
過去の値動きと先輩投資家から「再現性」を学ぶ
最後に解説するのが、「③『再現性』を確立すること」です。これが、最も重要なことといえます。なぜなら、勝ち続けている投資家たちはその誰もが、それぞれに再現性のあるいくつかの勝ちパターンを見つけ、それらを場面に応じて使い分けながら市場からお金を引き出し続けているにすぎないからです。
株式投資とは、「株価の上がり下がり」のなかで利益を出す行為でしかありません。株価は、上がるか下がるか、あるいは横ばいか、それだけです。ビギナーの人たちが思っているほど複雑ではありません。
しかし、未来に目を向けたとき、株価が上がるのか下がるのか横ばいなのかは見えません。なぜなら、私たちは予言者ではないからです。でも、過去だったら見ることができます。どんな状況だったときにどんな銘柄がどんな動きをしたのか。そういう値動きのなかに法則を見つけることができるのです。未来を知って利益を出そうと思うのなら、過去を知ることからはじめてみましょう。
また、再現性という意味でいうと、株価の値動きとは別に、いわば先輩たちから学ぶことも重要です。勝ち続けている投資家たちがこれまでにどんな失敗を重ねて、どんな学びを得て、そして勝てるようになってきたのか。そういうところから、先輩たちがすでに確立してくれている、再現性のある勝ちパターンを得られるはずです。
そのためには、もちろん勉強が重要となります。今は投資ブームといわれる時代になりましたので、投資本もたくさん出版されていますし、YouTubeなどから学ぶこともできます。それらのなかで、有名かどうかを問わず、「この人の言葉は自分に響く」「似た境遇を経験している」「投資をはじめた理由が似ている」といった「自分の心の琴線に触れる人」を探してみましょう。そういう人の経験談やアドバイスというものは、他の人と比べて記憶に残りやすいですし、より実践的に活用しやすいからです。
構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=清家茂樹、撮影=樋口涼