業界もどよめく“航空事業”以外の斬新なアイデアでファンを虜に!スターフライヤーのコアなファン作りが素敵すぎる!!

東京ウォーカー(全国版)

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北九州空港を拠点に、独自のサービスと革新的な取り組みで注目を集める航空会社スターフライヤー。広報担当の岸上雄一郎さんによると、「社員が愛し、熱意を持って取り組むことがスターフライヤーの魅力を高める重要な要素になっている」とのこと。コロナ禍を乗り越えるために始めた新しいサービス、フォトウェディングやパイロット体験プラン「FFS Dream Flight」など、独創的な取り組みが顧客に新たな体験を提供し、ファン作りに貢献しているという。さらに、同じく九州の長崎を拠点とする通信販売会社「ジャパネットたかた」と業務提供をして、新たなビジネスモデルの開発も進行中。航空会社の枠を超え顧客との関係を築くための挑戦に迫った。

株式会社スターフライヤー 経営企画本部 経営戦略部(広報担当) シニアマネージャー 岸上雄一郎さん


漆黒の飛行機と一緒に結婚の思い出づくりを!「ウェディングフォトプラン」

ーースターフライヤーとは、どのような航空会社ですか?
【岸上雄一郎】弊社は北九州に拠点を置く航空会社です。真っ黒な機材を使っており、黒革のシートと個人モニターを装備(※一部機材を除く)した、上質なサービスをリーズナブルにご提供するというコンセプトで、就航を開始して18年経ちました。もともと、大手の航空会社と比べて、社員が「やりたい」と提案するユニークなアイデアを実現しやすい環境があります。お客様にスターフライヤーのコアなファンになってもらいたいと考えているので、まず社員自身が会社を愛し、熱意を持って取り組むことが重要なんです。ですから、ただ目的地に飛行機を飛ばすだけでなく、お客様に興味を持っていただける企画など、さまざまな取り組みにも力を入れています。

ーー社内に、社員が「やりたいこと」を提案できるような会議やシステムがあるんですか?
【岸上雄一郎】これまでも社内イントラにWeb版意見箱のようなものを設置したり、社内のアイデアコンテストなども実施してきました。当社は比較的小規模な会社なので、社長や会長も普段から社内をぷらぷらと歩いているんですね。そういったタイミングで「こんなことやってみたいんですけど」って、直接言えたりする環境でもあるんです。

岸上雄一郎さんによると、スターフライヤーは、「社員がやりたいことを実現しやすい環境にある」


ーー今回、航空事業以外の新規サービスについてお話をうかがいたく思っています。これらの“航空事業以外”のサービスはコロナ禍の苦境から脱却するために始められたわけですね。
【岸上雄一郎】はい、そのとおりです。

ーーでは、まず北九州空港での「SFJフォトウェディングプラン」について教えていただけますか?
【岸上雄一郎】このプランは、飛行機をバックにさまざまなポーズで撮影していただける「SFJフォトウェディングプラン」になります。1組あたりの撮影時間は大体2、3時間ですね。飛行機の外側と内部、空港ロビーで撮影していただけるので好評を得ています。これはコロナ禍にスタートしたサービスのひとつです。

【岸上雄一郎】当時は、飛行機が長期間空港に留め置かれ、また、ホテルのバンケットルーム(宴会場)の利用も減少していました。ただし、フォトウェディングの需要は高まっていたようです。そういった背景があって、地元のプレミアホテル門司港さんが北九州市内のさまざまな場所でフォトウェディングプランを提供して、その一環として弊社と空港ビル会社に声をかけていただき、フォトウェディングが可能になりました。

飛行機をバックに、一生思い出に残るウェディングフォトが撮影できるプラン


【岸上雄一郎】ですから、このプランはプレミアホテル門司港さんが主催し、我々はバックアップとして参加しています。飛行機が好きな方々に利用していただけることを期待して、スターフライヤーの知名度向上やファン作りにもつながればいいなと考えて開始したんです。

ーーこれまでにどれくらいの方が利用されましたか?
【岸上雄一郎】これまでに4組の方々が利用されました。ただし、現在は飛行機の運航が再開されたため、利用できる時間帯が限られ主に夜に実施しています。この先もいくつかの予約が入っており、限られた時間を最大限活用してサービスを提供しています。

