
大した努力をせずとも売れる「波」をとらえて乗りこなす
続いて紹介するのは、「人は『祭り』にお金を払う」です。人間の動きや経済の動き、需要には必ず波があります。その波が下がっているときにいくら頑張ってもなかなか儲けにはつながりません。単純に、効率が悪いのです。逆に波が上がっているときであれば、大した努力をせずとも大きく儲けることも可能です。その波を、私は「祭り」と呼んでいます。
わかりやすい例なら、フードトラックが挙げられます。店舗の家賃を支払う必要はありませんし、オフィス街であればランチタイムの11時〜13時に商品が売れる効率的な商売です。夕方以降にだらだらと店を開いていても集客はほとんど見込めないでしょう。フードトラックに限らず、そうした波をうまくとらえることが大切です。
また、「波」とは別に、本来の意味での「祭り」も儲かるものです。年中行事やお祭り、各種イベントのときにはたいていの人の財布のひもが緩みます。そんなハレの日を狙った仕事も考えられます。先に挙げたフードトラックだって、各地のイベントに出店可能です。
いずれのケースでも本当に大切となるのは、実際に起業したら「継続する」ということです。起業して失敗する要因のすべてが、なかなか儲からないからと心が折れてやめてしまうことともいえます。成功するまでやめさえしなければ、いかにボロボロの状態であってもそれは成功までのプロセスだといえるからです。
そこで、起業した仕事を継続するために、ぜひ「仲間」をつくってください。社会生活を営む生き物である人間は、ひとりではなかなかモチベーションを保つことができません。受験生時代の友人や予備校仲間たちのように、起業仲間をつくってお互いにアドバイスをし合ったり褒め合ったりすれば、「あいつも頑張っているから!」と強いモチベーションを保てると思います。みなさまの起業の成功を応援しております。
この記事のひときわ#やくにたつ
・人がお金を払うのはどんな場面なのかを把握しておく
・「時短」が商売の大きなキーワード
・起業した仕事を継続するために「仲間」をつくる
構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=清家茂樹、撮影=藤巻祐介