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横川楓の「ミレニアル世代のお金の常識」【第7回】いまや、共働きがあたりまえ。ミレニアル世代の「結婚観」

2023/01/31 17:30 | 更新 2023/02/02 18:27
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「やさしいお金の専門家/金融教育活動家」こと横川楓です。ここ日本においては、いわゆる「晩婚化」「未婚化」が大きな問題となっています。その理由となるとさまざまですが、「経済的事情」も要因のひとつでしょう。今回は、現在の結婚事情を「お金」という側面から見ていき、これから結婚を考えている皆さんに私なりのメッセージをお伝えしたいと思います。


結婚に不安を感じる20代単身世帯の保有資産は?

「結婚願望がないわけではないけれど、お金の問題もあって結婚するのは難しそう」――。そんなふうに考える若い人も多いと推測されます。

社会問題としてよく取り上げられますが、私が若い人たちからよく聞くのが、「奨学金の返済がきつい……」という話です。社会人になれば収入が安定して奨学金もしっかり返済できると思いきや、万単位の返済であれば、若いうちにその負担はとても大きいもの。

もちろん、収入のわりに出費が多く厳しい経済的状況に置かれているという問題は、奨学金を返済している人だけにあてはまるものではありません。日本銀行に事務局が置かれている金融広報中央委員会が2021年に発表したデータによると、20代単身世帯の金融資産保有額の中央値はたったの20万円です。この金融資産保有額では……結婚に対して不安を感じる人が多いのもうなずけます。

【やさしいお金の専門家/金融教育活動家】横川楓さん
【やさしいお金の専門家/金融教育活動家】横川楓さん【撮影=阿部昌也】


リスクヘッジとしての共働きという選択

夫が外で働いて妻は専業主婦としてそれぞれ家庭を支えることが主流だった時代には、女性は結婚や妊娠、出産を機に仕事を辞めるというケースが多く見られました。

しかし、今では女性も子どもを産んでもキャリアを途切れさせることなく、一緒に家計を支えるという形が、今の夫婦のあり方となっています。収入に差はあるかもしれませんが、共働きであれば、入ってくるお金はもちろん多くなります。

平均給与が30年近く400万円台と横ばいの今、リスクヘッジとしても収入の柱は2本、ダブルインカムでの暮らし方がより一般的になってきているといえるでしょう。

「ダブルインカムでの暮らし方がより一般的になってきている」ことに加え、「企業や自治体の制度を活用」することも重要
「ダブルインカムでの暮らし方がより一般的になってきている」ことに加え、「企業や自治体の制度を活用」することも重要【撮影=阿部昌也】


子育てに伴うお金にまつわる“会社員”共働きのメリット

女性は妊娠や出産の際、どうしても働くことが難しくなる時期があります。その際に減ってしまう収入を補填するための制度が出産手当金や育児休業給付金です。

ただこれは、会社員として健康保険や雇用保険に加入していないともらうことができません。他にも、同じ会社で1年以上雇用されていること、休業前の職場に復帰することを前提とするといった条件もあります。もし妊娠・出産を機に退職してしまっていたら、こういった制度を活用することができなくなってしまうのです。

産休や育休は、派遣社員でもパートタイマーでも条件を満たしていれば取得できますし、育休に関しては男性でも取得できます。

共働き夫婦がそれぞれ産休・育休を取得して給付金をもらうことができれば、家計の面ではもちろん、夫婦一緒に子育てをするという点でも家庭にとって大きなプラスとなるはず。

いまは、会社に所属せずにフリーランスで働くなど働き方の多様性が広がっている時代です。一方で、結婚や子育てにかかわるお金の面から見ると、現状の制度では会社員のほうが恵まれているといわざるを得ません。

他にもオリジナルの子育て支援の制度などを実施している自治体もたくさんあります。ぜひお住いの自治体の制度についても調べてみてください。

この記事のひときわ#やくにたつ
・産休や育休、給付金など、制度を把握して活用する
・自分の住んでいる自治体の制度を調べる

構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=清家茂樹、撮影=阿部昌也

『ミレニアル世代のお金のリアル』フォレスト出版(2019)
横川楓 著

【プロフィール】横川楓(よこかわ・かえで)
1990年生まれ。経営学修士(MBA)、ファイナンシャルプランナー(AFP)などを取得。やさしいお金の専門家/金融教育活動家として、「誰よりも等身大の目線でわかりやすく」をモットーにお金の知識を啓蒙、金融教育の普及に取り組んでいる。 2022年1月には一般社団法人金融教育推進協会を設立し、代表理事となる。マネーコンテンツ制作や企業や官公庁のアドバイザー、セミナー講師、雑誌・WEB・テレビなどメディア出演多数。
Twitter:@yokokawakaede
公式サイトはこちら

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