ーー「SFJフォトウェディングプラン」を利用された方から、特に喜びの声などは届きましたか?
【岸上雄一郎】コロナ禍でなかなか結婚式を挙げづらいという風潮のなか、飛行機を使ったフォトウェディングができたことに対して、「貴重な体験をさせていただきました」という感謝の声をホテルさん経由で伺いました。このようなサービスはほかの空港でも行われていますが、いつ、どこでもできることではないので、お客様にとっては非常に貴重な体験になっているようです。

ーー式を挙げる方々は福岡県周辺にお住まいの方が多いですか?
【岸上雄一郎】ほとんどの方は九州地方の方ですが、なかには新潟など他地域から来られる方もいます。地元の方だけでなく、遠方からも利用されるケースも見受けられるので、大変ありがたいなと思いますね。スターフライヤーのサービスを気に入ってファンになっていただける方々が増えることが、私たちの目指すべき方向なので。そういったファンを増やしていくことが、我々の使命だと考えています。

ーーフォトウェディングの参加者を羽田からスターフライヤーで北九州まで運ぶようなプランはありますか?<br /> 【岸上雄一郎】今のところ、そういったプランはまだ具体的にはありませんが、お客様のご要望に応じて対応することは可能です。夜間なら使っていない機材もあるので、電源を入れて準備すれば実現可能です。ただ、ホテル側の対応も必要なので、そういった要望があれば検討していきたいと思います。

ーーこのプランについて、今後の展開や拡大の予定はありますか?
【岸上雄一郎】はい、ウェディング関連のサービスは今後も継続して提供する予定です。ただし、航空会社は航空運送事業者としての届出をしているので、航空局の管理のもと、特定の業務しか行うことができないんです。そのため、実はホテルや空港ビル会社との協力のもとで、補足的にサービスを提供しているんですよね。自由度には制限がありますが、空いている時間があれば積極的にサービスを実施していきたいと考えています。

【写真】飛行機の活用がもとに戻ってきたため、撮影機材を確保するのが難しくなっている。ただし、サービスは継続していく予定だそう


ーーつまり、期間限定ではなく、継続的にサービスを提供していくということですね。
【岸上雄一郎】もちろんです。特に終了する予定はありませんので、これからも利用いただけるようにしていきたいと思います。

ーーこの「SFJフォトウェディングプラン」を進めるうえで、特に苦労された点はありますか?
【岸上雄一郎】集客自体はホテルが担当していますが、我々の主な課題は航空機の準備でした。コロナ禍では問題ありませんでしたが、回復期に入ると、航空機の利用時間とお客様の希望する時間の調整が難しくなってしまったんですよ。ですから、苦労する部分は、お客様の要望に合わせた時間に航空機を用意することですね。

10万円で本格パイロット体験を!スターフライヤーの「FFS Dream Flight」でテイクオフ!!

ーー次に、「FFS Dream Flight」という10万円のプランについて、詳しく教えていただけますか?
【岸上雄一郎】「FFS Dream Flight」は、航空局から認定された、スターフライヤーの訓練施設にあるフルフライトシミュレーターで、パイロット体験をしていただくサービスです。本物のパイロットのように制服を着用してもらい、フライト前のブリーフィングから始め、客室乗務員も同席するなど、本格的なフライト体験を提供しているんです。2021年3月のスタート以来、約150件の申し込みがありました。ただし、これには同じ方が複数回利用されている場合も含まれているかもしれません。

「FFS Dream Flight」のオフィシャルページのトップ画面。リアルな訓練用フルフライトシミュレーターで、パイロットを擬似体験できる


【岸上雄一郎】当初は抽選制で、空港のイベントや地域のイベントとして職業紹介的な感じで開放していて、ファミリーなどに人気のコンテンツでした。しかしコロナ禍になってイベントが開催できなくなりました。会社の収入も減少していくなかで、フルフライトシミュレーター体験をトライアル的な試みとして有料で始めてみたのがきっかけです。このプランは、子どものころにパイロットになることを夢見ていた大人や、パイロットを目指す中学生以上の子どもたちとその親御さんなどが参加しています。また、フルフライトシミュレーターは、本物のパイロット試験にも使われるほどの品質なので、実際にパイロットを目指している方が試験前のトレーニングなどで利用することもあります。非常にリアリティの高い体験ができるためリピーターも多く、10万円払ってでも体験したいという方が多いんです。

