コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、野尻ウオさんの漫画『正義のヒーローに憧れるファンの話』だ。
野尻さんが2023年10月27日に同作をX(旧Twitter)に投稿したところ、8200件を超える「いいね」が寄せられた。本記事では作者の野尻さんにインタビューをおこない、創作のきっかけやこだわった点などについて語ってもらった。
正義のヒーローと噂される人物の目的はお金？
ある日、とうとう攫われてしまいそうになった時、彼女は街で噂の“正義の味方”について語る。「あんな噂信じてんのか!?」と大笑いするチンピラだったが、実際に正義の味方・逆原林が現れて、刀でチンピラをバラバラにしてしまう。
ピンチはしのいだものの追われる立場に変わりないルームゥは、ここぞとばかりに逆原林に助けを求めるが、多額の金を要求される。実は噂の正義の味方が悪党を殺していたのは、単なる金目的。絶望するルームゥに、逆原林はチンピラのアジトへ突入するための囮として協力しろと迫る。
そうしてアジトに突入したはいいものの、あっさりと撃ち殺されてしまった逆原林。しかし逆原林は不死身の体質で、あっさり復活して手下を殲滅し、ボスまであと一歩というところまで迫る。だがボスは逆原林を殺しきらずに手足だけを撃つことで、逆原林の動きを封じて逃走。そんな時、落ちている銃を手に取ったルームゥが…。
同作に対し、Xの読者からは「久々にゾクゾクするピカレスクストーリー」「守られる側だった女の子の吹っ切れる瞬間が最高」といった好評の声が寄せられていた。
作者・野尻ウオさん「『好きに描いたれ！！』と開き直った結果、この作品が生まれた」
この作品を描いたのは2年半ほど前なのですが、当時は担当編集さんとのやり取りで完全に疲弊しきっていました。自分の中で何が面白いのか分からなくなっていたのです。言われたことを全て守ったネームはボツになり続けていました。まあ面白くないから当然なんですが…。
そういうフラストレーションが溜まって「好きに描いたれ！！」と開き直った結果、この作品が生まれました。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあれば教えてください。
背景です！ゴチャゴチャさせたいな～と思って描きました。完全な直線を無くしたらどうなるかという試みもおこないました。良くなってるかは知りませんが！
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
主人公が死んで復活するシーンは全体的に好きですね。何度もやられて復活する、それを利用して戦うという設定が気に入っているのです。死という最大の絶望を嘲笑いながら戦うってカッケー！と思いながら設定を考えてました。
――多数の反響があった『正義のヒーローに憧れるファンの話』ですが、続編を公開する予定はあるのでしょうか？
今は特に無いです。というのも自分はまだまだ漫画で食べていけるような身分ではないので、目の前の連載を取ることで精一杯なのです…。でも、この作品自体は気に入ってるので、チャンスがあったら全然描きたいです！
――また次に考えている新作や挑戦したいジャンルなどがあれば、ぜひ教えてください。
次はイケイケじゃない、共感しやすい主人公とかを考えてます。とはいえ初めてすぎてうまくいってるかはわかりませんが…。必要に迫られたらどんなジャンルでも描いてみようという心構えで日々やってます。
――今後の展望や目標をお教えください。
連載を取るのが目下の目標です！新人賞を取ったところで連載が確定するわけではないので、まだまだ道は長いです。長く走れるように頑張ります！
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！
読み切りばっかじゃなくて続きモノも早く見せたいという気持ちでいっぱいです。とはいえ今は読み切りしか見せるものがないので…。Amazonで無料で見られる読み切りまとめを見ていただけると嬉しいです！
高校生の頃に初めて描いた、羞恥心ヤバめのマンガとかもまとめてます。感想は言わないように。今後もチマチマ漫画描いていきますので、暇だったら見てね！
