「努力が報われる世界を作りたい」東大在学中に起業、教育格差の解消に挑むヨンデミー代表の目指す未来

2023/05/24 19:00 | 更新 2023/05/25 10:27
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「日本中の子どもたちに豊かな読書体験を」笹沼代表が考える読書の可能性と将来への野望

努力が報われるか否かの差は「正しく頑張れているかどうか」。読書という手段を通じて、子どもの努力が報われるものになってほしいと語る笹沼さん
努力が報われるか否かの差は「正しく頑張れているかどうか」。読書という手段を通じて、子どもの努力が報われるものになってほしいと語る笹沼さん【撮影=三佐和隆士】


――ご自身で経営の勉強をされたとのことですが、笹沼さんが事業を手掛けるうえで大切にしていることを教えてください。
【笹沼颯太】大切にしていることと言いますか、応援してもらえることがすごく大事だと感じていて、僕らのサービスはすごく応援してもらえているんですよ。例えば編集者さんや出版社の方は本を好きな人が多いので事業に共感してくださることが多いですし、出版市場の観点から見ても、子どもの読書人口はその後の読書人口につながるためヨンデミーが失敗するような世の中であれば市場も先はない、だから全力で応援するという姿勢でいてくれます。

【笹沼颯太】もちろん社会的意義の観点からも教育格差の解消に力を入れているので、そこに共感してくださる方も多く、そうすると「運がいい」と言われるようなことが多くなるんです。人が人を紹介してくれたり、学生で経験も知識もない僕らにいろいろと教えてくれる人がいたり、困ったときに助けてくれる人がいたり。そのようなことがたくさんあって、応援してもらえる状態であることはすごく大事だと感じていますし、恩返しというか、ちゃんとギブができるようにというのは意識しています。

【笹沼颯太】あとは、少しお話ししたところではありますが、学ぶというのはとても大切なことですよね。何も知らないから学ばなければならないということもありますが、会社経営でよく言われるのが「成功パターンはみんな違うけど、失敗する理由は同じ」ということです。会社が大きくなるにつれてこういうタイミングで組織に課題が出てくる、といった共通の課題を先に学び、可能な限りケアすることをすごく意識しているのですが、そういったことも本から学んでいます。

――最後に、笹沼さんご自身の今後の野望を教えてください。
【笹沼颯太】ふたつあって、ひとつはヨンデミーという会社はミッションとして「日本中の子どもたちに豊かな読書体験を届ける」ということを掲げているのですが、実はそのミッションを達成したあとの世界がどうなっていてほしいかというビジョンを会社としては決めておらず、メンバー一人ひとりが言語化して持つことにしています。それは読書にはいろいろな側面があって、それぞれの思いがあっていいと思っているからなのですが、僕のビジョンは「努力が報われる世界を作りたい」というものです。

【笹沼颯太】それを最初に感じたのは大学受験のタイミングで、以降もしょっちゅう感じるのですが、僕より頑張っている人はいくらでもいると思います。でもその努力が報われているとは限らなくて、努力は報われると言いますが報われる努力と報われない努力が絶対ある。その差は正しく頑張れているかどうかで、それが何で決まるかというと“視野”だと思ったんです。知っている世界の広さ。地図をイメージすると、地図をすべてわかっている状態であれば現在地からゴールまでの最短経路がわかりますよね。でも地図がない状態で進んでいる人が多いと感じます。この地図をみんなが持てるようになれば報われる努力は増えると思っていて、読書は僕にとってその手段のひとつでした。

【笹沼颯太】例えば、子どもたちの世界は家庭と学校、習い事くらいですが、その子たちが生まれ持った世界の外を知るためには読書で情報を得ることが一番だと考えています。動画もいいのですがそれは結局自分以外の情報でしかなくて、読書だといろいろな情報を自分ごとのようにリアルに感じることができるので、やはり読書が一番子どもの世界を広げると思いますし、子どもたちの努力が最終的に報われるものにつながると僕は信じています。

――読書で情報をインプットすることにより視野が広がり、どう努力すればいいかが明確になるのですね。では、もうひとつの野望とは?
【笹沼颯太】もうひとつは全く違う話で、世の中にはすごいアイデアがたくさんありますよね。僕はアイデアマンではないので、思いつく人はとてもすごいと思っているのですが、アイデアで終わってそのままのケースが多いと感じています。仮にアイデアを実現できたとしてもそれが長く続かない、広まらない形だともったいないので、素晴らしいアイデアを持続的に実現することに価値がある。それが経済学部を選んだ理由でもあるのですが、その延長で僕にとっての読書教育は価値あるアイデアだったのでそれをどう持続的に実現するかということに取り組んでいます。

――ちゃんとマネタイズして続けられる形にしていかないと、ということですね。
【笹沼颯太】特に社会課題の解決がテーマになると、大体お金にならなくて続かないというものが多かったりします。この現状をなんとかしたいという思いが大きく、そのための力をつけたいと思っています。

この記事のひときわ#やくにたつ
・過去の経験を応用することで新たなアイデアが生まれる
・失敗、課題パターンを先に学びケアできるようにしておく
・視野を広げることで努力が報われる可能性が高くなる

【プロフィール】笹沼颯太(ささぬま・そうた)
1999年千葉県生まれ。2018年4月東京大学入学、2020年4月株式会社Yondemyを設立。代表取締役就任。

取材・文=山本晴菜、撮影=三佐和隆士

※:https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_00665.html(文部科学省)

ヨンデミーオンライン(https://lp.yondemy.com/)
月額定額制のオンライン読書教育の習い事サービス。

おうち読書のミカタラジオ(https://yondemy.wraptas.site/seminar)
読書教育を通じて教育の『見方』をアップデートし、また保護者さま同士でおうち読書の話をシェアして、おうち読書の『味方』になるPodcast番組。株式会社Yondemy 代表取締役の笹沼颯太が番組ホストを務める。

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