ーー「FFS Dream Flight」の倍率について教えていただけますか?
【岸上雄一郎】当初は5〜6人の枠に100人くらいの応募がありましたが、現在は先着順で受け付けており、具体的な倍率を示すことは難しい状況です。でも、当初よりは落ち着いてきて、早い段階で予約が埋まることはないと聞いています。また、飛行機の運用が再開されたため、日中はパイロットの訓練で利用していることが多いですね。ですから、現在は朝や夜の時間帯で実施していて、訓練と試験が終わった時間に合わせて提供しています。

航空局に認定されている訓練用のフルフライトシミュレーターでの体験は、値段も高額なので一生思い出に残るはず


ーー利用された方からの感想などを教えてください。
【岸上雄一郎】多くの方に「夢が叶いました」という感想を持ち帰っていただいています。特にパイロットを目指している高校生などの学生は、「ますますパイロットになりたくなった」と喜んでいただいています。このプランは、単なる公共交通機関の利用者を超えて、将来スターフライヤーのパイロットになっていただくとか、またスターフライヤーに乗りたくなっていただけるコアなファンを作ることも目的のひとつです。そういった意味で、それなりの成果が得られているかな、とちょっと手応えを感じています。

ーー学生に夢を与えることができるのは、素晴らしいことですね。
【岸上雄一郎】本当にそう思います。そんな方が、将来のスターフライヤーのパイロットになってくれると、我々も非常にありがたいですね。

社員のアイデアで変わった空の旅。スタッフ教育を兼ねたスターフライヤーらしい独創的な企画が実現

ーーそのほかにスターフライヤーらしい企画はありますか?
【岸上雄一郎】毎年、「初日の出フライト」を実施しています。その中で過去には、機内の個人モニターを使って、お客様から集めたメッセージを映し出すフラッシュモブのようなサプライズ演出を行いました。感謝の気持ちや特別なメッセージをフライト中に映し出したのですが、なかにはプロポーズを成功させたあとに搭乗された方がいて、「晴れやかな気持ちで帰ります」的なメッセージを流された方もいました。

【岸上雄一郎】また、「初日の出フライト」には、お土産をお渡ししているのですが、この内容も社員の有志が集まって考えて決めています。社員にとっても、「こんなことをしたい」とか、「お客様にこんなことができるんじゃないか」と、自分から考えるきっかけになるんですね。お客様にも喜んでいただいていますが、社内スタッフの教育にもなるので企画を考えることは大切なんですよね。過去には、社員のアイデアや願いを実現するためのビジネスコンテストでの受賞作品を、企画化させて実施したこともあるんです。それがプラネタリウム上映遊覧フライトの「Starlight Flight」です。大平技研さんが製造する、超小型のプラネタリウム「MEGASTAR CLASS」を6台使用して、飛行機の中に満天の星空を投影した、スターフライヤーだけの特別な体験を提供しました。

飛行中の位置から見える星空を、機内にリアルに再現。同乗していた岸上さんも、表現できないほどの感動を味わったという


ーー機内プラネタリウムイベントの体験はどうでしたか?
【岸上雄一郎】とても素晴らしい体験でした。私も広報として参加していましたが、機内でのプラネタリウムは本当に驚くほど美しかったです。大平技研の代表も一緒に乗っており、実際の飛行中の場所と時間に合わせた星空を機内で再現し、外の星空と機内の星空を一致させてくれました。また、そのフライトの機長は企画にとても共感して志願してくれたのですが、彼の話によるとコックピットから見る夜空は、すごく明るいそうなんです。計器の明かり以外は照明がないので、星空がすごく綺麗らしいんです。「それを伝えたい!」と言っていました。そこで、このイベントでは非常灯以外のすべての照明を消したんです。ですから窓からはパイロットと同じように、普段見ることができない美しい星空も見ることができたんですよ。

ーー定期便でもプラネタリウムイベントを実施してほしいです(笑)。
【岸上雄一郎】実際にそのような話もありましたが、実施時にはドリンクサービス用のカートを6台ほど使用したため、ドリンクサービスの提供やトイレの利用に影響が出るなど、いくつかの課題があるんです。定期便での実施には、多くの方から再度実施してほしいという要望がありますので、今後もう一度チャレンジしていきたい企画ですね。もともと、この「Starlight Flight」はビジネスコンテストに、女性社員2人が連名で提案した案件でした。彼女らの夢を実現し、お客様に素晴らしい体験を提供できたことは、大変うれしいエピソードです。

飛行機の中で7万円の生ハムが爆売れ!?スターフライヤーとジャパネットホールディングスの画期的提携とは?

