意識調査で判明!リスキリングで学んだこと、みんなちゃんと活用できている?

2023/01/20 17:30 | 更新 2023/04/16 23:12
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近年よく耳にする「リスキリング(=社会の変容に対応するための新しいスキルの習得・学び直し)」。すでにリスキリングを行なっている人たちは、どんな目的で、どんなことを学んでいるの?身につけたスキルは、実際に業務で活用できているの?20代若手人材や社会人のリスキリングを促進する株式会社UZUZ(ウズウズ)が、同社「ウズウズカレッジ」のサービスを活用中の人を対象に行った意識調査から、気になる結果が浮き彫りに!

リスキリングで学んだこと、みんなちゃんと活用できている?
リスキリングで学んだこと、みんなちゃんと活用できている?

リスキリングで学んだことを活用できている人は6割

2022年10月に、岸田首相がリスキリング支援に今後5年間で1兆円の予算を投じると表明したこともあり、注目度が増しつつある「リスキリング」。今まさにリスキリングを行なっている人たちへのアンケート回答をもとに、実態を深掘りしてみよう。以下は、調査結果のサマリー。

・リスキリングの目的について、約4割が「業務スキル向上、業務効率化のため」と回答。ついで「現職でのキャリアアップのため(昇格、異動)」と「転職のため」がそれぞれ約2割を占めた。

・学習時間について、6割以上の方が「月に20時間未満」と回答。一方で、1割以上が「月に60時間以上」と回答。

・4割以上の人が「終業後」に学習時間を確保していると回答。

・リスキリングにこれまでかけた費用総額は、約6割の方が「3万円未満」と回答。「20万円未満」で約9割を占める。

・約6割が、リスキリングで学んだことを「非常に/ある程度活用できている」と回答。一方で、2割近くが「全く活用できていない」と回答。

・リスキリングをする上での課題はバラついており、最も多い回答は「効率的な学習方法がわからない(約3割)」。

・リスキリングを支援するサポートについて、最多は「学習効果の改善」で約4人に1人。「リスキリングの目的、目標の整理」や「学習内容、スケジュール策定」がそれぞれ約2割。約1割が「コーチング」との回答も。

気になる調査結果は?

Q1.あなたのリスキリングの目的を教えてください<複数回答>

【写真】みんなのリスキリングの目的は?
【写真】みんなのリスキリングの目的は?

・転職のため(18.9%)
・現職でのキャリアアップのため(昇格、異動)(22.0%)
・給与アップのため(昇給、資格手当)(11.5%)
・業務スキル向上、業務効率化のため(37.9%)
・明確な目的はないが、自己研鑽のため(7.0%)
・その他(2.6%)
ーその他:退職した場合の保険、業務理解を深めるため、会社指示など

Q2.学習時間はどのくらい確保していますか?<単一回答>

月の学習時間
月の学習時間

・月に10時間未満(29.1%)
・月に10時間以上20時間未満(32.8%)
・月に20時間以上30時間未満(14.2%)
・月に30時間以上40時間未満(5.2%)
・月に40時間以上50時間未満(5.2%)
・月に50時間以上60時間未満(1.5%)
・月に60時間以上(11.9%)

Q3.いつ学習していますか?<複数回答>

学習するタイミング
学習するタイミング

・終業後(41.9%)
・休日(30.0%)
・通勤中(11.5%)
・現在就業中ではないので日中帯に実施(7.4%)
・その他(9.2%)
ーその他:就業中、起きてから出社前まで、次の案件のための準備期間のため勤務中、睡眠時以外など

Q4.これまでにリスキリングにかけた費用総額はどのくらいですか?<単一回答>

リスキリングにかけた費用総額
リスキリングにかけた費用総額

・3万円未満(59.7%)
・3万円以上20万円未満(30.6%)
・20万円以上50万円未満(5.2%)
・50万円以上100万円未満(3.0%)
・100万円以上200万円未満(0.7%)
・200万円以上(0.7%)

Q5.リスキリングで学んだことが、業務や自身のキャリアにおいて「活用できている」と感じられますか?<単一回答>

学んだことが業務や自身のキャリアにおいて活用できていると感じるか
学んだことが業務や自身のキャリアにおいて活用できていると感じるか

・非常に活用できている(17.2%)
・ある程度は活用できている(41.8%)
・やや活用できている(23.1%)
・全く活用できていない(17.9%)    

