<この体験記を書いた人>
ペンネーム:濃姫
性別:女性
年齢:45
プロフィール:夫(47歳)、娘(19歳)、息子(13歳)の4人家族。夫の実家の飲食店を手伝う兼業主婦。夫とは現在離婚に向けて話し合い中。



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2002年に夫(47歳)と結婚をしました。
夫の実家は鉄筋コンクリートの3階建てで、現在は1階が義父(72歳)と義兄(47歳)が営む飲食店、2階が義父と義母(69歳)の居住スペースです。
3階が私たち家族の居住スペースとなっていますが、結婚当初は義祖母(当時77歳)、義妹(41歳)、義兄も一緒に暮らしていました。
ある日、親戚を20名ほど呼んで義祖母の喜寿のお祝いを行うことになり、家で料理をするのは大変だからと、寿司や懐石弁当を頼みました。
みんなが帰った後、私が空の寿司桶や懐石の弁当箱を軽く洗おうとしたとき、義母から「洗わなくていいから、これで軽く拭いて」とボロ雑巾を渡されたのです。
一瞬何を言われているのかわからずボーっとしていると、義母がビニールを持ってきて言いました。
「ここに食べ残しやゴミは捨てて、あとは軽く拭けばいいのよ。お店は返却された器は洗い直すのだから、わざわざ洗って返す必要はないわけ。水も時間も無駄だからね。軽くさっと拭き取ればオッケー!」
唖然としてしまいました。
私の実家では店屋物を取ったとき、返却する器は家の食器と同じように洗って拭いて返していました。
しかし、義妹は平然とボロ雑巾で寿司桶を拭いていたので、夫の家では普通のことだったようです。
その後、娘(19歳)や息子(13歳)が生まれ、義妹も結婚して家から出て行き、義兄も一人暮らしを始めました。
それでも、子どもたちが小さかった頃は、家族の誕生日や正月、クリスマスなどには、義父母の住む2階に集まり、近所のお寿司屋さんや仕出し弁当屋さんから出前を取り、食事会を開いていました。
食事が終わり片付けが始まると、いつの間にかキッチンのテーブルの上にボロ雑巾が置かれているのです。
何年たっても、何十回拭いても慣れません。
義母が見ている手前、仕方がなく拭いてはいましたが、娘や息子にはこの変な習慣を当たり前だと思わせたくありませんでした。
しかしある日、義母からもらった煮物の器を返そうと洗っていたら、当時5歳の娘が「返すんだから洗わなくていいんだよ」と言うではありませんか! 
私が「ちゃんと洗って返さないと駄目よ! 失礼でしょ」と言うと、娘はびっくりした顔でこう言ったのです。
「だって、ばぁば(義母のこと)は、裏のおばあちゃんからもらった天婦羅のお皿も洗わないで返したよ」
なんてこと...お店だけではなく、ご近所さんの食器も洗わないなんて...しかも、娘がそれを見てしまったなんて...。
20年一緒に生活を共にしていますが、私はどうしてもこの習慣に馴染めません。