にほんブログ村「コミックエッセイ」ランキングでTOP10に入るなど人気を博している、元アルコール依存症のアラサーOL・かどなしまるさん(@marukadonashi)。アラサー薄給OLの自分に初めてできた彼氏は実家住みでした。「実家を出る理由がない」と言う彼氏との“同棲を目指したリアルな日々“を、新たにマンガで描き下ろしてもらう連載企画。第6話から第10話のエピソードをかどなしまるさんと振り返ります。

【漫画を読む】子ども部屋おじさんの彼と一緒に住みたい私の100日間戦争

※アルコール依存症は完治しない病と言われています。著者の個人的な見解で、一番ひどい状態にあった過去と区別するためにタイトルで「元アルコール依存症」と謳っていますが、著者自身も自分の依存症が完治したとは思っていません。

第6話/「低収入な私…一人暮らしできる?」

安月給の中で始める一人暮らしには不安がいっぱいだった
――実家暮らしの彼と付き合うことで、苦しかったことはどんなことでしたか?

【かどなしまる】特に苦しく感じていたのは、生活面の価値観のズレがあとからボロボロ出てくるのでは?という懸念が募る一方で、検証のしようがなかったことです。一緒に住むことによって、今後もやっていけると確信したがっているのは自分だけ。相手はうまくいかなかったらどうするつもりなんだろう…という不透明な状況が、「楽しい恋人関係」と感じるだけではいさせてくれませんでした。

漫画に描いたこと以外では、ささいなことなのですが、日用品店や家具屋を一緒に見ていても、ユウキはまったく興味なさそうなのが寂しかったです。そこに“2人での生活”を思い浮かべる気配すら感じ取れなかったので…。

第7話/「ユウキへ募る不満」

【漫画を読む】子ども部屋おじさんの彼と一緒に住みたい私の100日間戦争
――価値観のズレが出てきたときは、どのように擦り合わせていこうと考えていましたか?

【かどなしまる】1番は「価値観は違っていて当たり前。多少のスルー力が必要」と熟知してほしいところですが、実際は難しいですね。価値観にはバックボーンがあるはずなので、その話をしていこうかなと考えています。

例えば、私は洗濯物を雑にたたんでしまうことがあるのですが、それは共働きで忙しかった母親の影響もあったりするので、時短重視の家で育った価値観があるんです。ユウキは、どういう理由で丁寧さにこだわりたいのか、お互いズレが生じている価値観の背景の物語をいったん聞いて、そのうえで何か見えてくるのかなと思います。

第8話/「ユウキの現状」

彼・ユウキが地雷男なのではと心配になるが…
――価値観の擦り合わせがうまく行ったエピソードを教えてください。

【かどなしまる】お金の価値観です。ユウキが値段を見ないで買っていて、「その品物にその金額出すの?」と驚くことがありました。私は、旅行先などでぱーっと使ったりしますが、日常では「本当に必要なものか?代替品はないか?」と一度考えてお金を使います。常にお金の使い方にメリハリをつけている私を見て、ユウキも真似するようになってきました。今は「値段を見ない」ということはなくなっています。

第9話/「アルコール依存症だった私」

実は、まるさんはアルコール依存症なのだ
――最初は温度差があったけど、温度感が同じくらいになったな、と感じた瞬間を教えてください。

【かどなしまる】私は誰とでもそうなんですが、連絡を取ることも緊張しがちで返信が億劫です。逆にユウキは「連絡がしたくてたまらない」という感じで、画面から伝わる温度感も高めでした。

付き合ってから私は、最初は「どのタイミングで返信しよう…」などと考えながら少しこわばって携帯を見ていました。しかし、付き合っていくうちに、ユウキからの連絡が楽しみでしょうがなくなってきて、仕事中も「どんな内容の連絡が入っているだろう」と、ウキウキと心が弾むようになりました。他の誰からの連絡よりもうれしい、と感じている自分に出会ったときに、同じ温度感になっていると認識しました。

第10話/「私と実家」

まるさんには実家に帰りたくない理由があった
――実家に対する価値観のほかにも、考え方のズレが出てきたときは、どのように擦り合わせていこうと考えていましたか?

【かどなしまる】1番は「価値観は違っていて当たり前。多少のスルー力が必要」と熟知してほしいところですが、実際は難しいですね。価値観にはバックボーンがあるはずなので、その話をしていこうかなと考えています。

取材協力:かどなしまる(「 お酒がないと××できません 」/ @marukadonashi )