映画「すずめの戸締まり」“最後の戸締まり”舞台あいさつに登壇した松村北斗、新海誠、原菜乃華(写真左から) / ※ザテレビジョン撮影
【写真】観客を前に公開アフレコを披露する松村北斗

原菜乃華と松村北斗(SixTONES)が、5月27日に都内で行われた映画「すずめの戸締まり」の“最後の戸締まり”舞台あいさつに、メガホンをとった新海誠監督と共に登壇。日本“終映”を迎えるにあたり、久々に3人で登壇した感想を語った他、ファンから寄せられた質問に答えた。

半年間にわたる超ロングラン上映も“終映”

同映画は、2022年11月11日に全国420館(IMAX41館含む)で公開され、日本では動員が1100万人突破。海外では2023年3月から順次公開され、海外動員が3500万人を突破、全世界興行収入が420億円を突破するなど、世界中で“すずめ旋風”を巻き起こした。このたび、5月27日に半年にわたる超ロングラン上映が終映を迎えることになり、鈴芽役の原と草太役の松村、そして新海監督がイベントに登壇。会場に詰め掛けた観客、そして生中継で全国のファンに向けてトークを展開した。

3人がイベントでそろうのは2022年11月28日に行われた大ヒットイベント以来とのこと。それを聞いて、新海監督は「今日5月27日ということで、1年くらい前に何をしていたんだっけと、家を出る前に制作日誌を読み返していたら、1年前の5月25日に『鈴芽役をお願いします』っていうお願いを菜乃華さんにしたんですよね。その時にほっくん(松村)にも付き合ってもらったんだよね。サプライズで発表させていただいて。あれから1年ですよ」と思い返すと、松村は「そうでした!あっという間はあっという間なんですけど、ものすごく懐かしさはありますよね」と率直な心境を。

一方、原は「(この後生披露する)アフレコとかも長らく鈴芽の声から遠ざかっていたので、緊張しています。すごく久しぶりで…」と不安をこぼすと、新海監督が「でもこうやって聞いていると、鈴芽の声だし、草太の声だなって思いますけどね」と柔和な表情で語り、2人を安心させた。

映画「すずめの戸締まり」“最後の戸締まり”舞台あいさつより / ※ザテレビジョン撮影

原「うれしくてニコニコしてしまいますね」

また、ファンから登壇の3人へ向けて寄せられた質問をMCが代読することに。「すずめの戸締まり」の原の演技がきっかけで声優になりたいという夢を持ったという中学生から、「声優の仕事の良さ、楽しさ」について聞かれると、原は「そんなことを言っていただけて、うれしくてニコニコしてしまいますね。本当にうれしいです!」とニッコリ。

続けて「私も中学1年生の時に、同じように『君の名は。』を見てアニメーションが大好きになって、本当にたくさんの方が自分の最大限の力でこの作品をより良いものにしようというふうに取り組んでくださったっていう熱意が伝わってきてすごく感動したので、自分もそこに付いていきたい、携わりたいという思いだけで十分なんだろなって思いました。うまいことが言えなくて申し訳ないんですけど、そういうふうに言ってもらえてすごくうれしいです。ありがとうございます」と恐縮しきりで、質問してくれたファンに感謝を述べた。

松村は「(声優の仕事で)一番これはハマってしまうというか、面白いなって思うのは、姿形、年齢を飛び越えられるごく稀な仕事だなと。それがすごく面白いなと感じました」と、声優という職業ならではの魅力を伝えた。

それを受けて、新海監督は「僕が2人を選ばせていただいたのはオーディションだったんですけど、鈴芽は声だけを聞いて『この人だ!』って思った人が菜乃華さんをはじめ何人かいて、あとは数人の方に直接お会いして、やっぱりこの人が鈴芽なんだと思ったし、ほっくんもそうで、オーディションで声だけ聞かせていただいて、その後直接会って。僕はアイドルとしてのほっくんのことを実はあんまりちゃんと見ていなくて、“若い役者さん”として接して『この声が草太だ』って、見つけた感覚だったんです。自分の描いた作品なら自分の子どものようなものだから聞けば分かると思ってオーディションをやっていたので。ですから“出会い”だったと思うんですよ」と、あらためて2人のオーディション時のことを回顧。

その上で「そういう意味では運であったり、相性のようなものも大事な仕事だとは思います。こういう努力をすれば、と簡単には言えないんですけど、一つ確かなのは、今何かになりたいという強い気持ちはずっとキープしていただければ。その気持ちが自分を今とは違う場所まで連れて行ってくれると思うんですよね。ですから、将来本当に何になるかどうかは別にしても、今思っているその感情は大事にしてほしいなとは思いますね」と、声優を志す質問者に熱くメッセージを送った。

さらに今作のラストイベントということで、特別に新海監督がこのステージでの即興芝居用に台本を作成。「すずめの戸締まり」の映画では描かれていない部分を、新たに新海監督が書いたショートストーリーに原と松村、そして新海監督が神木隆之介演じる芹澤役として“生アフレコ”を披露した。

無事に観客の前で芝居を終え、松村が「久しぶりに鈴芽に会いました」と話すと、原も「久しぶりに草太に会えたなっていう感じがします」とホッとした様子で振り返っていた。

なお、原と松村のビジュアルコメンタリーも収録された映画「すずめの戸締まり」のDVD&Blu-rayは9月20日(水)に発売される。

◆取材・文・撮影=ブルータス・シーダ(STABLENT LLC)