“近くて便利”なコンビニエンスストア「セブン-イレブン」。全国2万1501店舗(2024年1月末時点)を展開する大手コンビニチェーンだが、その第1号店が日本に開業してから2024年5月で50年になる。そこで今回は暮らしの“当たり前”の存在となっているセブン-イレブンの歴史を知るため、株式会社セブン&アイ・ホールディングス 広報センターの担当者に話を伺った。1970年代の開業エピソードから、ヒット商品が生まれた1980年代、変革期となった2000年代などセブン-イレブンが歩んできた歴史を追いかける。

コンビニの歴史はここから始まった!夜明けとなった70年代

「セブン-イレブン」東京・豊洲の第1号店。オープン当時の写真
「セブン-イレブン」東京・豊洲の第1号店。オープン当時の写真【画像提供=セブン&アイ・ホールディングス】

セブン-イレブンの始まりは1973年11月、アメリカで小規模店舗を展開していたサウスランド社(現7-Eleven, Inc.)と提携する形でヨークセブン(現セブン-イレブン・ジャパン)が設立され、1974年5月、東京・豊洲に日本初の本格的なフランチャイズシステムによるコンビニエンスストアとして、セブン-イレブンの記念すべき第1号店がオープンした。

当時の話を聞くと、「1970年代初頭の日本は、まさに高度経済成長期。当時は『大きいことはいいことだ』の風潮が強いなか、『既存中小小売店の近代化と活性化』『共存共栄』を創業の理念として1973年11月にヨークセブンが設立されました」

暮らしの便利を追求し続けるセブン-イレブン

【写真】1984年に「パラシュート型おにぎり」を販売
【写真】1984年に「パラシュート型おにぎり」を販売【画像提供=セブン&アイ・ホールディングス】

オープン当時の営業時間は店名のとおり午前7時〜午後11時だったが、翌年の1975年に福島県の虎丸店にて24時間営業を開始。多様化する人々の生活や社会の変化に対応し、存在感を示していく。「あいててよかった」という利便性を追求した結果、1号店の開業からわずか2年にして100店舗を達成。関東を中心に「馴染みのあるコンビニエンスストア」としてその名が知れ渡っていった。

当時は日用品に加えて、弁当やおにぎりなどが店頭に並んだ。担当者「セブン-イレブンでは1978年に販売を開始した『手巻おにぎり』は、今も主力商品のひとつ。当時、おにぎりは家庭で作るものだと考えられており、販売開始当初は1日に3個の販売だったそうです」とのこと。「そこで次なる一手として海苔をパリパリのまま食べられる『パリッコフィルム』を考案し、大ヒット商品となりました。家庭で“作るもの”だったおにぎりが、“買うもの”として徐々に定着していったのです」

おにぎりやサラダ、麺類などのオリジナルフレッシュフードはセブン-イレブンの主力商品
おにぎりやサラダ、麺類などのオリジナルフレッシュフードはセブン-イレブンの主力商品【画像提供=セブン&アイ・ホールディングス】


さまざまなサービスで利便性が向上。街のインフラとして大きく成長した1980〜1990年代

1980年代に入ると「おでん」などの日本独自のファストフードに加え、「ブリトー」といったアメリカンフードもそろえるなど品ぞろえがより充実。そして今やコンビニのおにぎりの定番となった「ツナマヨネーズおにぎり」が販売開始したのもこの時代。ユニークな具材で楽しませてくれるおにぎりだが、そのきっかけになったのが「ツナマヨネーズ」と言われている。

独自の商品開発を進める一方で、サービスでも急成長。1982年にはPOSシステムを導入し、売場に陳列された商品の売れ筋を的確に把握できるように。1987年には日本で初めて開始した公共料金の「収納代行サービス」が代表的なものとして挙げられる。

多様化するニーズに応え、サービス展開がさらに加速

2000〜2009年は、それまでコンビニエンスストアの利用客の中心だった若い男性だけでなく、時代の変化に応じて女性やシニア層も取り込もうと、それぞれのライフスタイルに合わせた変革が必要になった。

