「料理上手な方って、調理器具をたくさん持っているイメージがありました。でも、本当に上手い人って、道具も最小限で効率的ですね...ある友人がそれを教えてくれました」
親や夫、子ども、友人に職場の同僚、ご近所さん...。アラフィフ女性を中心に、みなさんから寄せられた人間関係の「モヤモヤ」「スカッと」「泣ける」実体験エピソードを、過去の人気記事をもとにして漫画で再構成しました。この時、あなたならどうしますか?

■友人宅の夕食に招かれたときのこと...


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そのあとのHさんの料理の流れは以下のとおり。
まずは、私たちと一緒に映画を見ながら、ペティナイフでジャガイモの皮を剥き、あらかじめ、前日から調味液に漬けておいたというお肉とともにオーブンに入れました。
生野菜は手でちぎるか、キッチンバサミで切り、サラダが完成。
オシャレな木製ボードに、チーズ、ナッツ、オリーブなどを乗せて、お洒落な前菜の盛合わせがあっという間に。
スープは海外製品を扱うお店で購入したという、缶詰の市販のスープに生クリームを入れて完成。
前菜、サラダ、スープ、メイン料理を、私たちとほとんど映画を見ながら、のんびりと楽しそうに作るHさんに驚きました。
しかも味も美味しくて、私の料理とは雲泥の差...でも、ふと疑問が湧きました。
「ペティナイフを使ってたよね? 普通の包丁は?」
「私、包丁って持ってないの」
「えー!」っと私は仰天してしまったのですが、Hさんの言い分はまさに「目からウロコ」でした。
「ペティナイフとキッチンバサミがあれば全然困らないよ。スーパーで魚もお肉もカット済み、下処理済みもたくさんあるもん。カット野菜を買ったほうが余らず使い切れていい時もあるの。安くても、1人だとたくさんの野菜は食べ切れないしね」
この言葉に私の料理の常識は覆されました。
Hさんは大学生の時に海外にホームステイをしていました。
そのとき、ホストファミリーにこんなことを言われたそうです。
「日本人は『おもてなし』かもしれないけれど、せっかく自宅に招かれても、ずっと台所にいるよね。ゆっくり話もできないよ」
そう言われたHさんも「確かにそうだな」と思い、包丁を持たないことにしたそうです。
「いっそ、ペティナイフもなくしてキッチンバサミだけにしたいんだけどなぁ」
いつも職場に手作りの美味しそうなお弁当を持参してくるHさん。
そのHさんの「包丁を持っていない、使わない」習慣は、衝撃的で未だに忘れられません。

漫画:すずはる/原案:「毎日が発見ネット」みなさんの体験記