
現行制度を使っている人は、自動的に新NISA口座が開設される
一方、すでに現行制度で投資をはじめている人の場合、「現行制度の扱いはどうすべきか」「現行制度から新NISAへの変更の流れはどうなっているか」といった疑問を持っている人もいるでしょう。
端的に回答すると、「気にせず今のまま続けておいていい」となります。現行のつみたてNISAで2023年の1月1日から12月31日まで投資をした分に対しては、新NISAとは関係なく、2042年12月31日まで20年間の非課税期間があります。ですから、2023年もこれまでと変わらずつみたてNISAで投資を続け、その後はじっくりと資産運用をしていけば問題ありません。
また、現行制度から新制度への変更の流れをいうと、新NISAの制度については明確に公表されていない部分もあるために、あくまでも「現状ではこういわれている」という内容にはなりますが、すでに現行制度でNISA口座を開設している場合は、その口座がある金融機関で、2024年になったタイミングで自動的に新NISA口座が開設されるといわれています。特段の手続きは必要ないというわけです。
ですから、新NISAスタートに合わせて投資をはじめようと思っているような人なら、2023年のうちにNISA口座を開設しておくのもいいかもしれませんね。たとえ2023年のうちにその口座を使って投資をしなかったとしても、2024年になればスムーズに新NISAを使った投資をはじめられるでしょう。
ただし、新NISAで生涯非課税枠が大きく拡大されるからといって、投資をはじめたばかりの人がいきなり大きな資金を投じることは避けるべきです。「あくまでも余裕資金でやる」というのが投資の鉄則です。投資である以上、いかにリスクが小さい手法をとったとしても損をする可能性はゼロではありません。
特にまだ収入が高くない若い人の場合、もしものときがあったときにいつでも現金を引き出せるようにまずは普通預金口座に貯金をしたうえで余裕資金を投資にまわすべきでしょう。たとえば、手取り月収が20万円という人なら、まずはその5%の1万円を貯金に、同じく5%の1万円を投資にまわすといったかたちです。無理のない範囲で貯金と投資をバランスよく、そして長く続けていくことが大事なのだと思います。
この記事のひときわ#やくにたつ
・2023年から現行制度のNISAで投資をはじめるべき
・新NISAスタートに合わせて投資をはじめようと思っている人は、2023年のうちにNISA口座を開設しておくのもあり
構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=清家茂樹