電気代や食料品の値上がりが続く昨今。主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした2023年9月の飲食料品値上げは、計2067品目にものぼるという。またこの時期は、夏の旅行やレジャーなどにお金を使いすぎたことで、節約を意識している人も多いのではないだろうか。

ロングライフ紙パック入り食品を上手に活用すれば節約にもつながる!
ロングライフ紙パック入り食品を上手に活用すれば節約にもつながる!


約9割の主婦が日常生活で節約を意識!?

Q.「あなたは日常の生活で節約を意識していますか」/SA(単一回答)
Q.「あなたは日常の生活で節約を意識していますか」/SA(単一回答)

2023年3月に主婦400人を対象に行われた調査(※1)によると、9割の人が日常生活で節約を意識していると回答。続く値上げラッシュに対し、まずは固定費の見直しや買い物を計画的にするなど、毎日の生活のなかで無理なくできる“節約”に取り組んでいる人が多いのではないかと考えられる。
※1)「子どもがいる働く女性の節約に関する意識調査2023」
時期:2023年3月
手法:インターネット調査
対象:子どもがいる25~49歳、有識者の女性500名

実は逆効果だった!?みんなの節約失敗談

Q.「節約のために行ったことで逆に失敗したと思う経験とはどんなことですか」/MA(複数回答)
Q.「節約のために行ったことで逆に失敗したと思う経験とはどんなことですか」/MA(複数回答)

同調査ではほかにも、55パーセントの人が節約のために行ったことで、逆に高くついたり無駄にしてしまったなどの失敗をした経験があることがわかったという。大量購入した物を使い切れずに消費期限切れにしてしまったり、安売りに釣られて必要のないものを買ってしまったりなど、安く買うことを重視した結果、結局無駄にしてしまったという経験をしている人が多いようだ。このことから、節約で失敗しないためには「安く買う」ことよりも「使い切る」ことが大切だということがわかる。

和田先生が伝授!賢い節約のコツ

では、失敗しない節約をするには具体的にどうすればいいのか。節約アドバイザー・和田由貴先生に話を伺った。

節約アドバイザーの和田由貴先生
節約アドバイザーの和田由貴先生


1. 割高に思えても冷凍食品を賢く活用
例えば生の野菜は安く購入しても使い切れないことが多々あります。それなら、割高でも冷凍野菜を購入して必要な分だけ使う方が1品あたりの単価は安くなります。冷凍野菜に限らず、そのときは割高だと思っても長期的に見れば1品あたりについて安くなる食料品はたくさんあるので、目先の安さにとらわれずに消費・賞味期限を見て冷凍食品を活用する計画的な買い物をしましょう。

2. 冷蔵庫に入れなくても管理できる食品を活用
まとめ買いをした食料品が使い切れない理由のひとつに、冷蔵庫に入りきらないということもあるのではないでしょうか。安いからだけでなく、毎日忙しいので休みの日に1週間分の食材をまとめて買い、冷蔵庫がいつもパンパンというご家庭も多いと思います。その場合、冷蔵庫の奥から出てきたときには気づいたら消費・賞味期限が切れていたということもよくあります。それだと、食品ロスに。食品ロスを減らすなら、「冷蔵庫パンパン問題」の解消にもなる、常温で長期保存できる食品が便利です。冷蔵庫のスペースを埋めがちな牛乳や豆腐も風通しの良い場所においておけば、かなりの日数持つ「ロングライフ紙パック」のものがあるので有効活用しましょう。

「ロングライフ紙パック」とは?

