ブログ「ぷく子OLとイッヌの日常」で、個性豊かな人々と働く日常を描いた漫画を連載している、ぷく子(@pukukoOL)さん。現役のWebデザイナーでありつつ、過去にさまざまな職歴を持つ彼女がつづるお仕事漫画は、「こんな人いる!?」とツッコミたくなるエピソードばかり。今回は、ぷく子さんがバレンタインに仕事を休むようになったきっかけを描いた漫画を紹介する。

ある年、所長がバレンタインの企画をぷく子に提案してきた。それは、普段は事務所内で仕事をしている事務員(ぷく子)が、バレンタインの日にお客様のところへ出向いてチョコを渡す、というものだった。その企画をうけ、ぷく子はバレンタイン当日は所長と一緒に取引先をまわることに…。


だが、このバレンタインの企画は、会社が決めたものではなく所長が発案。当然会社では費用の稟議が通らず、所長が自腹で払うことに。しかし、所長の当時のおこづかいは月2万円!

所長が出せるお金は限られていたため、スーパーで売っているお徳用チョコを用意するのがやっとだったという。取引先に配るのは、何種類かを組み合わせ、小さな袋に入れただけの代物…。

不安しかなかったぷく子だったが、「喜んでくれるなら」と当日は所長と一緒にお客様のもとを訪れた。しかし取引先は忙しそうで、特に歓迎される様子もなく…。

やっとタイミングを見計らって渡したものの、「え?こんなチョコ配るために今日来たの?」「これだけ~?」「少なすぎるよね!!」と失笑される始末。

その後も、どこへ行っても取引先は塩対応。中には明らかに迷惑そうにしていたお客様も…。でも、そんな相手の様子に所長は全く気づいておらず、「みんなぷく子さんからチョコをもらえてうれしそうだね~」とご満悦。

歓迎されない状況が続くなか、ついに最後のお客様のもとへ。だが、この最後のお客様から、衝撃の事実を知らされることになる…!

なんとライバルのB社も、その日はチョコを配っていたそう。しかもぷく子たちのものとは比べ物にならないほど立派なチョコで、気まずいことこの上ない!!

何とか自分を奮い立たせて1日所長に同行したぷく子だったが、まわった会社にライバル社の立派なチョコが届いていたことがわかり、恥ずかしさとやり場のないモヤモヤだけが残ったのだった…。

この一件がぷく子のバレンタイン嫌いにとどめを刺し、ぷく子は翌年からバレンタインは有休を使って休むようになったという。
お世話になっている人への感謝の気持ちとして、また人間関係を円滑にするために贈ることもある「義理チョコ」。それが派生して、取引先にチョコを渡すという会社も多い。大切な人に愛を伝えるきっかけとしての「バレンタイン」はよいと思うが、その活用方法を間違えると逆効果になってしまうことも…。
本エピソードでは、所長の「取引先にチョコを渡す」というアイデアはよかったのかもしれないが、企業に渡す品としてスーパーのチョコ詰め合わせ(しかも小さなチョコが数個)という点が非常識であるし、また「女性事務員に渡させる」という点も、時代錯誤である。バレンタインでなくても、思い付きで周囲を振り回す同僚や上司に困っている、という人も多いのではないだろうか…。
「ぷく子OLとイッヌの日常」には、このようにクセ強な人々との衝撃エピソードがたくさん描かれているので、ぜひチェックしてみて。
画像提供:ぷく子(@pukukoOL)