貧しいスンチョンは、金のスプーンを使って、金持ちの息子と入れ替わるが… / 「ゴールデンスプーン」ディズニープラスにて独占配信中 (C)2022 Disney and related entities
【動画】“悲惨”イジメシーンも…!「ゴールデンスプーン」予告映像

ボーイズグループ・BTOBのメンバーで、「トッケビ」「サンガプ屋台」などで俳優としても活動しているユク・ソンジェが、除隊後初のドラマ「ゴールデンスプーン」で、今までに見せたことがないシリアスな演技で新たな一面を見せている。

金のスプーンで親を入れ替え

この作品は、同名のウェブトゥーンが原作の、使うと親を替えることができる金のスプーンを手に入れた貧しい家庭の青年が、そのスプーンを使って、金持ちと貧しい生活の人生を行き来する人生アドベンチャーストーリー。

9月23日より韓国MBCにて放送開始。日本では「ディズニープラス」内「スター」ブランドで、同じく9月23日から毎週金曜土曜に韓国での放送終了タイミングで配信されている。

ソンジェが演じるのは、売れない漫画家の父を持つ、貧しい家庭の高校生・スンチョン。金持ちの子女だらけの学校に通っている彼は、彼を見下しているイジメグループから連日ひどい仕打ちを受けている。

そんなある日、彼は露店商から“自分の親を替えられるスプーン”を買う。替える方法は、自分が親にしたい人物の家庭で、そのスプーンを使って3回食事をすること。半信半疑だったが、彼はクラスメートの“トシングループ”の会長の息子・テヨン(イ・ジョンウォン)に目を付けた。そしてテヨンに近づき、彼の家で何とか3回食事をして、テヨンと人生を入れ替えることに成功した。望んだ人生を手に入れ、まさに“この世の春”状態のスンチョンだったが、今後、彼は波乱の人生を送ることになる。

笑顔を見せないソンジェの演技が新鮮

ソンジェが、この「ゴールデンスプーン」を、除隊後の俳優復帰作として選んだのは、「演技の幅を広げたいと思ったから」。今回のスンチョン役は、「トッケビ」のお気楽な財閥御曹司・ドクファや、「サンガプ屋台」の屋台バイト・ガンベのような明るさはなく、貧しい苦しい生活のせいか心に闇をかかえていて笑顔もほぼ無く、目の奥に野心が見える人物だ。制作発表会見で、彼は「重くてシリアスな一面が見せられると思う」と演技に対する自信を見せていた。

また監督も、ソンジェが除隊したときに会った際に「“何でもできる”という気概を感じた」と言い、「難しい役割だったが、やれるという自信がみなぎっていて、信じて撮影することができたし、最高の集中力と機転、瞬発力を見せてくれた」と、大絶賛だった。

伝説のシーンを生んだことも

今ではこのように俳優として評価されているが、最初からそうだったわけではない。2012年にボーイズグループ・BTOBのメンバーとしてデビューし、翌年2013年からドラマにも出演し始めるが大きな役ではなかった。初のメインキャストとなったのは、2014年の「ナイン・ジンクス・ボーイズ~九厄少年」。全員が厄年の三兄弟の次男・ミングを演じたが、ぎこちない演技で、視聴率も最終的に1%未満という残念な結果だった。

翌2015年には、スターの登竜門とも言われるKBSの「学校」シリーズの「恋するジェネレーション」に出演。同年代の共演者に囲まれ、学校が舞台だったせいか、かなり演技が自然になってきた。このドラマでソンジェは、伝説を作った。彼は理事長の息子役だったのだが、父親とケンカしてムシャクシャした気持ちを発散するために夜の道を爆走するシーンで、バイクではなくセグウェイに乗って絶叫する、という斬新すぎる行動をとったのだ。本人は「撮ってるときはカッコいいと思ったんだけど…」と言い訳していたが、後世に残る伝説の珍シーンとなってしまった。

俳優としての飛躍のきっかけは「トッケビ」

そんな彼が俳優として知名度も人気も評価も爆上げしたのが、2016年の「トッケビ」。ソンジェが演じたドクファは、トッケビに代々仕える執事の孫でもあり、財閥御曹司でもある人物。また、普段は坊ちゃん体質の気楽な性格だが、前世が降臨すると一転して、落ち着いた思慮深い表情を見せる。二面性を上手く演じて、「2017コリアドラマアワード」の“今年のスター賞”“男性新人賞”ほか、いくつもの賞を獲得した。

そして2020年の「サンガプ屋台」を撮影した後、兵役に就いたのだが、このとき、屋台の管理人としてソンジェ演じるカンベと共に働いていたのが、今回「ゴールデンスプーン」で、テヨン(入れ替わったスンチョン)の父、“トシングループ”会長・ヒョンド役のチェ・ウォニョン。

入隊前と除隊後の作品での共演となり、チェ・ウォニョンは「私にとってユク·ソンジェは永遠のコンビ」と言い、ソンジェに会った際、兵役前後で共演したことに対し、「オレたち、前世で普通の縁じゃないな。恋人だったんじゃ?」と彼に言ったそう。

ソンジェの演技についても「兵役の間、演技の空白があったが、深みが一層出て、ビックリするほどだった」とベタ誉め。そして、「信頼が心強いし、ユク・ソンジェと共演できるなら、どこにでも飛んでいく!」と、いつかコンビの作品もやってみたい、と言うほどの溺愛ぶりだ。

このように心強い共演者と共に、今までとは違う役柄に挑戦したソンジェ。早く演技がしたい、と渇望していただけに、この「ゴールデンスプーン」に賭ける気合いは並大抵ではない。「僕の2022年度をこのドラマだけのために捧げた、と言えるほど情熱を注いだし愛着があります」と格別の自信と愛情を見せていた。

金持ち息子のテヨンと入れ替わったスンチョンは、このまま他人の人生を横取りしたまま暮らしていくのだろうか…。一方のテヨンも、本来の人生の記憶がたびたびフラッシュバックしている様子で、異変に気づいてしまうのだろうか…。ソンジェのシリアス演技にも注目しながら、今後のストーリーを楽しみたい。