"真っ黒"な生命体の優しさが染みる!コルクガシさんの『書店のヴァンタ』が話題 / 画像提供/コルクガシ
【漫画】"いい人になりたい"謎の生命体が働く書店で起こる心温まるストーリーに反響「心が洗われていくような不思議な感覚」

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、全身真っ黒で性別もない謎の生命体「ヴァンタ」が書店で働き多くの人と交流する姿を描いた漫画『書店のヴァンタ』をピックアップ。2022年10月25日作者のコルクガシさんがTwitterに投稿したところ、5.6万以上(11月9日現在)の「いいね」が寄せられ反響を呼んだ。この記事では、作者であるコルクガシさんにインタビューを行い、創作の裏側などを語ってもらった。

人間ではないけれど「いい人」になりたいヴァンタの優しさが身に染みる

『書店のヴァンタ』より / 画像提供/コルクガシ
新しく書店員の面接に訪れたのは、真っ黒で性別もない「ヴァンタ」。はじめは驚かれるも、店長のはからいにより書店で働くことになる。気分が良いと浮遊し落ち込むと溶ける「ヴァンタ」には優しい仲間ができた一方で、一緒に働きたくないと嫌がる店員や「バケモン」と悪態をつく客にも出会い、しばしば身体が溶けることも。

ヴァンタはある日、万引きを強要されている少年を見つける。「本が好きだからこんなことしたくない」のに怖くて拒否できない自分を「情けない」と泣く少年に、ヴァンタは優しく寄り添い「自分が正しいって思ったことしなよ」と励ました。

書店にも馴染んできた頃、ヴァンタはあの時の少年がまた万引きを強要されている場面に出くわす。「僕は悪い人にならない」といじめっ子に立ち向かった少年は…。

人間ではないけれど「いい人」になりたいヴァンタの心優しさを描いた作品には、読者から「心が洗われていくような不思議な感覚」「ステキなお話」「書籍化してほしい」などといった反応が相次いだ。

作者・コルクガシさんへのインタビュー

『書店のヴァンタ』より / 画像提供/コルクガシ
――『書店のヴァンタ』の作品はどのようにして生まれたのでしょうか。

はじめにヴァンタを作ったことがきっかけです。ヴァンタが映える物語ってなんだろうって考えた時に、現代に置いてみたら面白そうだと考えました。その時ちょうど地元の書店でバイト募集のポスターを見掛け、働かせてみようと思ったのがきっかけです。

――『書店のヴァンタ』を書く際に、意識した点やこだわった点があればお教えください。

特にはありません!とにかく、人間たちに囲まれていても、ヴァンタはヴァンタらしくいて欲しいという思いだけはずっと大事にしていました。

――「気分が良いと浮遊し、落ち込むと溶ける」というヴァンタのキャラクターはどのようにして生まれたのでしょうか。

私が空を飛びたかったからです(笑)ふわっと自由に飛べたら気持ちよさそうだったのでヴァンタに代わりに飛んでもらいました。落ち込むと溶ける設定もなんとなく入れたものです。

気持ちを体で自由に表現できるので、えたいの知れないヴァンタにも「ああこれ嫌だよね」と共感したり愛嬌を感じてもらったり、親しみやすいんじゃないかなと思いました。

――『書店のヴァンタ』のなかでとくに気に入っているシーンやセリフなどがありましたらお教えください。

最後ヴァンタがいじめっ子を撃退した時の「あの子たちにクリーニング代渡さなきゃ…」ですね(笑)

自分が溶けている状態そっちのけで、いじめっ子の制服を気にしてあげるヴァンタの余裕さと優しさが絶妙に出せて気に入っています。

――Twitterでのアップ後、とても大きな反響があったかと思います。特に印象に残っている読者からの反響があれば教えてください。

どの言葉も凄く優しくて嬉しくて感謝しきれません。ヴァンタのことを「良い人」とたくさんの方が言ってくださって、ヴァンタも喜んでいます。きっと今頃宇宙まで飛んでいます。「黒井っていう白いやつ出てきそう」っていうコメントには思わず笑いましたしキャラデザインしたくなりました。

――今後も作品を楽しみにしている読者やフォロワーへメッセージをお願いします。

いつも仲良くしてくださっているフォロワーさんのおかげでヴァンタをたくさんの人に見ていただけたので本当に感謝しています!描いている間も心の支えになっていました。ありがとうございます!そして、新しく見つけてくださった皆さんにも、温かい言葉いただきじんわり心に染みました。本当にありがとうございます!

今後も私なりの平和を漫画に落とし込んでいきたいと思っていますので見守っていただければ幸いです。これからもどうぞよろしくお願い致します。