“シー・ハルク”ことジェニファー・ウォルターズは、普通の弁護士から超人専門弁護士に /  (C) 2022 Marvel
【写真】本人的には不本意なネーミングも…緑色の新ヒーロー誕生に沸く

マーベル・スタジオの最新ドラマシリーズ「シー・ハルク:ザ・アトーニー」の第2話が、8月25日にディズニープラス独占で日米同時配信された。同作は超人関連の訴訟を専門とする弁護士、ジェニファー・ウォルターズ(タチアナ・マスラニー)が、30代の独身として、そしてスーパーパワーを持つ身長2メートルの緑色のハルクとして、悩みながらも人生を切り開いていくという物語。第2話が配信されると、主演タチアナの出身地であるカナダでは早々に「#SheHulk」がトレンド上位へ。“ハルクの宿敵”の登場も話題を呼び、「これぞMCU!」「テンポがいい」「早くもアボミネーションが!」などと国内外で反響を呼んでいる。(以下、ネタバレを含みます)

第2話は「超人の訴訟」

第1話では、ジェニファーが“シー・ハルク”になった経緯を知ることができた。いわば“序章”的な内容だったが、第2話の「超人の訴訟」からいよいよ本題に突入。いとこのブルース・バナー(マーク・ラファロ)に“ハルク”についていろいろ伝授してもらったジェニファーは、元の仕事に戻ろうとしていた。自分にハルクの力があることを秘密にして。ところが、第1話のラストでタイタニア(ジャミーラ・ジャミル)が法廷で暴れ出し、陪審員に危害が及びそうになり、正義感の強いジェニファーは不本意ながらハルクパワーで取り押さえて無事解決。

ニュース番組では新しいスーパーヒーローの誕生を明るい話題として伝え、街の人たちも歓迎ムードに。ジェニファーに救われた男性はニュース番組のインタビューで、「とても立派」だと答えたり、その中で“シー・ハルク”という呼び名が生まれたり、ジェニファーが心配していたようなことはなさそうな感じだったが、職業柄、そうもいかない様子。

抜群のテンポでストーリーが展開

第2話を見ていて感じたのは、良いことと悪いことがまるで振り子のようにテンポ良く交互に訪れるということ。法廷で陪審員たちを救ったけれど、ハルクの力を持っていることが世間にバレてしまう。人助けをしたけれど、命を救われた陪審員たちにバイアスがかかり審議が無効になってしまう。いい仕事をしたはずなのに、クビになってしまう。

ジェニファーの家族もスーパーヒーローの誕生に浮かれ気味だけど、そもそもジェニファーはヒーローに憧れていない。“シー・ハルク”という呼び名もハルクのオマケみたいな感じで気に入ってなかったりする。再就職を希望しても、「目立ち過ぎる」など、どこもまともな弁護士として見てくれない。ようやく声をかけてくれた大手法律事務所があったけれど、それは件の裁判でジェニファーが打ち負かしたGLK&Hだった。

「シー・ハルク:ザ・アトーニー」第2話より /  (C) 2022 Marvel

シー・ハルクの姿で業務に

再就職できて、パラリーガルをジェニファーが選べるというのは良いことだが、事務所に行ってみれば“超人法律部”の顔になってほしいと聞かされ、“シー・ハルク”の姿のまま働いてほしいという条件。口に出して愚痴っていたが、“話が違う”ということばかり。それでも仕事ができて、待遇も悪くないので気を取り直して、というところだったが、最初の案件が“エミル・ブロンスキーの仮釈放”ということで、新たな悩みの種が。

ハルクと因縁があるブロンスキーだが、話を聞いていると、知らなかった事実があったり、ジェニファーは正論と受け取ることを決意。その後、“最悪”な展開になっていくわけだが…。

良いことと悪いことが交互にやってきて、それに対して一喜一憂するジェニファーの姿が描かれているが、第3話以降もそういう感じで進んでいくのだろう。とはいえ、“第四の壁”(現実とフィクションの間に概念上存在する見えざる壁)を突破して視聴者に話し掛けてくるスタイルだったり、コメディー的な要素もたっぷりと盛り込まれているので、シリアスになり過ぎず見られるのもこのドラマの良いところだと言える。

ドラマ本筋の他に、他のスーパーヒーローたちの話題が出てきたり、ハルクが宇宙船でどこに行ってしまったのか、など気になることが。小ネタを見つける意味でも、つい何度も繰り返して見たくなる要素が詰まっている。

◆文=田中隆信