れると、そこは子どもたちの声が響き渡る「戦場」の様相を呈していた。そんな饗庭の視線の先には、保育課の課長である町田孝二(坂田聡)の姿が。饗庭が町田に声を掛けると、木下は保育園の保育料も滞納していることが明らかになった。

保育課の職員を交えて饗庭、増野の3人で保育園に向かうのだが、木下は2歳の長女が熱を出したために早退したとのこと。タイミングが悪かったようだ。

保育園の職員によると、仕事を無理に抜けてきた木下は保育士が「38度あったので病院に連れて行ってあげてください」「おむつかぶれできているので気を付けてあげてください」と伝えても耳を貸さず、足早に去ったと木下の様子を伝えた。さらに木下が笑っているところを見たことがない、仕事と子育てに限界を感じているのではないかと予想を告げる。

そこに現れたのは、木下とは対照的にシングルファーザーと仕事を両立し、SNSで人気を博している瀬戸知宏(見津賢)。仕事と育児の両立で手いっぱいのシングルファーザーの木下。対照的に、仕事と育児をこなし、さらにはSNSにも力を入れる余裕のあるシングルファーザーの瀬戸。同じシングルファーザーであるにもかかわらず、なぜここまでの違いが生まれてしまったのか。

だが調べてみると、瀬戸夫婦には偽装離婚の疑いがあった。瀬戸夫婦は2人目の子が生まれた際、保育課によって「下の子の面倒を見られるなら、上の子を保育園から退園させる」という“育休退園”を迫られていた。制度に対処するため、夫婦が名義上離婚してシングル同士になることで保育園の利用を続けたのだという。

育休退園は、数字上の待機児童を減らす。「保育園を利用する必要がなくなった」と決めつけることで園児を退園させ、他の子を入園させられるからだ。保育課の課長である町田が「子育ての町」というみゆきの市のイメージを守るためにやったことだと見抜いた饗庭は、即座に保育課へ。

逆切れ課長に、蒼一郎の言葉が刺さる

饗庭の指摘に、町田は「仕方ないだろ」「みゆきの市に、待機児童なんていちゃいけないんだよ!」と逆切れ。さらには「そもそも俺は、保育課なんかに来たくなかった」とまで言うに及んで、饗庭が静かに声を掛ける。

「町田課長…市役所に来る人たちはみんな、何かしら生活に困りごとがあって来てるんです」と町田に歩み寄る饗庭。数字しか見ない町田の指示・対応によって役所の信頼が失われる危険性を、「せっかく徴収した税金による支援を、届けるべき人に届けられなくなってしまう。そんなことも分かんねぇんすか?」とだんだん声が荒くなっていく。

「町田さん、公務員なめないでください」とドスの効いた声でにらみ、今回も普段のチャラい姿からは想像できない強烈なギャップを見せた饗庭。SNSでは視聴者から、「長回しのせりふも完璧にこなす風磨くんすごい…。前半のカボチャ怪人からのギャップで風邪ひきそう」「すごく難しい問題に挑んでる作品として尊敬。毎回決めぜりふがビシっと決まって好き」「誰よりも市民に寄り添ってるからこそ湧いてくる怒りが、饗庭さんの言葉から伝わってきた」とのめり込んでいるという声が相次いだ。

第3話でもさまざまなシーンで相楽と饗庭の因縁が散りばめられた「ゼイチョー」。第3話のラストでは、華子の前に直接相楽が出て「話があるなら俺が聴くぞ、華子」と冷たいまな差しで告げる一幕も。今後徐々に明かされるだろう3人の思惑に注目したい。