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FP横山光昭の“お金の悩みがなくなる資産形成プラン”。何よりも「支出」を減らすことがお金持ちへの第一歩

2023/04/19 19:30 | 更新 2023/05/22 16:56
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物価高による生活コストの上昇のほか、近年、老後資金問題が取り沙汰されたこともあり、お金に関する不安は高まるばかり。これまでにも「お金を貯めたい」と考えてきたにもかかわらず、なかなか実現できなかったという人も少なくないだろう。そこで話を聞いたのは、「家計再生コンサルタント」として数多くの家庭の赤字家計を再生してきたファイナンシャルプランナーの横山光昭さん。資産形成の第一歩として必要な、お金を貯めるために絶対に持っておくべき「基本的思考」について解説してもらった。

家計再生コンサルタント/株式会社マイエフピー代表取締役・横山光昭さん
家計再生コンサルタント/株式会社マイエフピー代表取締役・横山光昭さん【撮影=藤巻祐介】


お金を貯めるためのゴールデンルールとは?

【写真】「絶対に揺るがないお金を貯めるための3つの絶対法則」があると語る横山さん
【写真】「絶対に揺るがないお金を貯めるための3つの絶対法則」があると語る横山さん【撮影=藤巻祐介】


「節約はかなりの収入なり」

こんな言葉を知っているでしょうか。これは、ルネサンス期の思想家であるデジリウス・エラスムスの言葉です。

私がこの言葉に出会ったのは、今から十数年前のこと。節約すればより多くのお金が手元に残るのだから、それは収入が増えたことと同じことだ――。あたりまえといわれればあたりまえの言葉ですが、これこそがお金を貯めていくための考え方としての本質であり真理なのだと感じたのです。

この言葉から考えると、以下のような、絶対に揺るがないお金を貯めるための3つの絶対法則が導かれます。

【お金を貯めるための3つの絶対法則】
①収入を増やす
②支出を減らす
③収入を増やして支出を減らす

②の「支出を減らす」がまさにエラスムスの言葉そのものですね。ただ、お金を貯めるためには、もちろん①のように「収入を増やす」ことを考えてもいいですし、①と②を合わせて③のように「収入を増やして支出を減らす」という方法もあります。

多くの人にとって、収入を増やすことはそう簡単ではない

「副収入によって一時的には総収入を増やせるかもしれないが、継続的に収入を増やすことは簡単ではない」
「副収入によって一時的には総収入を増やせるかもしれないが、継続的に収入を増やすことは簡単ではない」【撮影=藤巻祐介】


このなかのベストとなると、もちろん③の「収入を増やして支出を減らす」になるでしょう。しかし、その実現はそんなに簡単なことではありません。①の「収入を増やす」にもいえることですが、多くの人にとって収入を増やすことはなかなか難しいことなのです。

従業員として企業に勤めている多くの人たちの場合、もちろん企業や給与体系にもよるところですが、仕事でしっかりと成果を挙げたとしても、それがすぐに大きな賃上げにはつながらないということも多いものです。

副収入を得るという手段もありますが、これはなかなか続きません。ただでさえ人手不足によってビジネスパーソンひとりあたりの仕事量が増えているともいわれるなか、本業をやりながら副業をするとなると、肉体的にも精神的にも大きなストレスを抱えることは容易に想像できます。副収入によって一時的には総収入を増やせるかもしれませんが、継続的に収入を増やすことはやはり簡単ではないのです。

そういう事情もあってか、家計再生コンサルタントとしてこれまでに約2万4000件もの家計を見てきたなかで、「きちんとお金を残せるようになりたい」と相談してきた人たちの実に8割以上が②の「支出を減らす」ことを選択しています。

私自身も②をおすすめしていますが、実は以前はちがっていました。かつての私は、「節約のことばかりを考えるなんてなんだか味気ないし、たくさん稼いだほうが楽しくて効果も出るだろう」と考えて、収入を増やすことを提案していたのです。

節約意識がなければ、どれだけ稼いでもお金は貯まらない

「まずは支出を減らすことを強く意識」することが第一歩
「まずは支出を減らすことを強く意識」することが第一歩【撮影=藤巻祐介】


でも、これは完全に間違いでした。私のような自営業者であれば、仕事をどんどん増やせばそれだけ収入を増やすことも可能です。でも、先にお話したように、企業に勤める人たちが収入を増やすことは簡単ではありません。

以前の私は、成果を挙げようとすでに一生懸命に仕事に取り組んでいる人たちに対して、「もっと頑張って収入を増やすべきだ」というふうに、自分の感覚を押しつけて無理な要求をしていたようなものなのです。

また、仮に収入を増やすことができたとしても、もうひとつ大きな問題が立ちはだかることもあります。「パーキンソンの法則」というものを知っていますか?これは、イギリスの歴史学者であり政治学者のシリル・ノースコート・パーキンソンが提唱した法則のひとつで、「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」という内容です。

想像してみてください。もし支出を減らすことに意識を全く向けないままで、収入が今より大きく増えたとしたらどうでしょう?「あればあるだけ使う」なんて言葉もありますが、「前よりたくさん稼げるようになったし、ちょっとくらいぜいたくをしてもいいだろう」なんて気持ちが生まれて、それまでなら使わなかった(使えなかった)お金をどんどん使ってしまうことにもなりかねないのです。

実際、そういう人たちも多く見てきました。しっかりと稼いでいるにもかかわらず、湯水のごとくお金を使ってしまうような人たちです。そういう人たちと比べると、仮に収入ははるかに少なかったとしても、自分なりの幸せの尺度のようなものをきちんと持っていて、本当に好きなことにはお金を使うけれど、不要な出費はきちんと抑えられる人のほうが、結果的に多くのお金を貯められるということは珍しいことではありません。だからこそ、まずは支出を減らすことを強く意識してほしいのです。

ただし、減らせる支出には限界があることも知っておいてください。月々の生活費が20万円という人なら、本来はあり得ませんが、支出を100%減らせたとしてもその金額は20万円が限界です。でも、理論上では増やせる収入に限界はありません。支出をしっかり減らすことを意識しながらも、将来的には収入を上げていくことも考えてほしいですね。

この記事のひときわ#やくにたつ
・まずは支出を減らすことを強く意識する
・減らせる支出には限界があることも知っておく

構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=清家茂樹、撮影=藤巻祐介

『90日で「貯める力」をつける本』ディスカヴァー・トゥエンティワン(2022)
横山光昭 著

【プロフィール】横山光昭(よこやま・みつあき)
1971年生まれ、北海道出身。家計再生コンサルタント。株式会社マイエフピー代表取締役。赤字家計の盲点を探りながら抜本的解決、確実な再生を目指す。個別の相談・指導では独自の貯金プログラムを生かし、リバウンドのない再生と飛躍を実現し、これまでに2万4000件以上の赤字家計を再生した。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌等の各種メディアでも活躍する。全国の読者や依頼者から共感や応援の声が集まる庶民派ファイナンシャルプランナー。『図解 日本一やさしい 年金の正解』(ワン・パブリッシング)、『18歳からの投資信託の教科書』(総合法令出版)、『かんたん年金家計ノート』(コスミック出版)、『13歳からの3000円投資生活』(アスコム)など著書多数。

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