Q6.上記回答の理由を教えてください<自由回答>

▼以下回答より一部抜粋
ー「非常に活用できている」「ある程度は活用できている」を選択した人
・専門的な知識を身につけたことにより公正な判断が可能になった
・転職活動に向けての自信を持つことができました
・本業への理解が深まったから
・新しい知識によって今までの業務経験も生かせる
・転職できた
・GASを業務の効率化に活用できているため。月10時間以上の効率化ができた

ー「やや活用できている」を選択した人
・直接的に生きることはないが、考え方などが参考になるため
・これまでより対応領域が広がった
・自動化により一部の業務が効率化できている
・まだ実質的に活用はできていないが、いざというときの自信にはつながるため
・評価自体はされたから
・まだ結果が出ていない

ー「全く活用できていない」を選択した人
・まだ始めたばかりで活用できる所まで到達していない
・業務と関係ないから
・業界が異なるため
・学習時間を確保できていない
・マネジメント業務中心のため活用場面がない

Q7.リスキリングを行う上で感じている課題を教えてください。<複数回答>

リスキリングを行う上での課題
リスキリングを行う上での課題

・有効な学習対象がわからない(何を学習したら自分の目的が達成できるのかわからない)(21.1%)
・効率的な学習方法がわからない(どのようなツール、教材を使用したら効率的にリスキリングできるのかわからない)(31.2%)
・学習時間をどのように確保したらいいのかわからない(19.3%)
・わからないこと、理解が不十分なことがあった際に解消できない(15.6%)
・学習したことをキャリアや実務に対して効果的に活用できない(11.5%)
・その他(1.4%)
ーその他:勤務後の疲労感などから継続しきれないことなど          

Q8.どのようなサポートがあれば、リスキリングの活用が進むと思いますか?<複数回答>

リスキリングの活用を進めるために有効だと思われるサポート
リスキリングの活用を進めるために有効だと思われるサポート

・リスキリングの目的、目標の整理(19.0%)
・リスキリングの具体的な学習内容、スケジュール策定(17.5%)
・学習効果の改善(わからないこと、理解が浅いことを解消)(24.3%)
・学習の進捗管理(学習がスケジュール通り進められる、つまづかないように)(10.8%)
・試験対策(12.3%)
・キャリア支援(転職支援)(5.2%)
・コーチング(学習したことをどのように実務に活用するか支援)(9.7%)
・その他(1.1%)
 
ーその他:実際に関連する業務をやらせてもらう、お金と時間など

【回答者属性】
▼年齢
・19歳以下(0.0%)
・20〜29歳(32.8%)
・30〜39歳(26.1%)
・40〜49歳(23.1%)
・50〜59歳(14.2%)
・60歳以上(3.7%)

▼性別
・男性(73.9%)
・女性(22.4%)
・無回答(3.7%)

▼雇用形態
・正社員(80.6%)
・契約社員、派遣社員(6.0%)
・パート、アルバイト(3.7%)
・業務委託(フリーランス、自営業)(3.0%)
・無職(4.5%)
・その他(2.2%)

▼所属分野(業界)
・メーカー(16.8%)
・商社(0.8%)
・小売(2.4%)
・金融(4.8%)
・サービス・インフラ(24.8%)
・広告・出版・マスコミ(1.6%)
・ソフトウェア・通信(46.4%)
・官公庁・公社・団体(2.4%)

■調査概要

調査の方法:Udemy、Youtubeの「ウズウズカレッジ」内でアンケート実施
調査の対象:Udemy、Youtubeの「ウズウズカレッジ」動画教材の利用者
有効回答数:134名
調査実施日:2022年10月25日~11月25日
※各回答結果の割合(%)は、端数処理の関係上、合計が100%にならない場合あり

■株式会社UZUZ川畑氏のコメント

日本においてもにわかに盛り上がってきた「リスキリング」。リスキリングの目的の回答にも多かった「業務スキル向上」「キャリアアップ」は厳密には「アップスキリング」という概念だが、日本ではまとめて「リスキリング」と表現されることが多い。これら「キャリアアップ」「転職」のために、学校を卒業してからも学び続けることが、今後DX、仕事の統廃合が劇的に進むであろう時代、非常に重要になると考えている。

今回のリスキリングに関する調査結果からわかることとしては、現状ではリスキリングは「個人頼み」となっている点だろう。必要性を感じた個人が自費でリスキリングを行っているため、学ぶ意欲が高い人材に限定された動きとなっている。今後は、企業が主導して衰退事業から成長事業へ従業員をリスキリングしたり、リスキリングを支援する公共/民間サービスが拡充されることが必要だと考える。