冷蔵庫ではなく棚や引き出しに収納できるロングライフ紙パック
冷蔵庫ではなく棚や引き出しに収納できるロングライフ紙パック

和田先生からのアドバイスのなかに出てきた、あまり聞きなれない言葉「ロングライフ紙パック」。これは、ほぼすべての人が一度は手にしたことがあるくらい身近に存在するという。例えば、野菜・果物ジュース、豆腐やスイーツなどの食品、牛乳・乳飲料、コーヒー、茶飲料、栄養補助飲料、レトルト食品など、幅広い食品を包むものとして使われている。和田先生に、この「ロングライフ紙パック」の良さについても話を伺った。

1. 保存料を使わず、常温保存ができる
紙パックへの充填技術とアルミ箔を用いた素材構成により、中身の食品を劣化させる酸素の透過を防ぐとともに光を遮断し、食品の品質を長期間保ちます。そのため開封前であれば、保存料を使わずに常温長期保存が可能となっています。

2. 収納しやすく、処分しやすい
直方体のコンパクトな形状なので収納スペースもとりません。また、使い終わった容器はたたんでおけば、リサイクルに出すまでの間もかさばらずに置いておけます。

3. リサイクルができる
ロングライフ紙パックはリサイクルが可能で、トイレットペーパーなどの原料として使われています。お近くのスーパーマーケットの回収ボックスや学校のベルマーク運動などのリサイクル方法があります。

4. 枯渇しない持続可能な資源を使用
ロングライフ紙パックは、枯渇しない持続可能な資源である木材を使用しており、なおかつ、適切に管理された森林から資源を調達しています。

冷蔵庫の整理も節約やフードロス削減のカギ

Q.「冷蔵庫にものがたくさん入っているため、食材の管理がしにくいと感じることはありますか」/SA(単一回答)
Q.「冷蔵庫にものがたくさん入っているため、食材の管理がしにくいと感じることはありますか」/SA(単一回答)

食材を傷ませたくないがゆえ、「買ってきたものをなるべく冷蔵庫へ入れる」という人は多いだろう。だが一方で、500人の女性を対象にした調査(※2)では、半数以上の主婦が、冷蔵庫にものがたくさん入っているため、食材の管理がしにくいと感じていることがわかった。冷蔵庫の中が買ってきた食材でいっぱいになってしまうと庫内が見えにくくなり、食材の管理がしにくくなってしまう。そのため、冷蔵庫の奥のほうに入っているものをうっかり賞味期限切れさせてしまい、食品ロスをしてしまったという経験がある人も少なくないのではないだろうか。また、庫内がパンパンだと、冷蔵庫の電気使用量が増えてしまうというデメリットも。
※2)「子どもがいる働く女性の節約に関する意識調査2021」
時期:2021年3月
手法:インターネット調査
対象:子どもがいる25~49歳、有識者の女性500名

冷蔵庫収納アドバイザー島本先生からもアドバイス

料理研究家であり、食品保存&冷蔵庫収納アドバイザーでもある島本美由紀先生にも、冷蔵庫の収納について話を伺った。

料理研究家・食品保存&冷蔵庫収納アドバイザーの島本美由紀先生
料理研究家・食品保存&冷蔵庫収納アドバイザーの島本美由紀先生


電気や日用品などの価格高騰を実感し、“節約”を意識し始めた人も多いかもしれません。なかでも、毎日かかる食費はできるだけ抑えたいもの。そんなときに私は、「冷蔵庫の7割収納」をおすすめしています。ものを詰め込まず7割程度にすることで、冷蔵庫がよく冷え節電効果が期待できますし、中身がよく見えるので無駄な買い物も減り、結果として食品ロスを防ぐことにもつながります。このように冷蔵庫の使い方を見直すことも“節約”につながります。

食料品でパンパンの冷蔵庫内
食料品でパンパンの冷蔵庫内


7割収納のポイントは3つあります。
1. 3分の1のスペースを目安に空きスペースを確保

2. そのスペースはできるだけ中央に

3. 収納するモノの定位置を決める

どうでしょう、この程度ならできそうな気がしませんか?冷蔵庫を開けたときに中身がすべて把握できるようになれば、使い勝手がぐんとよくなります。結果として節約や食品ロスの削減にもつながりますので、ぜひ取り入れてみてください。

【写真】7割収納の冷蔵庫内のお手本。物が少なく見やすいレイアウトに
【写真】7割収納の冷蔵庫内のお手本。物が少なく見やすいレイアウトに

次の出費が重なる冬休みや年末年始に向けて、この秋は賢く、手軽にできる節約から始めてみよう!