ーージャパネットホールディングスとの業務提携についての詳細を教えてください。
【岸上雄一郎】スターフライヤーは、九州ではある程度の認知がありますが、関東や関西での知名度向上が課題となっています。コロナ禍で航空業界が停滞しているなか、私たちは会社の今後の方向性について深く考える時間が多くありました。そんななか、ジャパネットホールディングスさんから資本業務提携のお話しをいただきました。我々の知名度向上の目標とマッチしたことから、資本業務提携しましょうと始めたのがスタートでした。私たちの機内販売や個人モニター番組とジャパネットの通販サービスを連携させることで、新たな可能性を探る試みになったわけです。

ジャパネットたかたの創業者・高田明さんを表紙に抜擢した、刷新された機内誌の第一号


【岸上雄一郎】ジャパネットホールディングスさんは通販を主軸に、BSチャンネルの運営やプロスポーツチームの運営など、幅広い事業を展開しています。ジャパネットホールディングスさんとしては、自社のサービスと我々の機内販売や番組配信を紐づけられないかとお考えになられたのではないでしょうか。彼らの地方創生モデルの中で我々と新しい連携ができるのではないかと思っていただいて取り組み始めました。現在は、機内での通信機器を利用した通販システムの構築や、ジャパネットの番組を機内で放送するなど、さまざまな試みを行っています(機内販売については、2023年12月から一時停止中)。また、番組から機内販売への連携させるトライをしてみたり。まだまだお互いに工夫をしながら少しずつ変え、最適なベストミックスを探っている状況だと思っています。

ーー資本業務提携したことで何か具体的な効果はありましたか?
【岸上雄一郎】飛行機を飛ばす部分以外は、すべてが勉強になっていますね(笑)。通販分野において、当初はお客様がどれぐらい購入するのか疑問でしたが、予想以上に商品が売れたんです。これは我々にとって新しいビジネスの可能性の発見になりました。あと、ジャパネットホールディングスさんのフットワークの軽さも参考になりましたね。航空業界は国土交通省との調整が必要な事柄が多いですが、ジャパネットホールディングスさんの自由度の高い業務手法は、我々にとって新しい視点を提供してくれています。

【岸上雄一郎】また、BSチャンネルの提供では、以前は自前で番組を買い付けていましたが、ジャパネットホールディングスさんとの提携によって、効率的に一括手配が可能になりました。これは大きな強みです。さらに、機内誌もジャパネットホールディングスさんのカタログと連動して制作しており、彼らの制作ノウハウを活用しています。これにより、お客様に対して一貫したサービスが提供できるようになったので、非常にありがたいと感じています。

ーー機内で意外と売れて驚いた商品はありますか?
【岸上雄一郎】実は、私も驚いたのですが、なぜかシャワーヘッドがけっこう売れています。機内販売でも、通販でも購入できるようにしていますが、意外にも人気があったんですよ。

ーー確かにそれは意外ですね!
【岸上雄一郎】本当にそう思います。さらに、もうひとつ驚いたのは、7万円もする生ハムが売れていることです。これは生ハム工房のJamon8ehara(ハモンヤエハラ)さんの、高品質な国産生ハムの原木セットです。堀江貴文さんも推薦しているとはいえ、当初は、飛行機の中でそんなに高価な商品を買うとは思わなかったんです。でも、1時間半のフライト中に7万円の生ハムを購入するお客様がいらっしゃるんですよね。これらの例は、私たちの頑なな先入観を覆すもので、すごく学びが多かったです。