実際にリスキリングを行った方の約6割が「非常に/ある程度活用できている」と効果を実感しており、より一層リスキリング環境が整うことは国全体の生産性向上にも通ずるはずだ。リスキリングを行う際には「なぜ(目的)」「何を(学習対象)」「どのように(ツール、学習スケジュール)」を決めて、学習を進めることが重要なため、そのような総合的なサポートを弊社としても実施できるよう、サービス開発/改善を進めたいきたいと思う。

株式会社UZUZ 専務取締役/川畑 翔太郎
1986年生まれ、鹿児島出身。高校卒業後、九州大学にて機械航空工学を専攻。大学卒業後、住宅設備メーカーINAX(現:LIXIL)に入社。2012年UZUZ立ち上げに参画。第二新卒・既卒・フリーターの就活支援実績は累計2000名を超える。現在、東洋経済オンラインにて採用・就活関連の連載を行う。

■株式会社UZUZ(ウズウズ)について

株式会社UZUZは「自らと若者がウズウズ働ける世の中をつくる。」をミッションに、第二新卒・既卒・フリーターを中心とした若者向けに人材紹介事業、教育事業を行う。キャリアに対する納得感が低い日本において、若者が自身のキャリアプランを考え、より満足度の高いキャリアを手に入れるための支援を、「就業支援」「学習支援」「キャリアコーチング」という切り口で提供。

ウズウズカレッジとは
IT就職に強い就職エージェントである同社が運営する、IT分野への就職・転職を目指す人向けの学習支援サービス。「CCNAコース」「LinuCコース」「Javaコース」の3コースがある。

担当者に話を聞いてみた。

「(今回の調査の狙いは?)政府発表にもあるように昨年度からリスキリングに対する注目度が増しています。リスキリングサービスを本格的に拡充する弊社にとって、リスキリングの意識調査を行い、実態を把握するだけでなく、その情報をメディアを通じてより波及させたいとの思いから本調査を実施しました。自分らしい、自分が満足できるキャリアや生き方を実現するために、その選択肢を増やすことができるリスキリングという手段の認知度、理解度を向上させるきっかけになれば、というのが狙いです」

「(今回の調査結果のポイントは?)最大の注目ポイントは約6割が、リスキリングで学んだことを『非常に/ある程度活用できている』と回答。一方で2割近くが『全く活用できていない』という回答です。ここからわかることとしては、
・リスキリングを行うことは、実際に成果に直結することがわかる(キャリアアップやスキルアップにとって有効な手段である)
・ただ、リスキリングを実施しても有効活用できないケースもあり、これを最小化することが課題
・現場サイドの意見としては、リスキリングを支援する「プランニング(目的を明確化、学習するべき内容の選定)」と「コーチング(計画、学習進捗を支援する仕組み)」を取り入れたサービス拡充が重要であることがわかりました。

「(ユーザーへのメッセージは?)自分のキャリアや生き方を変えるうえで最も効果的なことは『仕事(仕事の内容、働く会社、働き方)』を改善することが最も有効です。今までは、その選択肢はほぼ転職一択でした。ただ、転職だと『"今の自分"の経歴や能力、実績によって取れる選択肢』しかありません。リスキリングという手段があれば、学ぶことで『"今の自分"にはない選択肢』を増やすことができます。また、『学ぶ』という行為は学校教育の影響もあり『無理やりやらされる嫌なこと』という印象があるかもしれません。でも、『学ぶ』ことは自分の仕事を楽にしたり、仕事の幅を広げてくれる、とてもメリットがある活動です。どうせ長く働くのであれば、自分のキャリアや生き方がもっとウズウズしたものになるよう、『学ぶ』という強力なツールを生かしちゃいましょう!」

効率的なリスキリングにより、誰もが時代にマッチしたやり方で活躍できる未来を期待したい。

■株式会社UZUZ
公式サイト:https://uzuz.jp/
IT学習支援サービス「ウズウズカレッジ」:https://uzuz-college.jp/
IT学習教材プラットフォーム「ウズカレ動画」:https://movie.uzuz-college.jp/
就活/キャリア情報メディア「第二の就活」:https://daini2.co.jp/
YouTubeチャンネル「ウズウズカレッジ」:https://www.youtube.com/channel/UCRDj3fsO4eEwh1yHgRoRiww
YouTubeチャンネル「ひろさんチャンネル」:https://www.youtube.com/channel/UCmAqktSctzCRCMQ_HEUjGnw

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