社員の子どもがオフィスで仕事体験、「おやこ参観日」のメソッドを社外へ無償提供する狙いとは

東京ウォーカー(全国版)

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社員の子どもが実際のオフィスで仕事体験をする、トゥモローゲート株式会社(以下、トゥモローゲート)が社内で実施していた「おやこ参観日」という取り組み。この「おやこ参観日」のメソッドを、トゥモローゲートが企業へ無償提供を開始。“子どもの未来の選択肢を増やすこと”を目的とした本取り組みを、社内だけでなく日本全国へ広げていくことで、同社が掲げるミッション「世の中にきっかけを。」を体現するというものだ。取り組みの狙いやその効果について、トゥモローゲートの担当者に話を聞いた。

「おやこ参観日」のメソッド、企業への無償提供を開始


「おやこ参観日」とは

「おやこ参観日」とは、社員の家族をオフィスに招き、仕事の体験をしてもらう社内イベント。「イベントの企画・運営を子どもに依頼する」というテーマのもと、「企画/仕入れ・チラシ制作・営業・準備・接客・報酬を得る」という一連の業務の流れを体験し、「困っている人の課題を解決し喜んでもらう」という仕事の本質を学んでもらうことが狙い。

早い年齢から子どもたちに「働くこと」に触れてもらうことで、将来的なキャリアのきっかけづくりや、未来の選択肢を増やすことを目的としている。

【写真】「おやこ参観日」の様子。「営業」を体験


社外へ無償提供した意図や狙い

「おやこ参観日」のメソッドを社外へ無償提供した意図や狙いについて、トゥモローゲートの担当者に問うと、次のような回答が得られた。

「弊社が掲げる『世の中にきっかけを。』というミッション、そして中期ビジョンである『大阪で一番オモシロイ会社』を実現するため、社会貢献に力を入れています。今回は、その一環として『おやこ参観日』のメソッドを社外へ無償提供させていただきました」

「自分の将来を考えるタイミングとして一般的に多いのは、大学生の就職活動です。短期間で自分が就く仕事を選択しなければならず、迷いや不安を感じる声をよく聞きます。だからこそ、幼稚園児や小学生などの早いうちから、仕事に興味を持ち楽しさを知る“きっかけ”をつくることで、より多くの選択肢を増やしたり、目的をもって学業に励めるようになってほしいと思っています」

「これまで、社員の両親・子どもが対象の『おやこ参観日』や、社外の子どもが対象の『小学生インターン』など、さまざまな形で実施してまいりましたが、弊社から届く範囲だけでなく、全国の子どもたちへ“働くことの楽しさ”を伝え、将来の選択肢を増やせるような“きっかけ”を届けたいと感じたことから、今回の無償提供の実施にいたりました」

トゥモローゲート株式会社代表取締役 西崎康平さんのコメント

トゥモローゲート株式会社:代表取締役 西崎康平さん

弊社は「世界一変わった会社で、世界一変わった社員と、世界一変わった仕事を創る。」というビジョン(目指す方向性)の実現を目指し、12項目のバリュー(行動基準)を定めています。そのうちのひとつである「仲間を愛し家族を大切にしよう」をもとに、これまでも「家族」に焦点を当てた取り組みを実施してきました。

▼「家族」に関する取り組み事例
・ファミリーバースデー休暇:親族の誕生日に「1日特別休暇」を取得できる制度
・産休育休制度:最長10年間取得でき、男女共に利用できる制度
・参観日タイム:勤務時間内に子どもの参観日や運動会などの行事に行ける制度

この制度以外にも、社員それぞれのライフスタイルに合わせた働き方ができるよう、子どもを保育園に預けられない際は子連れ出社をしたり、社内イベントでは社員だけでなく家族やパートナーが参加したりなど、日々働くなかで「仲間を愛し家族を大切にしよう」を大切にしています。

そして今回、この一環として、社員からの提案で実施してきた「おやこ参観日」の無償提供を開始することとなりました。本取り組みが、全国の子どもたちへ“働く楽しさ”を伝え、「未来の選択肢」を増やす“きっかけ”になれば幸いです。

アイデアはどのようにして生まれた?

メソッドの社外提供というアイデアがどのように生まれたかを尋ねると、担当者は次のように語る。

「社外提供のアイデアは、自社でおやこ参観日を実施した際に、SNS上で自分の会社でもやってみたいというお声を多くいただき、社員からの提案があったことが始まりです。弊社のミッションを体現する取り組みであること、また弊社が掲げる中期ビジョン、大阪で一番オモシロイと言われる会社への達成要件のひとつに、世の中から見てオモシロイという項目を設定しており、子ども向けの仕事体験や教育環境の提供を目指していたことから、実現へといたりました」

子どもたちが遊べるスペース「パーク」

オフィス内に設置された「すべり台」

また、社外提供の準備の際には、社外の人が簡単に実施できるかという部分に焦点を当てたという。

「イベント自体を知らない方や社内でイベントを実施したことがない方でも、おやこ参観日に興味を持たれたすべての方が実施できるよう、マニュアルを作成しています」

マニュアルには、
・企画概要(イベントの実施目的・ゴール)
・当日までの大きな流れを記した手順書
・当日までの準備物リスト
・当日のタイムスケジュール
が記載されているそう。

また、「イベント内で使用するスライドやワークシートなどの編集可能なデータもお送りしていますので、マニュアルのダウンロード後、すぐに実施いただけます」とのこと。

「弊社の想いに共感してくださる、すべての企業様にこの取り組みを知っていただき、社内で実施いただければうれしく思います」と担当者。

「おやこ参観日」の様子。「映像編集」を体験

同社が昨年実施した「おやこ参観日」では、「営業」や「映像編集」の体験も。子どもたちが「働くこと」に触れる本取り組みが、どのように広がり、作用していくのか。今後の展開に注目だ。

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