ドラマストリーム「恋愛のすゝめ」で主演を務める綱啓永 /  撮影=玉井美世子
【写真】レモン片手に“あざとキメ顔”を披露する綱啓永

11月21日(火)より、TBSの深夜ドラマ枠「ドラマストリーム」の11作品目として、『恋愛のすゝめ』(毎週火曜深夜0:58-1:28、※一部地域をのぞく)がスタートする。本作の主人公を演じるのは、連続ドラマで初の単独主演を務める綱啓永。2023年だけで7本のドラマに出演している綱が、今作では“超エリート男子高校生”に扮(ふん)する。このたび、WEBザテレビジョンでは綱にインタビューを行い、撮影の裏話や、初座長として現場で意識していたこと、そしてこれまでの俳優人生を振り返り、自身の“転機”となった作品についてたっぷりと語ってもらった。

エリート男子高校生が「恋愛」という最大の難題に挑む!

同ドラマは、人生を勉強に捧げてきた超エリートメガネ男子たちが、校則で禁止された「恋愛」に挑む“大げさ・大真面目ラブコメディー”。

勉学以外の一切の恋愛・娯楽は許されない厳格な校風の男子校である進学校の生徒会長であり、クイズ研究会の会長・鳳啓介を綱が演じる他、本田響矢、一ノ瀬ワタル、若林時英、ひょっこりはんが個性豊かなクイズ研究会のメンバーとして出演する。

現場では「座長ということを意識し過ぎないように意識」

――今回、初の連続ドラマ単独主演ですがドラマへの出演が決定した際の心境を教えてください。

ドラマストリームというすてきな枠の主演をやらせていただけるということは光栄ですし、すごくうれしくてびっくりしたことを覚えています。

今作の脚本を手掛ける中屋敷(法仁)さんとは、以前舞台「タンブリング」(2021年)でご一緒させていただいたことがあって。きっとそういうつながりもあって今回の出演が決まったと思っているので、これまでまいてきた種の芽が少しずつ出てきたといいますか、今までの努力が一つ実った瞬間だなと感じています。

――座長として現場で意識していたことはありますか?

今回、初めて“座長”という立ち位置をやるということで、正直どうすればいいのか分からなくて…。いつも現場に入るときは緊張するのですが、今回はその何百倍も緊張しちゃって“ヤバい、どうしよう”と内心思っていました。

ですが、座長を経験したことがある俳優仲間の樋口幸平や前田拳太郎から「いつも通りでいいんだよ」というアドバイスをもらったので、座長ということを意識し過ぎないように意識していました。

クイズ研究会のメンバーは「真面目ですごくいい人たち」

――最初に “超エリート高校生”を演じると聞いたときの心境はいかがでしたか?

まずは“まだ学生いけるんだ!”と思ったのですが(笑)。少し前から「もう少しで制服は着られなくなると思うので(学生の役を)今のうちにしておきたいです」といろんな媒体さんにお話していたので、まだやれるんだということがうれしかったですね。

“超エリート”という役どころについては、僕には全くない一面なので、正直できるか不安だったのですが、自分なりに勉強をして挑みました。実際に演じてみて思うのは、一生懸命演じていれば勝手に鳳啓介になっていくんです。現場では毎日頭が痛くなるくらい頑張っています(笑)!

――黒髪にパッツン前髪、そして眼鏡という個性的なビジュアルも印象的です。

僕、前髪を下ろす役が久しぶりだったのと、今年やらせていただいた作品で黒髪のキャラクターは今回が初めてで。それに加えて眼鏡ということで、最初は見慣れなかったですが、今はしっくり来ています(笑)!

――クイズ研究会のメンバーも個性豊かな方々がそろっていますが、撮影でのエピソードがあれば教えてください。

くせが強いですよね(笑)! まず、高校生の役どころなのですが30代の一ノ瀬(ワタル)さんとひょっこり(はん)さんがいるという…そこにまず驚きました。

特にひょっこりさんには現場でも笑わせていただいていて。少し悩んでいたときに、顔を見るだけで自然と笑顔になれたんです。他のメンバーとも撮影を通して仲良くなれて、久しぶりにLINEグループを作りました。みんなすごくいい人たちですし、真面目です。

――鳳啓介はこれまでの人生を勉強に捧げてきましたが、綱さんが学生時代に夢中になっていたものはありますか?

自転車です。少し意味合いは違うかもしれませんが…今でこそ電車やタクシー、ループといろんな移動手段がありますが、高校生のときって電車賃すらケチる時代じゃないですか(笑)。僕、地元の最寄りの駅の電車賃が少し高い路線で、どこへ行くにも自転車だったんです。放課後には目的地まで自転車を30分くらい漕いで、遊んでましたね。

僕、自転車漕ぐのが一番早かったんです! マウンテンバイクに乗っている友人がいたのですが、それよりも早かったですね(笑)。

「みんながこの作品をすごく面白いと思っているんです」

――俳優業を始めて今年で6年目になりますが、現時点で俳優という職業は自分に向いていると感じますか?

どうなんだろう…まだ分からないです。でもMBTI(性格)診断で適正職業に「俳優」って入っているんです。だから…きっと合っていますね(笑)!

――これまで幅広い作品に出演してきましたが、転機となった作品を教えてください。

やっぱり、転機を聞かれると「君の花になる」(2022年、TBS系)がまずは思い浮かびますね。自分の俳優人生の中である種の着火剤だと思っています。この作品のおかげで今年出演できた作品もあったので、そう考えると“君花”の存在は大きかったです。

でもまだまだだなと思った出来事があって。今日、仕事で空き時間があったので都内のお店に入ったら声をかけていただいたのですが、それが全然違う名前で(笑)。“誰かと間違えているのかな”と思ったのですが、その子が開いているSNSの画面が明らかに僕だったんですよ。

それは僕の実力不足だなと思ったので、しっかりと名前まで覚えてもらえるように頑張らなきゃなと感じましたね。

――近年は連続ドラマへの出演が続いていますが、役の切り替えに苦労することはありますか?

役はすぐに抜けるので、そういった部分ではあまり苦労はしません。僕は役に入るきっかけは衣装とメークだと思っているので、見た目はすごく大事だなと。それでいうと鳳啓介は眼鏡がスイッチでした。

――最後にドラマの見どころと読者へのメッセージをお願いします。

僕だけじゃなく、他のキャストもスタッフさんも、この作品をすごく面白いと思っているんです。みんなが自信満々過ぎて面白いくらいに(笑)。

そのくらいに台本が魅力的で“一瞬でも見てもらえれば絶対に最後まで見たくなるんだよな“とみんな言っているので、まずは第1話をぜひ見てほしいなと思います!

撮影=玉井美世子/スタイリスト=三宅剛/ヘア&メーク=牧野裕大/衣装協力=ヴィクティム、ワンスリー コンパウンド フレーム