「配当株投資」に最適な企業を見抜くにはコツがある。まず保有すべき王道の銘柄とは?

東京ウォーカー(全国版)

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「配当株投資」という投資手法を知っているだろうか。株の売買の差益によって利益を得ることを狙う手法に対して、株主に対して企業が分配する配当金を得ることを目的とした手法だ。そうであるなら、「どの企業が確実に配当金を出してくれるのか」ということを見抜かなければならない。そこで、配当株投資の情報を発信し続け、Twitterフォロワー数10万を超える個人投資家の「配当太郎」さんに、配当株投資に最適な企業を選択する基準を聞いた。

まず選ぶべきは、「参入障壁が高い」4業種

「配当株投資」において重要となるポイントは、「どの企業の株を所有すればいいのか」ということです。その基本となるのは、「安定的に利益を出していて、その一部を配当金として継続的に株主に還元している企業」です。

ただ、この条件を満たす企業は決して少なくありません。そのなかから、私がおすすめしたいのは、「参入障壁が高い業種」の企業です。

「参入障壁が高い」とは、規模やブランド力、技術力といった優位性が既存企業にあったり、法律的な規制があったりするなど、その業界に新規参入したいと考える企業にとって大きな障害が立ちふさがっているような状況を指します。

ですから、参入障壁が高い業界には新たな企業がどんどん参入してくるということはありません。既存企業は、価格競争に巻き込まれにくいといったメリットに恵まれ、安定的に稼ぐ仕組みをつくり上げているのです。その代表格となると、以下の4業種となるでしょう。

【参入障壁が高い4業種】<br />①銀行・金融<br />②商社<br />③保険<br />④通信キャリア

銀行業界はメガバンクを中心に圧倒的な存在感を示していますし、商社、保険、通信キャリアも同じような状況にあります。近年、楽天モバイルが通信業に新規参入しましたが、苦戦を強いられているということはメディアが報じているとおりです。

参入障壁が高い業界の「1位、2位」を選べば間違いない

では、これらの業種から具体的にどの企業を選べばいいのでしょう。これについての答えは簡単です。業界1位、2位の利益を挙げている企業を選べばいいだけです。なぜなら、単純にそれだけ「稼ぐ力」があるということだからです。基本的には、1位、2位を差し置いてわざわざ3位以下の企業を選ぶ理由はありません。

具体的には、現時点では以下のような企業となります。

【参入障壁が高い4業種における純利益ランキング】<br />①銀行・金融  1位:三菱UFJフィナンシャル・グループ<br />         2位:三井住友フィナンシャルグループ<br />②商社     1位:三菱商事<br />         2位:伊藤忠商事<br />③保険     1位:東京海上ホールディングス<br />④通信キャリア 1位:NTT(日本電信電話)<br />         2位:KDDI<br />         3位:ソフトバンク

「業界1位、2位」を選ぶべきだとお伝えしましたが、保険業界では東京海上ホールディングスがダントツの1強ですから、1社だけ示しました。また、通信キャリア業界においては3社の混戦状態のため、3位まで示しています。

ここに挙げた企業は、誰もが見聞きしたことがある大企業ですよね。しかし、「有名な大企業だから、安定的に稼げる」というわけではありません。じつは、順序は逆。「参入障壁が高い業種のなかでしっかり『稼ぐ力』をつけられているからこそ、有名な大企業になっている」と見ることができます。だからこそ、参入障壁が高い業種のトップ企業を選ぶべきなのです。

「シェアの高い企業」「ストック型ビジネスの企業」も狙い目

また、たとえ一般的にはそれほど知名度が高くない企業であっても、「各業界で高いシェアを握っている企業」も、「安定的に利益を出していて、その一部を配当金として継続的に株主に還元している企業」を見抜くひとつの基準となります。

高いシェアを握っている企業と契約をしていれば、顧客側からすればわざわざ他社に乗り換えようとはなかなかしません。「昔からのなじみのつき合いだから」という意識が働くことのほか、シェアが高いということは、それだけ信頼性が高い企業ということでもあるからです。

具体的には、「3割」くらいのシェアを目安にするといいでしょう。もちろんほかに5割や6割などより高いシェアを持つ企業があれば話は変わりますが、3割近いシェアがあればその業界で十分な強みを持った企業だと判断できます。

そして、「ストック型ビジネス」の企業を選んでもいいと思います。ストック型ビジネスとは、一度契約をしたら、その契約が終わるまでは継続して対価が得られるタイプのビジネスを指します。

それに対して、商品やサービスを提供したその場で一度きりの利益を挙げるタイプのビジネスは、「フロー型ビジネス」と呼ばれます。飲食店などがそれにあたりますが、例えばたまたま入った飲食店の食事や店員の接客態度に納得できなければ、もう一度行こうとはしませんよね。

一方、ストック型ビジネスの場合は、客が先に料金を支払ったあとに商品やサービスを受け取るため、企業側からすれば安定的に利益を生み出しやすいのです。

世界的な有名企業であるAmazonやGoogle、Apple、それから映像や音楽などのサブスクリプションもストック型ビジネスです。先に挙げた4業種のうち、銀行・金融、保険、通信キャリアもストック型ビジネスに属します。

ここまでで紹介してきた基準によって投資先の企業を選べば、しっかりと配当金を得られ続ける可能性は高いはずです。

この記事のひときわ #やくにたつ
・「配当株投資」に最適な企業は参入障壁が高い業界の「1位、2位」<br />・「シェアの高い企業」「ストック型ビジネスの企業」も狙い目

構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=清家茂樹

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