ブログ「ぷく子OLとイッヌの日常」で、個性豊かな人々と働く日常を描いた漫画を連載している、ぷく子(@pukukoOL)さん。現役のWebデザイナーでありつつ、過去にさまざまな職歴を持つ彼女がつづるお仕事漫画は、「こんな人いる!?」とツッコミたくなるエピソードばかり。今回は、ぷく子さんが「職場でのバレンタインが嫌いになった」きっかけを描いた漫画を紹介する。
これまでいくつかの会社で働いてきたぷく子だが、バレンタインへの対応は会社によって全く異なっていたという。最初に就職した会社は女性社員が多かったので、1人300円と負担は軽く済み、男性社員からのお返しも全女性社員に向けてまとめてひとつだったので、気が楽だったという。
だが、その後就職した会社はそうはいかなかった。その会社は男性社員20名に対して、女性社員はぷく子含めたった2名。全員にチョコを配ると女性社員1人あたりの負担額が大きすぎる…!そう思ったぷく子は「あげなくてもいいんじゃないかな…」ともう1名の女性社員を説得し、その年は義理チョコは配らないことにした。
バレンタイン当日を乗り切り、ホッとしていた数日後…。ある男性社員がぷく子に「今年はチョコ配らないつもりなの?買い忘れ?」と言ってきた。「いや…別にあげなくてもいいかなって」と答えると、「はぁ?それまずいよ、女として!!」と衝撃の返答が!「義理チョコを配らないと女としてまずい…?」怒る男性社員を前にモヤモヤしか残らないぷく子だったが、結局、文句を言ってきたのはこの男性だけだったことから、その事業所にいる間は配らなかったという。
だがその後、この会社の男性社員たちの「女性社員が義理チョコを配る」という固定観念は、ぷく子の予想を遥かに超えてはびこっていると痛感することになる。
別の事業所へ異動した際のこと。ぷく子はこの事業所でももちろん、チョコを配るつもりはなかった。するとバレンタイン当日、事業所長が近寄ってきて、「チョコ(あるでしょ)」と手を差し出してきた。
「いや…ないです。前の事業所でも配っていませんでした」と答えると、「は…?前代未聞だよ。明日必ず持ってきなよ」と不機嫌な様子で指示され、困っていたぷく子。そんな様子を見たほかの男性社員も「チョコを持ってこなかったのはまずいよ…」と追撃。
「え?なんで?やるやらないは自由でしょ?」と反論すると、「毎年女性社員はひとつ1000円くらいのチョコを男性社員に必ず配っていた」とのこと。さらに、「(女性社員が購入して)お得意様Aさんにも2000~3000円のチョコを渡していた」という衝撃の事実も!
後にそのAさんには大変お世話になったそうだが、当時は話したこともない間柄。社員に渡すのも嫌なのに、ましてやよく知らない取引先に数千円ものチョコを渡す必要があるのか…。モヤモヤしていると、その男性社員からさらにダメ押しが。「今日必ず買いに行きなよ」。
結局、ぷく子は仕事終わりで渋々チョコを買いに行き、その出費総額はなんと7500円!しかも、翌日Aさんに渡すと、話したこともないぷく子からもらい戸惑っていて…。Aさんへのチョコは、必要だったとはとても思えない!事業所の男性陣も「今年は1日遅れのバレンタインだな」と“もらって当然”感を出しており、ぷく子はこの年から職場でのバレンタインが嫌いになったのだった…。
そもそも「バレンタイン」とは、世界的には「恋人たちの日」として大切な人にその愛を伝える日で、ほとんどの国では男性から女性へ花やジュエリーなどを贈るというのが一般的なようだ。
しかし日本では、チョコレートメーカーのキャンペーンなどにより、1970年代頃から「女性が好きな人にチョコを贈る」というのが定着。さらにその後、お世話になっている人や人間関係を円滑にするために贈る「義理チョコ」なるものも登場し、会社で「女性社員が義理チョコを配るのは当たり前」という風潮になってきたものと思われる。大切な人にその愛を伝えるきっかけとしての「バレンタイン」はとても素晴らしいと思うが、こと義理チョコについては男女ともに頭を悩ませている人が多いのではないだろうか。
それに、「女だから」「男だから」というのは、現代では「ジェンダーハラスメント」に該当し、女性社員に義理チョコを強制するという行為も、ハラスメントになる可能性も…?
「ぷく子OLとイッヌの日常」には、このように超クセ強な人々との衝撃エピソードがたくさん描かれているので、ぜひチェックしてみて。
画像提供:ぷく子(@pukukoOL)