
「年金を払わない」という選択肢は、本当にもったいない
そして、もしそういった事実を知らなかったとしても、年金保険料を払わないという選択はおすすめできません。なかには、「どうせ自分たちはもらえないから」と年金保険料を払わないという若い人もいるようです。
しかし、それは本当にもったいないこと。年金というと、年をとってからもらえる「老齢年金」をイメージする人が多いでしょう。しかし、国民年金には他の年金も含まれます。たとえば、不幸にして亡くなってしまったときに遺族にお金を残せる「遺族年金」もあれば、身体的・精神的な障害を負ってしまった人が受け取れる「障害年金」も含まれます。
しかも、こういった保障を民間の保険で実現しようと思うと、かなり高い保険料を払わなければなりません。つまり、国民年金はとても割安な制度なのです。
「明日、事故に遭って死んでしまうかもしれない、障害を負ってしまうかもしれない」というリスクは誰にだってあるものです。割安な年金保険料をきちんと払ってそういったリスクに備えたうえで、「3階部分」を使ってさらなる備えを考えるというのが、もっとも効率的なのではないでしょうか。
この記事のひときわ#やくにたつ
・国民年金には「老齢年金」以外の年金も含まれる
・国民年金はとても割安な制度
・割安な年金保険料を払ったうえで「3階部分」を使ってさらなる備えを考える
構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=清家茂樹、撮影=樋口涼