「ガーディアンズ」シリーズでゾーイ・サルダナが演じるガモーラ / 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」より(C) 2023 Marvel
【写真】美しく強い…!ド派手に攻撃するガモーラ

「アバター」「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」など、映画史に残るヒット作に多数出演してきた世界屈指の名優ゾーイ・サルダナ。その代表作の一つである「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズ三部作の最終章となる「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」が、この8月にディズニープラスで配信開始。そこで今回は、「ガーディアンズ」シリーズでの活躍を中心に、ゾーイの魅力を深掘りしたい。(※以下、一部作品のネタバレを含みます)

記録的大ヒット映画に引っ張りだこ

2000年にデビューして以来、ジャンル問わず様々な作品に出演してきたゾーイ。「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」や「スター・トレック」などの大作映画に出演後、ジェームズ・キャメロン監督作「アバター」のネイティリ役に任命され、映画史に残る超大作で歴史に名を刻むことに。そんな彼女は続けてマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に出演したことで、世界的スターとしての地位を確固たるものにしたといえる。

ひょんなことから“守護者/ガーディアンズ”として銀河の平和のために闘うことになった悪名高きはみ出し者たちの活躍を描くSFアクション「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」。クリス・プラット演じるスター・ロードことピーター・クイルを囲むメンバーの異色さは一目瞭然。マシンガン片手に怒り狂うアライグマや一言しか発さない“木”など銀河中の多種多様な生命体が揃う中、負けない存在感を放つのが緑色の肌と赤黒い髪色が印象的なガモーラだ。

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」より / (C) 2023 Marvel

監督から直接オファー 色気あふれる凄腕暗殺者ガモーラ

ガモーラは銀河の生命を脅かそうとする征服者サノスを父にもつ役どころ。サノスといえばMCU史上、最高の盛り上がりを見せた「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」と「アベンジャーズ/エンドゲーム」で史上最悪のヴィランとして君臨したキャラクターで、MCUを繋ぐ大きな役割を果たしていた。

その娘であるガモーラについてゾーイは「彼女は忍びのような暗殺者。容赦なく死をもたらし、荒っぽい」 と説明。自由自在に剣を操り、素早く無駄のない動きで敵を仕留めていくミステリアスで色気あふれる暗殺者だ。目的のためなら手段を選ばない冷酷さの半面、孤独な人生の末に出会った仲間に対して家族愛のような思いを心の内に抱いているガモーラ。そのギャップにピーターのみならず、ファンも心を鷲掴みにされたはず。

複雑な生い立ちからくる葛藤に揺れ動く様を見事に演じているゾーイを一目見れば、彼女以外に誰がガモーラを演じるのか考えられないが、この見事なキャスティングを実現させたのは他でもない、監督ジェームズ・ガンだ。

「これまで一度もそんなこと起きたことなかったのだけど、彼(ガン)が電話してきて“脚本を書いている時に、頭に浮かんでいたのは君だけだ”と言ったの」 と監督直々にオファーがあったと告白したゾーイ。「絶対に同じこと他の女優50人にも伝えているでしょうって言ったら“いやいや、本当にまじめな話。真剣に君に脚本読んでみてほしい”と言われて、脚本を読んだ」と明かしている。

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」より / (C) 2023 Marvel

家族のような絆で結ばれたキャストたちとの友情

2014年の第一作「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」から2017年公開の第二作「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」、そして2023年公開の第三作「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」まで10年ほどの期間、美しい新たな家族愛を見せてきたキャストたち。

NGシーン集などの特典映像では、和気あいあいとした雰囲気で撮影を行っている様子が見られる。

かねてより共演者たちと仲が良いことを明かしているゾーイ。共演者からも慕われていて、クリスは「ゾーイと一緒に仕事ができて最高だよ。しっかり準備して臨むところがすごい」と尊敬を露わに。妹ネビュラ役のカレン・ギランは「ゾーイが好き。お姉ちゃんみたいな存在。格闘シーンの動きを教えてくれるし。カッコよく見えるわ」と 、姉妹のような関係を築き上げたと話している。

惜しまれつつガモーラ卒業 今後の活躍にも期待

巧みな音楽使いもあって、アメコミファンのみならず、世界中のエンタメファンから愛される映画シリーズになった「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」。ジェームズ・ガン監督による三部作の完結編にあたる「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」について、ゾーイは「ガーディアンズにとってこれが終わりとは思わない」としたうえで「私にとっては終わり」と今後、再びガモーラを演じることはないとコメント。その覚悟をもって臨んでいた撮影では、寂しさを感じていたという。

「撮影の始まりは切なかった。だって明らかに終わりを気にしてしまうから。でももう一度素晴らしいみんなと仕事ができることにただ幸せを感じていた」 「進化を目の当たりにしてきた。私自身だけではなくて監督やキャストたちの分もね。ただただ喜びと感謝を強く感じてる。とても素敵な旅立ちになったと言うべきだわ」と区切りをつけたことを明かしていた。

惜しまれつつもガモーラ役と別れを告げたゾーイ。8歳になる双子の息子と6歳になる息子3人を育てる母としても忙しくしているが、今後も仕事に対するやる気は十分なよう。すでに第5作まで製作が決定している「アバター」に加えて、セレーナ・ゴメスやエドガー・ラミレスらラテン系俳優たちと共演するクライムコメディ「Emilia Perez(原題)」など、5本以上の待機作が控えており、ますます多忙を極めそうだ。

これまでも「アバター」や「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」といったシリーズ映画の合間を縫って「夜に生きる」や「アムステルダム」といった映画から「フロム・スクラッチ ~愛のレシピをもう一度~」などの海外ドラマに出演し、多才な魅力を披露してきた彼女。今後どのような作品で、どのような活躍をみせてくれるのか。無限の可能性を感じさせてくれるゾーイから目が離せない。

◆文=KanaKo

【写真】「ガーディアンズ3」でのガモーラとピーターは“微妙”な距離感 / 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」より(C) 2023 Marvel