眞島秀和が“放蕩息子”の役で涙の熱演! / (C)清水晴木・マイクロマガジン社/ytv
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上川隆也が主演を務めるドラマ「さよならの向う側」(毎週木曜夜11:59-深夜0:29、日本テレビ系)の第2話が9月29日に放送された。眞島秀和演じる亡くなった息子と、それをはっきりと理解できていない父親(柄本明)の物語が展開。眞島と柄本の見応えある2人芝居が繰り広げられた。(以下、ネタバレがあります)

清水晴木の小説をドラマ化

読売テレビ・日本テレビ系のプラチナイト木曜ドラマ枠では、9月22日より『4週連続オムニバスDRAMA』と銘打ち、2つのドラマをオムニバス形式で放送。番組前半30分は本作、後半25分(夜0:29-)は「5分後に意外な結末」という構成になっている。

本作は、清水晴木による同名小説(マイクロマガジン社)が原作。上川演じる案内人・谷口健司が、思いがけず訪れた死に戸惑う人々を、現世とあの世の狭間「さよならの向う側」で迎え、彼らの最後の24時間に寄り添う。

あの世に行くまでの24時間、会いたい人と会うことができるが、自分が死んだことをまだ知らない人とだけ、という案内人からの提案に、どんな選択をするのかが描かれる。

第2話は、肝臓の病で亡くなった浩一(眞島)の物語。

「会いたい人はいない」という浩一だったが…

案内人の健司から最後の再会について説明された浩一だが、「会いたい人はいない」「俺みたいに死んでせいせいしている奴がいたって全然おかしくない」と話した。

そのうちに浩一の姉が親戚や浩一の同級生、そして絶縁中の父・博(柄本明)にも連絡してしまう。

そんななか、「あの世に持って行く後悔なんて、一つでも少ない方がいいに決まっています」という案内人の言葉を受け、浩一は借りっぱなしのDVD「宇宙怪獣シリーズ」を返そうとレンタルショップを訪れる。

その宇宙怪獣シリーズの映画は、幼いときに父と見た思い出でもあった。

役者の夢に破れた眞島秀和“浩一”の演技に涙

映画館に連れて行ってもらった幼い浩一は、宇宙怪獣のフィギュアが欲しかったが、父が買ってくれたのはキャラメル。そんな苦い思い出を語っていると、案内人はまだ時間が残されていると告げるが、酒を飲みたいと返す浩一に、「本当の気持ちをごまかして自分と向き合うことから逃げている」と促した。

そして、浩一が本当に会いたいと願って向かったのは、父・博の元だ。姉からの連絡で浩一が死んだことを知る父に姿を見られたら消えてしまうはずだったが、なぜか消えることはなかった。実は、博は認知症を患い、浩一の死を理解できていなかったのだ。

浩一のことを自分の父親だと思って話す博。そんな博に、自分にとっては祖父である博の父のふりをして返す浩一。

浩一は、父と見た映画をきっかけに、職人である父の跡を継がずに役者を志して家を出ていた。「きっとお前の好きな映画の世界に出て、お前を驚かせてやろうと思ってるんだよ」「仕事仕事のお前が唯一一緒に過ごしてくれたあの時間が、二人のあの時間が、あいつにとって夢のような時間だったんだ」と自分の気持ちを託して語った。

すると、そこで博がかつて買ってやれなかった宇宙怪獣のフィギュアの代わりに、木で怪獣を作っていたことを知るという展開に。涙ながらに浩一は「ありがとう」と伝えた。

本当は息子への愛が詰まっていた父を演じる柄本に対し、眞島が見せたのは、役者になれなかった“放蕩息子”の一世一代の芝居だ。眞島、そして柄本の静かだが心震える、2人きりの芝居にぐっと引き込まれた。また、抱えていた後悔が無くなり、“あの世”への扉を開けようとする浩一が、すっきりとした表情をしている眞島の演技もすばらしかった。

次回、10月6日(木)放送の第3話は、心臓の病で亡くなった美咲(吉田凜音)は、案内人から最後に会いたい人を問われると、バンド仲間の忍(今井悠貴)が作った曲を「歌いたい」とおもむろに言い放つ。

◆文=ザテレビジョンドラマ部