円安による生活コストの上昇や、老後資金問題など、お金に関する漠然とした不安を抱えている人も多いはず。一方で、これまでにも「お金を貯めたい」と考えてきたにもかかわらず、なかなかうまくいかないという人も少なくないだろう。ここでは、『年収300万円でもラクラク越えられる「貯蓄1000万円の壁」』の著者でもあるファイナンシャルプランナーの飯村久美さんが、お金を増やすコツを伝授。

生活を見直すポイントとして、コンビニとの付き合い方は重要です。「コンビニなしでは生活できない」という人は意外に多いはずです。なかには、毎日のようにコンビニのお世話になっている人もいるのではないでしょうか?
そんなコンビニが大好きな人に、「コンビニ禁止!」は現実的ではないと思いますし、我慢せずに貯蓄をしていくのがわたしのスタンスでもあります。そこで、わたしからの提案です。コンビニに立ち寄ることを、3日だけやめてみてください。
前を通ったからといって、なんとなく立ち寄ってしまい、なんとなくちょこちょこと買い物をしてしまうことを、わたしは「コンビニ脳」といっています。このコンビニ脳にメスを入れることも、お金が貯まる生活への転換になり得るものです。
例えば、帰宅途中でふらっとコンビニに入ってしまい、ビールやおつまみ、スイーツやスポーツドリンクを買ったとします。これだけで、軽く500円は使います。こんな日が週5日もあれば、1週間で2500円、1カ月で1万円、1年間で12万円にもなります。もし1回1000円だとすると、年間で24万円です。1000万円を30年で貯めるためには1日1000円節約すればいいのですから、コンビニに行かないだけでその日の目標は達成できる計算になります。
コンビニに立ち寄る習慣をやめるのは、こうした無駄をなくすためだけではありません。無駄遣いのほとんどは、ストレスや不安が原因です。コンビニでの無駄遣いも、ストレスや不安のかっこうのはけ口になっている可能性があります。
あなたは、なんとなくコンビニに入って、なにも買わずに出ていけますか?買いたいものがなければ、別になにも買わずに出てしまっても構いませんよね?なにか買わないと出にくいと思ってしまうのであれば、もはやそれは、コンビニ脳になっていると考えるべきです。まずは、そのコンビニにとらわれた脳と心を解き放つことからはじめましょう。
毎日のコンビニ通いが完全に習慣になっている人は、「3日行かなかったら、どうなるのだろう……?」と予測もつかないことでしょう。なにも問題ないかもしれませんし、2日目くらいから禁断症状が出てくるかもしれません。コンビニに3日行かないだけで、その行為に自分がどれだけ依存しているかがわかるはずです。
これは、買い物自体を見つめ直す、とてもいい機会と捉えることもできます。ある意味、健康のために数日食事をとらない断食の効用に似ているような気がします。毎日の食事で負担をかけている胃袋を空っぽにすることで、本来の機能を取り戻す――コンビニに週に3日行かないのも、これと同じことです。
ストレスによる無駄遣いで負担をかけている財布と心を、デトックスしてあげるのです。3日経ったら、なぜか気持ちが落ち着いて、心がすっきりしてくるはずです。

この記事のひときわ#やくにたつ
・コンビニに立ち寄ることを、3日だけやめてみる
・ストレスによる無駄遣いで負担をかけている財布と心を、デトックスする
編集協力=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、洗川俊一、横山美和、撮影=樋口涼