映画「大名倒産」完成披露試写会に登壇した小手伸也、杉咲花、神木隆之介、松山ケンイチ(写真左から) / ※ザテレビジョン撮影
【写真】“お札パネル”中央部分を突き破って登場した神木隆之介

神木隆之介が、5月27日に都内で開催された映画「大名倒産」の完成披露試写会に登場。共演の杉咲花、松山ケンイチ、小手伸也、桜田通、浅野忠信、佐藤浩市、メガホンをとった前田哲監督と共に作品にまつわるトークを展開。また、5月19日に30歳の誕生日を迎えた神木に対し、他の登壇者たちがサプライズケーキでお祝いをする場面もあり、神木は大喜びしていた。

浅田次郎の大ヒット小説が原作

同映画は、数々のヒット作を生み出しているベストセラー作家・浅田次郎の同名小説が原作。天下泰平260年の間に、藩の借金は25万両(現在の価値で約100億円)に。当主は庶子の四男・小四郎に家督を継がせて隠居すると、ひそかに「大名倒産」で逃げ切りを狙う。何も知らずに大名家の家督を継いでしまった小四郎に残された道は、借金返済か切腹のみという、笑いと涙がてんこ盛りの人生逆転エンターテインメント。

ステージ上に設置されたパネルを突き破って現れるという、ド派手な演出で登場した主人公・松平小四郎役の神木は、「どうでしたか?出てきた演出大丈夫でしたか?」と“一発本番”だったということもあって心配そうにリアクションをうかがうと、観客から温かい拍手が寄せられ、満足そうな笑みを浮かべる。

“巻き込まれ系プリンス”役も…自身は巻き込み系男子

今作で神木が演じるのは、突如借金100億円を背負わされる“巻き込まれ系プリンス”という役どころだが、自身は巻き込まれるタイプか、巻き込むタイプかと問われると「巻き込まれ系だとは思っていたんですけど、ここ最近“花様”と取材させていただいたり、過去にも違う作品で取材を受けさせていただきまして。確実に花様は僕に巻き込まれているなってリアクションをするので、どちらかと言うと、巻き込み系男子かもしれないですね」と語る。

神木と同じシーンが多く、旧知の仲である杉咲はあらためて神木の印象について「本当に周りの方々に気を使っていらっしゃる姿がすごく印象に残っていて、みんなが疲れてないかな?とか、楽しめているかな?とか、ずっと気にしてくださっているので、そんな殿が真ん中にいてくださる現場はとても楽しかったですし、尊敬していますし、勉強になることもたくさんありました」と振り返り、敬意を表していた。

また、父親役の佐藤からも「芸歴も本当に長いしね、ちゃんとそこに座長としての風格がございましたよ!」と絶賛されると、神木は「ありがとうございます!幸せでございます…!」とかみ締めていた。

映画「大名倒産」完成披露試写会より / ※ザテレビジョン撮影
映画「大名倒産」完成披露試写会より / ※ザテレビジョン撮影
そして作品にちなんで、“最近挑戦していること”やこれからやってみたいことについて聞かれた神木は「何を挑戦したら良いのでしょうか…。つい先日30代に突入したんですけど、特に20代だから、とか30代になったからやりたいこと、とかは考えたことがなくて。やりたいときに挑戦するので。タイミングだと思うんですけど、何も考えずに30代に突入してしまいまして。何がいいんですか?皆さん」と隣の松山らに質問。

それを受け、人知れず“あいさつをしてから正面奥のムービーカメラだけをじっと見つめる”という謎のチャレンジをしていた松山は、神木のほうを一切見ずに「30の時は…まあいろいろ考え方が変わる時期でもありますので、もっといろいろな何か今まで見えてこなかったところで挑戦しようとか、出てくると思うので。(趣味の)アニメだってもしかしたら違う方向のジャンルにいくかもしれないですし、そうなったらぜひ教えてください」と助言すると、松山の目元をじっと見ていた神木は「本当に目を動かさないね…」と驚きながら、納得した様子で受け止めていた。

佐藤「無駄に過ごす時間はあっても、無駄になる経験はない」

さらに、神木は「せっかくなんで尊敬する父上にもうかがってもいいですか?」と劇中で父親を演じる佐藤に質問すると、佐藤は「“佐藤浩市語録”としてはね『無駄に過ごす時間はあっても、無駄になる経験はない』。だから何をやってもいいの。今だからこそ全てができるから…。(相変わらず目線を動かさない松山に)おい!松山、何で俺の話聞いてねえんだよ」と神木に“金言”を伝えてから松山にツッコミを入れ、松山はそれでも視線を動かさず「聞いてます!聞いてます!」と恐縮。佐藤は「あ、聞いてはいるのね(笑)」とちゃめっ気たっぷりに松山をいじっていた。

そして今回、5月19日に誕生日を迎えて30歳になった神木を祝うべく、本人には内緒でサプライズバースデーケーキがステージに登場。神木演じる小四郎と小判が載った「大名倒産」特製ケーキを、神木は興味深く、うれしそうに見つめ「めちゃくちゃうれしい!かわいい!」と大喜び。

あらためて30代の抱負を「そこまで明確な30代での目標はないんですけど、今まで通り変わらず、このスタンスでゆっくりと、より楽しく生きることができたらいいなと思っておりますので、今後もどうかよろしくお願いします。ありがとうございます」と柔和な表情で語り、感謝を込めた。

映画「大名倒産」は、6月23日(金)に全国公開。

◆取材・文・撮影=ブルータス・シーダ(STABLENT LLC)