誰かとの対話で広がる可能性。キャリアスクール「SHElikes」に学ぶ、ユーザーと一緒に盛り上げるコミュニティのつくり方

東京ウォーカー(全国版)

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デザインやマーケティングなど、パソコンひとつで働くことができる職業のスキルを学べる女性向けキャリアスクール「SHElikes(シーライクス)」。2017年に事業を開始し、累計会員数は7万人にのぼる。同スクールの特徴のひとつが、運営側と受講生、受講生同士など、立場を超えてフラットにつながることができる「球体型コミュニティ」であること。

そんなコミュニティのあり方を支えるのが「コミュニティマネージャー」と「コミュニティプランナー」の存在だ。運営会社であるSHE株式会社でコミュニティマネージャーを務める伊藤実希さんと、受講生でコミュニティプランナーの経験がある岡歩美さんに、コミュニティがもたらす効果や、コミュニティを活性化させる方法について話を聞いた。

SHE株式会社コミュニティマネージャーの伊藤実希さん(写真右)と、SHElikes受講生の岡歩美さん(同左)【撮影=阿部昌也】

コミュニケーションのハブになる存在が必要

ーーまずはSHE株式会社の事業内容について教えてください。
【伊藤実希】「一人一人が自分にしかない価値を発揮し、熱狂して生きる世の中を創る」を会社のビジョンに掲げて、女性の社会進出と自己実現の支援に取り組む事業を展開しています。主要事業は、誰もが自分らしい働き方が叶えられるように、パソコンひとつで働けるクリエイティブスキルを幅広く学べる「SHElikes(シーライクス)」の運営です。資産運用について学び、マネーリテラシーを身につけられるスクール「SHEmoney」も2021年から展開しております。

ーー「SHElikes」について詳しく教えてください。
【伊藤実希】女性向けのキャリアスクールで、Webデザイン、Webマーケティング、ライティングなど約40コースが、定額のお支払いで学び放題になります。受講生は20代~30代が中心ですね。レッスンは動画なので、基本的に好きな場所で視聴できるのが特徴です。そのほかコーチングや、ティーチングアシスタントによる課題の添削など、ひとりで悩まずに、誰かに相談できる機会も提供しています。

【写真】場所は東京・銀座の「SHE Ginza」。名古屋、大阪などにも拠点があり、コーチングや勉強会を実施している【撮影=阿部昌也】

ーー2022年7月にコミュニティマネージャーを設置したのはなぜですか?
【伊藤実希】当時、現役シーメイト(SHElikesの受講生)さんが約6000人いらっしゃって、どんどん規模が拡大していくにつれて、コミュニティのなかでハブになる人がいないと、シーメイトさん同士がコミュニケーションを取りづらくなったり、シーメイトさんのお声が会社に届きにくくなったりしているのではないかと感じていました。そこで、コミュニティマネージャーを設置してコミュニケーションの機会を増やし、コミュニティを活性化していこうということになりました。

ーー具体的にどういうことをしていますか?
【伊藤実希】「コミュニティマネージャー」という名前のとおり、コミュニティの環境やルール、お知らせなども含めた全体のマネジメントをしています。例えば、シーメイトさんが交流するためのサイトがあって、そこでトラブルが起きていないか、コミュニケーションを取るのに最適な状態になっているのかをコントロールしています。スタッフからシーメイトさんに発信する内容や、コミュニケーションに違和感がないかを確認し、「こういう伝え方はどうか」と提案することもありますね。また、シーメイトさんに届けるお知らせは、いつ誰に何が届くのかというスケジュール管理、どう届ければワクワクしてもらえるのかまで設計しているメンバーもいます。

伊藤さんもSHElikesの元受講生。前職は自動車メーカーのバイヤー。SHEでの仕事は「うれしいご意見も厳しいご意見もダイレクトに伝わってくるのが楽しい」という【撮影=阿部昌也】

【伊藤実希】あとは、すてきなシーメイトさんがたくさんいらっしゃるので、みなさんがどういう方なのかという情報を積極的に取りにいっています。日頃からコミュニケーションを取らせていただいているからこそ、こういう取材があったときには、テーマに合ったシーメイトさんをすぐにご提案し、お声がけができていると思います。

ーーコミュニティマネージャーを設置したことで、どのような効果がありましたか?
【伊藤実希】コミュニティマネージャーを設置した際は、お声を直接聞ける場所を増やしたいという思いで、座談会を開催しました。今どんなところでつまずいているか、どんなふうにサービスが変わっていったらうれしいかなどを直接お伺いしました。新しいサービスを開始する前に意見を伺い、それらを反映させてからリリースすることもでき、より良いサービスの提供に貢献できたのではないかと思います。

コミュニティがアウトプットの場になる

ーー受講生同士が交流できるコミュニティについて教えてください。
【伊藤実希】会員数は現在約8000人で、興味や学んでいることもさまざまなので、みなさんが一同に何かをするのってなかなか難しいと思っています。そこで、誰かと一緒に学んだり、アウトプットするための場として、小さなコミュニティが19個存在しています。デザインやライター、マーケティングなどコースで分かれているほか、転職、副業、フリーランスなど今後目指したいキャリア、年代などでも分かれています。それぞれのコミュニティを動かしてくださるのがコミュニティプランナーで、シーメイトさんが担ってくれています。任期4カ月の交代制で、今日来てくださった岡さんは2023年3月末までコミュニティプランナーをしてくれていました。

ーー岡さんのこれまでの経歴について教えてください。
【岡歩美】大学では教育を学んでいて、もともとは教育や福祉の仕事をしていました。今は自分の趣味でもあるフィンランドサウナの会社で広報の仕事をしています。広報は未経験だったし、中小企業なので広報専門の部署もないなか、誰に相談していいかわからず、正しい知識を持っていないという不安もあり、広報・PRを学べるコースがあるSHElikesに入りました。

岡さんはコミュニティの存在がSHElikes受講の決め手になったという【撮影=阿部昌也】

ーーコミュニケーションプランナーの役割について教えてください。
【岡歩美】シーメイトさんに向けたオンラインイベントを月に1回企画していました。私は広報PRコミュニティだったので、学んだことをアウトプットするワークショップや、SHEの広報の方をゲストにお招きして、経験談を聞くというイベントを開催しました。

ーーコミュニティプランナーを経験して、変化はありましたか?
【岡歩美】コミュニティプランナーを経験したことで、リーダーシップの取り方が変化したと感じています。会社で組織改革や組織の課題を改善するプロジェクトを行っていて、今までは自分でできることは、ひとりでどんどん進めていたのですが、みんなが得意なこと、挑戦したいことはそれぞれにお任せして、チームとして物事を進めるという方法を学ぶことができました。

【伊藤実希】現在の社会で女性がリーダーをする機会は、男性と比べてまだまだ少ないですよね。SHElikesでは、コミュニティプランナーとしてリーダーシップを発揮する場面があるなど、活動中のさまざまな経験を通して、変化を感じる方がとても多いです。それらの変化や気づきが、ご自身のキャリアチェンジにつながり、さらに他のシーメイトさんにも波及するのをこれまで見てきました。SHElikesはキャリアスクールではありますが、同時にとても大きなコミュニティでもあります。何千人もの価値観や人生の歩み方を知ることができ、そうした環境がキャリアや人生を変えるうえではすごく大切だと思っています。

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