最低限の知識と道具で楽しむ マンガ海釣り超入門
『最低限の知識と道具で楽しむ マンガ海釣り超入門(扶桑社ムック)』(原 太一:監修、こばらゆうこ:その他/扶桑社)

 12月に入り、釣り好き(特に青物狙いアングラー)にとっては、秋のハイシーズンが終わって春までお休みするのか、もうワンチャンス狙って年末まで竿を振り続けるのか迷う時期だ。ということは、「釣りをしてみたい! でも、何から始めればいいのかわからない」という人やビギナーにとって、釣りを始める絶好の機会かもしれない。なぜなら、海水温の上昇が続く近年、12月はまだまだ大物が釣れるチャンスが残っているからだ。

 そんな釣り未経験者やビギナーにピッタリな一冊が『最低限の知識と道具で楽しむ マンガ海釣り超入門(扶桑社ムック)』(原 太一:監修、こばらゆうこ:その他/扶桑社)だ。本書はマンガと豊富な写真、読みやすい解説文で海釣りの方法や楽しさを伝える超入門書。「竿1本、リール1個だけでも、十分いろいろな海釣りが楽しめる」「最低限の知識と道具で楽しめる」と、釣り未経験者を海に誘う。

 本書の主人公は、都会育ちの新人会社員。忙しい毎日に疲れ気味で、海辺の街へ一人旅に出たところ、街に暮らす釣り大好き姉妹に釣りの楽しさを教えてもらう、というストーリーだ。本書は、汎用性の高い竿とリールを推薦し、7つの釣り方を紹介する。脈釣り、ちょい投げ釣り、サビキ釣り、ブラクリ釣り、ウキ釣り、簡単ジギング、そしてジグヘッドの釣りだ。読者には釣りに関して何の前知識も要らない。自分と主人公を重ね合わせ、主人公と共に釣りの知識や技術、必要な道具などを学んでいけばいい、という構成になっている。

 さて、青物狙いアングラーでもある私としては、やはり本書からルアー釣りのパートを紹介したい。本書は、なぜアングラーが釣りやすいエサ釣りではなく、あえて釣るのが難しい鉄などの疑似餌を使うルアー釣りにハマるのか、その魅力や楽しさを伝えている。

最低限の知識と道具で楽しむ マンガ海釣り超入門

 本書いわく、ルアー釣りは

・魚のいる場所を突き止め
・ルアーを巧みに動かすことで魚を誘う

 釣りであるため、通常の釣りより、いっそうスポーツ性が高い。

最低限の知識と道具で楽しむ マンガ海釣り超入門

 そして、特長や魅力を次のように語っている。

・技術や推測が釣果に直結する
・狙い通り釣れた時の喜びが大きい
・エサを使わないので準備が楽
・生きエサを触るのが苦手な人にも最適
・シンプルな釣り道具なので身軽かつ手軽に楽しめる
・小物から大物まで狙える魚種が多い

最低限の知識と道具で楽しむ マンガ海釣り超入門

 多少でも興味をもった読者向けに、本書は次のように釣れる魚、メタルジグの種類や選び方、操作方法(アクションのパターン)なども紹介している。

最低限の知識と道具で楽しむ マンガ海釣り超入門

最低限の知識と道具で楽しむ マンガ海釣り超入門

 本書が説明するように、釣りは

・魚の活動パターン
・潮汐と釣りの関係

 などを知り、大自然の中で魚と知恵比べする楽しさがある。

 釣りがシーズンオフになる前に、釣り人生の第一歩を踏み出してみたい方に、本書をオススメしたい。

文=ルートつつみ

マンガ こばらゆうこ
イラスト 小倉隆典
写真 中村崇彦