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高齢者でもペットのお迎えを諦めなくていいって本当?岐阜県で始まった保護犬猫を助ける「ずーっと預かり制度」について担当者を直撃

2023/12/18 11:30
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今回は、認定特定非営利活動法人「人と動物の共生センター(以下 人と動物の共生センター)」が2023年11月22日「わんわんにゃーにゃーの日」にスタートした「保護犬猫ずーっと預かり制度」について紹介。犬猫の所有権を同法人に残したまま、万が一飼い続けられなくなった場合にも万全のサポートを提供するというこの新たな取り組みについて、担当者に話を聞いてみた。

岐阜県を中心とした東海エリアで「保護犬猫ずーっと預かり制度」がスタート
岐阜県を中心とした東海エリアで「保護犬猫ずーっと預かり制度」がスタート


ーー「人と動物の共生センター」のこれまでの活動について教えてください。
「人と動物の共生センター」は、これまで岐阜県を中心とした東海エリアを拠点に、殺処分問題をはじめとした“人と動物の共生”にまつわる社会課題の解決の一環として、2017年4月に「ペット後見互助会 とものわ」を発足させ、誰もが最後まで安心してペットと暮らせる社会を目指して、ペット後見の普及に取り組んでまいりました。

ーー「保護犬猫ずーっと預かり制度」の特徴は。
「保護犬猫ずーっと預かり制度」では、当団体から譲渡する保護犬猫について、その所有権を当団体が保持したまま、無期限で家庭にて預かる形式として迎え入れる制度です。その特徴は、獣医師を含む動物飼育支援の相談員が、飼育のサポートを行うことです。会員の年齢や健康状態と見合う年齢の保護犬猫をマッチングすることで、行き場のない保護犬猫に安心できる家庭を、保護犬猫を迎えたい高齢者世帯に安心して迎えられる環境を提供します。

制度がスタートした背景は?

家族のあり方や世帯構造が多様化した現代、犬や猫たちはもはや家族の一員と呼べる存在となっている。15歳以下の人間の子どもの数(1435万人)よりも、ペットの頭数(約1588万頭)の方が多いことをご存じだろうか(※1)。その反面、日本では一年間に約5.8万頭もの犬や猫が保健所に持ち込まれている(※2)という、非常に残念な実態もある。

保護犬猫のボランティア団体の近年の活動が功を奏し、2004年には39万4799頭だった犬や猫の殺処分の頭数は、2021年、1万4457頭まで減少してはいる(※3)。しかし、殺処分数が減少しているからといって、飼育放棄が減っている訳ではない。「人と動物の共生センター」の説明によると、昨今では「保健所に持ち込むと殺処分されてしまうから」という理由で、保護団体やボランティアに直接引取りを依頼するケースが増えているのだそう。

それゆえに、保護団体・ボランティアは行き場のない保護動物であふれかえり、譲渡先となる新しい飼い主探しが急務になっている。だが、高齢の保護動物が多いこともあり、譲渡先探しは思うようには進んでいないという。

※1:一般社団法人ペットフード協会 令和4年 全国犬猫飼育実態調査より
※2:環境省発行 動物愛護管理行政事務提要より(調査対象期間:2021年4月1日~2022年3月31日)
※3:環境省発行 統計資料 「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」より

飼いたいのに飼えない高齢者

その一方で、保護動物の譲渡条件として「65歳以下の成人であること」「単身者世帯でないこと」を掲げている保護団体や行政施設も多く、高齢者が保護犬猫を飼うハードルは高い。

このような「新しい飼い主を見つけたい保護動物」と「保護動物を迎えたい高齢者」の間で起こっているミスマッチを解消するために始まったのが、今回の「ずーっと預かり制度」だ。

会員と保護犬猫をマッチング!