そのひとつが、店舗に行かなくてもセブン‐イレブンのおいしい食事が楽しめるお届けサービス「セブンミール」。これは店舗に「(客側が)来る」だけでなく「(店側が)伺う」ことに取り組みんだもの。シニア層に向けた利便性の向上や市町村と連携したシニアの方の見守り活動にも大きく貢献。そして今では店舗に当然のように設置されているATMの設置を開始したのもこのころだという。担当者に聞くと、「2001年のアイワイバンク銀行(現セブン銀行)の開業も、この時代の大きな出来事のひとつです。『セブン-イレブンにATMがあったら便利なのに』そんなお客様からの声がきっかけでした。2007年にはセブン-イレブン、イトーヨーカドー出店エリア(当時36都道府県)へのATMの設置を実施。24時間365日いつでも出入金ができる『近くて便利』な銀行はまさに画期的な発想で、利便性を格段に上げることができました」とのことだ。

「セブンプレミアム」がPB商品の常識を覆す

セブン&アイグループ共通のプライベートブランド「セブンプレミアム」の商品
セブン&アイグループ共通のプライベートブランド「セブンプレミアム」の商品【画像提供=セブン&アイ・ホールディングス】

これまでにさまざまなヒット商品を生み出してきたが、2000年代に入ってもその勢いは増していく。なかでも忘れてはいけないのが「セブンプレミアム」の存在だ。

「セブン&アイグループ共通のプライベートブランドとして2007年に販売を開始。最初は49アイテムからのスタートでした。今では食品や日用品などジャンルは幅広く約3500アイテム(2023年2月末時点)を取りそろえています」。

安さに特化し、質がいまいちというイメージが強いプライベートブランドだが、「セブンプレミアム」はその常識を覆すワンランク上のおいしさが評判を集めた。有名メーカーとの共同開発で生まれた商品やさらに品質にこだわった「セブンプレミアム ゴールド」シリーズなど豊富なラインアップにより、利用者の多様なニーズに応えている。

ハンバーグや食パンなどを取りそろえる「セブンプレミアム ゴールド」シリーズ
ハンバーグや食パンなどを取りそろえる「セブンプレミアム ゴールド」シリーズ【画像提供=セブン&アイ・ホールディングス】


セブン-イレブンは現在20の国と地域に出店し、 世界の店舗数は8万店を突破している。日本国内では2015年3月に高知、同年6月に青森、10月に鳥取、そして2019年には当時大きな話題となった沖縄と、全国47都道府県への出店を果たした。弁当やおにぎり、揚げ物、日用品など定番の商品をそろえるほか、エリアごとに地産地消商品を販売するなど、地域に根ざした取り組みも行われている。

ちなみに国内2万1501店舗のうち、都道府県別の店舗数では、2886店が出店している東京が日本最多。続く神奈川は1496店、大阪は1295店となっており、暮らしになくてはならない存在となっている(各店舗数は2024年1月末時点)。また近年では多様化するニーズに応えるため、さらなる地域社会の暮らしへの貢献を目指している。代表的なものでは「コンビニでコーヒー」という新しいライフスタイルを定着させた「セブンカフェ」。ほかにもおつまみやおかずのちょい足しに便利な惣菜・サラダの「カップデリ」シリーズなど次々と登場している。

次の50年に向けたセブン-イレブンの今後の展望とは?

近年は、持続可能な社会への貢献を目指す取り組みにも力を入れているセブン-イレブン。「次の50年に向け、『明日の笑顔を 共に創る』という目指す姿を掲げ、『健康・地域・環境・人財』の4つのビジョンを通じて、これまで以上に経済的価値を提供するとともに社会的価値の追求していくつもりです」と答えてくれた。

これまでの半世紀は変化する利用者のニーズに挑戦してきた。次の半世紀では、『明日の笑顔を 共に創る』のために、どんな挑戦を続けていくのか。セブン-イレブンの今後の発展に期待が高まる。

取材・文=GAKU(J.9)