第112回ドラマアカデミー賞で二宮和也が主演男優賞を受賞 / (C)TBS
【写真】父親になりきれていなかった温人(二宮)が事件を通して変化していく姿も感動を呼んだ

2022年4~6月放送ドラマを対象に開催した第112回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞の受賞者を発表中。主演男優賞は、「マイファミリー」(TBS系)の二宮和也が3度目の受賞を果たした。4年ぶりの連ドラ主演となった同作では、娘を誘拐されたゲーム会社社長・鳴沢温人役。最初は仕事優先だった温人の変化と、家族や仲間のために必死で奮闘する様を見事に表現し、その演技に「第1話から泣いた」「引き込まれた」と絶賛の声が上がった。

盛り上がる考察に「撮影は大変でしたよ(笑)」

受賞を受けて二宮は、「主演男優賞をありがとうございます。併せて、作品賞、助演男優賞、監督賞、脚本賞と5冠ということでね、スタッフの皆さん、そして(助演男優賞を受賞した)濱田岳くん、おめでとうございます。やはり順位が高ければ高いほどうれしいですし、そして何より多くの読者の方が“評価をしてみよう!”って思ってくださって、中でも『マイファミリー』に興味を持って一票投じてみようと思ってくださったことが大きなことだと思います」と喜びを語った。

誘拐犯と闘う中で次々と訪れる予想外の展開に、SNSでは真犯人を推理する考察が盛り上がった。そうした声は二宮にも届いていたようで、「『マイファミリー』はオリジナル作品ということで、“犯人は誰かな?”って推理しながら多くの方が楽しんでくださったと私も聞いてますけど、それだけに撮影は大変でしたよ(笑)。特にロケね。鈴間(藤間爽子)とか急に出てくる人もいるもんだから、そのケアとか(笑)、街ゆく人にバレちゃいけないとかね」と細心の注意を払って撮影が行われたという。

最終回の玉木宏のセリフに「あれは大変だったよなぁ(笑)」

また、「僕は犯人が誰か、最初から知っていました」と明かし、「かと言って、いつもと違う作り方をしたかと言えば、それは特になかったかな。真犯人に対して温人は何の思い入れもないわけで、そこにどう整合性を持たせて高めていくか…それくらいかな。温人の感情をどこまで出すかは、演出の平野(俊一)さんが考え、うまくハンドリングしてくれました。だから僕はつらいとか、大変とかはなくて、全体像を見ながら『ここまでやると驚くかな?』なんて考えてやってみて、それで問題はないか平野さんがチェックしてくれて…楽しかったですね」と振り返った。

全ての真相が明かされた最終回について振り返る場面も。「苦労があったとすれば、それはやっぱり最終回の玉木宏さんですよ(笑)真相の説明…タマキン、あれは大変だったよなぁ(笑)」と、刑事の葛城を演じた玉木の名前を挙げる。「本当はもっと温人にセリフあったんですよ。けど、ここは葛城(玉木)が語るべきだなと、監督と前々から相談して、温人のセリフを結構削ってもらって。その場にいて、気にはなっているけど、温人にとっては子供が無事生まれてくれるだろうか、東堂(濱田)がどういう状態でいるのか…の方が重要でしたから」と話し合いの中で変えていったと明かす。

そうしてできた最終回を二宮は、「『マイファミリー』というドラマのタイトルと合致し、しっくりくる最終回になったんじゃないかなと思います」と語った。

最後は「受賞のお礼とともに、これからも面白い楽しいものを…『あの“マイファミリー”チームが作る!!』みたいなCMが流れたらいいですよね」と期待のふくらむ言葉で締めくくった。

(取材・文=堀江純子)