今回の制度は、該当する保護犬猫の所有権を同団体に保持してもらったまま、無期限で家庭で預かる形式で迎え入れることができる仕組み。会員の年齢や健康状態と見合う年齢の保護犬猫をマッチングすることで、行き場のない保護犬猫には安心できる家庭が、保護犬猫を迎えたい高齢者世帯には安心して迎えられる環境が提供されることに。

受け入れ家庭に対しては、獣医師を含む動物飼育支援の相談員による予防医療や飼育相談の提供が行われ、手厚くサポートしてもらえる点も、非常に心強い。

入会金は1万円、月々の会費は犬の場合5000円、猫だと3000円で、会費には予防医療の提供も含まれる(※4)。会員には基本的に最後まで犬猫の世話をしてもらうこととなるが、入院・施設入所・死亡などにより会員による飼育が困難となった場合は、所有権を持つ同団体が犬猫を引き受け、終生飼養を行うこととなる。

※4:予防医療とは、犬の場合8種混合ワクチン、ノミダニ・フィラリア予防。猫の場合3種混合ワクチン、ノミダニ予防

会員になれる条件は?

会員になれる条件は、同団体の半径15キロ圏内に居住していること(15キロ以上の場合は別途経費が発生)、犬猫が飼育できる環境の持家・借家に住んでいること、同法人と随時連絡を取ることができること、会員自身でエサやり、トイレの掃除やお散歩といった一般的な犬猫の世話ができること、エサや消耗品、備品、犬猫の医療などの費用を負担できること、そして、飼育環境の確認のための自宅訪問を受け入れられること。

また会員になれば、上述のような保護犬猫のマッチングや獣医師を含む専門チームによるLINE相談、定期的な予防医療の提供のほか、体調不良時の会員価格での獣医療(往診あり)、フードや消耗品を会員価格で届けてもらえる、などのサポートを受けることが可能となる。

「ペット後見互助会とものわ」にも注目

【写真】「人と動物の共生センター」では、現在飼っている犬猫の将来を心配する飼い主に向けた取り組み「ペット後見互助会とものわ」も実施
【写真】「人と動物の共生センター」では、現在飼っている犬猫の将来を心配する飼い主に向けた取り組み「ペット後見互助会とものわ」も実施

同団体では、現在飼っている犬猫の将来を心配している飼い主へ向けた「ペット後見互助会とものわ」によるサポートも提供中だ。

「ペット後見互助会とものわ」は、万が一の入院や死亡に備えるための、飼い主同士が助け合う共助の仕組み。会員が入院や要介護状態に陥るなどして飼育が継続できなくなった場合にペットの引き取りを行い、新たな飼い主募集と譲渡とを実施する。ただし、ペットが病気や高齢であるなど譲渡が難しい場合には飼育施設で終生飼育してもらえるというから、安心だ。

費用は、入会金と事務手数料が合計10万円、月々の会費が1000円。加えて、終生飼育費用の100万円(10キロ以上の犬猫は体重×10万円)を遺すことで、動物たちの飼育費用を互いに賄い合うことができるという。万が一の場合はこの資金を使ってペットを保護し終生飼育をするという、保険のようなサービスとなっている。なお、この「ペット後見」の取り組みを全国に広げるためのふるさと納税によるクラウドファンディングも実施中とのこと。

人にとっても動物にとってもいいことづくめの「保護犬猫ずーっと預かり制度」の今後を注視したい。

※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

■保護犬猫ずーっと預かり制度
公式サイト: https://human-animal.jp/activity/pet-kouken/7174.html

■ペット後見互助会 とものわ
公式サイト:https://human-animal.jp/actions/pet-kouken
「ペット後見」クラウドファンディングサイト:https://www.furusato-tax.jp/gcf/2643

■認定特定非営利活動法人 人と動物の共生センター
設立:2012年3月23日
理念:「人と動物が共に生活することで起こる社会的課題の解決を通じて、誰もが他者を思いやることの出来る社会創りに貢献すること」
本部:岐阜市岩地2丁目4-3 TEL:058-214-3442
支部:鳥取県八頭郡智頭町福原19 TEL:058-214-3442
理事長:奥田順之氏(獣医行動診療科認定医、鹿児島大学共同獣医学部 動物行動学 講師、NPO法人 全国動物避難所協会理事長、他)

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