<この体験記を書いた人>
ペンネーム:キナコ
性別:女性
年齢:40
プロフィール:2児の母。圧が強めな夫と義家族に、日々もまれながら暮らしています。



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義母は、もったいない病なのか何なのか、いろいろなモノをいろいろなところから集め、集めてきたもので溢れかえった「モノ屋敷」に住んでいます。
周りから見れば「ゴミ屋敷」なのですが、本人にとっては必要なモノや宝物らしく、「ゴミ」と呼ぶには少し失礼な気もするので「モノ屋敷」と呼ぶことにしています。
その中にはたくさんの服があります。
昔、義母が着ていたブランド品もあるのですが、何十年もモノ屋敷にあったからか、傷んでいたり、虫食いがあったり、破れていたり...。
その中でも使えそうな服を、義母は毎日のように私の家に持ってくるのです。
多い日には45Lのゴミ袋2つ分も...。
義母が着ていた下着が紛れ込んでいることもあります。
せめて新品であれ! と思うのですが、バッチリ毛玉付き。
「いらないやつはまた返してくれていいからね!」
そう言い残して義母は去っていきますが、それなら袋ごと返したいんですけど!
結婚したばかりの頃は、断ってはいけないと思って拒まず全部を引き受けていたため、我が家も危うくモノ屋敷になりそうでした。
決して嫌がらせではなく、もったいないという思いや私たちのことを思ってくれているのがすごく伝わってきます。
だから、余計に断れませんでした。
夫に相談すると、平気で捨てるか、義母に電話して叱っていました。
私も3年目くらいからは断ることを覚え、拒否もできるようになりました。
それでも義母は「着てみなさい」「試してみないと分からないじゃない」と置いて行こうとします。
でも、長年義母の対応をしてきた私はすっかりふてぶてしくなりました。
いまでは「いや、絶対いりません」と言うこともあります。
ひとの顔色をうかがうタイプだった私も「義母を攻略できたら最強になれそうだな!」なんて気持ちが芽生えました。
義母はリサイクルショップ巡りも趣味で、しょっちゅう何かを買ってきては「私は使わないから...」と置いて行きます。
もともと義母とは好みが合わないので、いいなと思うものはほとんどありません。
最近は拒否するのも面倒臭いので、ありがたくいただいた後、義母が帰ったのを確認してゴミ箱にイン! 
ごく稀に素敵なものもあるので、メルカリやリサイクルショップに売り出すこともあります。
私は使わないけど、どこかの誰かのお役に立てるならこれもまたよし、と思って循環させています。
むしろ「今日は何を持って来るのかな」と思う余裕すらできてしまい、義母のピンポーンが楽しみになっています。