機内誌でも紹介されている生ハムの原木。堀江貴文さんも推薦人として絶賛するひと品だ


ーー機内では航空会社のオリジナルグッズを買うと思ったら、ぜんぜん違ったんですね!?
【岸上雄一郎】確かにオリジナルグッズに対する需要も相当数あるのですが、自社でグッズを販売する場合、製造コストや管理コストがかかりますよね。飛行機の中での販売は、ロットも少ないので商売としての売り上げは…。アリかナシかと言えばアリだと思いますが、商売としては大変なんですよね。特に上空だと管理しづらいので、JANコードを振っても手間だなと。また、一度始めるとお客様は新しい商品を求める傾向があるため、回転数を上げて商品を更新するだけでも大変。そして在庫もどんどん増えていきますし。そういう部分をうまくさばくノウハウを、ジャパネットホールディングスさんは持っているんですよ。それだけのノウハウとインフラがそろっているんですね。ですから、ロイヤリティビジネスに切り替えることが、より効果的なアプローチとなるんです。

ーージャパネットホールディングスとの提携はWin-Winの関係になっているわけですね。
【岸上雄一郎】その通りです。ジャパネットホールディングスさんにとって、これまでの通販での客層以外のお客様に対するアプローチやお客様への商品配送手段のひとつとして我々を使っていただける部分は、おそらくメリットがあるのではないでしょうか?我々としても、機内の通販できるというメリットはあると感じています。

ーー提携を始めて1年経ちますが、どう感じましたか?
【岸上雄一郎】ジャパネットホールディングスさんとの企業文化の違いを考慮すると、彼らが本当に実現したいことは、まだまだ飛行機の中では実現しにくい場合もあります。そこで、双方が歩み寄り試行錯誤しながらトライして、飛行機の中の制限を知ってもらえた1年かなと思います。

ーーその提携による新しいサービスのアイデアはありますか?
【岸上雄一郎】当初、機内から通販できる仕組みを想定していましたが、逆にそれを地上でも展開することも考えています。機内販売について、我々は“機内でしか買えないということに意味がある”と、そこに特別感があると感じていました。でも、実はそうではなく、高額な商品もあるので帰ってからゆっくり考えて買いたいという人もいると気が付いたんです。その商品が、飛行機に乗ったからこそ買える商品であれば、フライト後の購入でも特別感は成立するんですよ。原木生ハムなどは、今まで飛行機の中でしか販売されていなかったんで。逆に、「スターフライヤーの機内で話題の原木生ハムが!」って、謳えますし。また、個人的には、スターフライヤーの機内からジャパネットホールディングスさんの商品を購入したお客様に対して、何か特典があったら提携の意義がより高まると思います。

スマホを利用する新しくなった機内販売。専用ネットワークに接続して、購入する商品の二次元バーコードを読み込むだけで終了


ーー最後に今後の展望を教えてください。
【岸上雄一郎】まずは、2018年のような飛行機の便数への回復を目指すことです。現在、私たちはアフターコロナの状況に対応しながら、今後の方向性を模索しています。どの路線を拡大するか、どの機材を使用するか。そんなことに取り組んでいるところです。そして、今は2025年までの中期経営戦略を立てており、ちょっと需要の戻りが想定より早いですが、まさに全力で今やっているところです。来年度以降、従来の国内路線を強化して取り戻しつつ、次のステップに向けて並行で進める。そんな感じで、次のフェーズに向けた計画を進めています。

【岸上雄一郎】航空業界は制約が多いですが、ほかの航空会社がやらないような、業界が驚くような取り組みを続けていくことも重要だと考えています。ライブイベントやプラネタリウムのような斬新なアイデアを取り入れ、業界がどよめくようなことをやっていけたらいいですね。お客様に新しい体験を提供することで、スターフライヤーをさらに魅力的な航空会社にしていきたいと思っています。

現在は、アフターコロナの状況に合わせながら今後の方向性を模索中。そんななか、岸上さんは「他社がやらないような『おっ!』と驚くイベントや企画を発信していきたい」と語る


単なる航空会社の枠に留まらず、革新的なサービスと顧客体験を提供することに注力しているスターフライヤー。コロナ禍で航空事業の運休というピンチからの脱却を図るために開始した「SFJフォトウェディングプラン」や「FFS Dream Flight」のようなユニークな体験は、顧客にとって忘れがたい思い出を作り出し、スターフライヤーのブランド価値を高めることに繋がった。そして、現在はジャパネットホールディングスと業務提携し、新たなビジネスモデルの開拓をしつつある。スターフライヤーは、これからも革新的なサービスを通じて、航空業界に新たな風を吹き込み、多くの人々に感動と喜びを届け続けることだろう。

取材=大庭かおり、取材・文=北村康行

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