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FP飯村久美さんに学ぶ『貯蓄1000万円の壁』を越えるコツ。固定費を見直す、引っ越すなら公共料金もチェック

2023/02/18 18:00
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円安による生活コストの上昇や、老後資金問題など、お金に関する漠然とした不安を抱えている人も多いはず。一方で、これまでにも「お金を貯めたい」と考えてきたにもかかわらず、なかなかうまくいかないという人も少なくないだろう。ここでは、『年収300万円でもラクラク越えられる「貯蓄1000万円の壁」』の著者でもあるファイナンシャルプランナーの飯村久美さんが、お金を増やすコツを伝授。

今回は第12回。

ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん
ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん【撮影=樋口涼】


固定費の見直しで避けて通れないのが、大きな割合を占める「住居費」でしょう。住居費の目安は、1カ月の手取り額の3割以内です。仮に手取り額が20万円なら、6万円。手取り額が30万円なら、9万円となります。

毎月あたりまえのように払っている住居費が、家計の中でどのくらいの割合を占めているか計算してみましょう。

新型コロナウイルスによって大きく変わったことのひとつが、働き方です。テレワークが進み、特に都会に住む人は、住環境への考え方をあらためているようです。以前は職場や駅から近いことを優先して選んでいた住居ですが、最近では自然環境や間取りの広さなどが重視されつつあります。

実際、東京では、約26年ぶりに通年で人口が減少したといいます。東京都が発表した2022年1月1日時点の推計人口は、1398万8129人。2021年の同時期と比べると、4万8592人の減少です。働き方が変わったことで、都会に固執せず、自分の住みたい場所へ移り住む人は間違いなく増えていくでしょう。住居選びは、これからどんどん自由度が広がりそうです。

最近では、通信会社大手のNTTが、2022年7月から全国どこでも勤務可能な制度「リモートスタンダード」を導入しました。これは、自宅勤務を基本とし、出社は出張扱いにするという制度です。出社するときに飛行機を利用してもいいというのですから、驚きです。

話を住居費に戻すと、1カ月の手取り額の3割を超えているからといって、いますぐ住居を変えることは難しいと思いますが、もし本当にいまよりも安い物件に引っ越すことができれば、固定費は大幅に削減することができます。

引っ越しするには、賃貸の場合だと敷金や礼金、手数料などの費用こそかかりますが、長期的に見れば支払う住居費の総額を減らすことにつながります。UR賃貸住宅などのように、「礼金・仲介手数料・保証人・更新料ナシ」といった物件も存在します。そういうお得な物件を探して長く住み続ければ、住居費は確実に抑えられるでしょう。

引っ越しを検討するときに注意したいのが、「社会保険料」や「公共料金」です。例えば、介護保険料は自治体ごとに3年にいちど見直されています。

2021〜2023年度の65歳以上の人が支払う介護保険料の全国平均は、月額6014円。もっとも低かったのは、北海道音威子府村と群馬県草津町で3300円です。一方でもっとも高かったのは、東京都青ヶ島村で9800円でした。地域によって約3倍の開きがあります。(厚生労働省「第8期介護保険事業計画期間における介護保険の第1号保険料及びサービス見込み量等について」)

「国民健康保険料」も自治体によって異なります。例えば、年収300万円の30代単身者の、年間の国民健康保険料を比較してみると、埼玉県蕨市の約17万円に対して、高知県高知市は約25万円です。年間で約8万円もの開きがあります。これは医療分の所得割、均等割、平等割が自治体によって異なるためです。

「水道料金」にも差があります。上下水道は、基本料金+従量料金で計算できますが、基本料金は自治体によって異なります。そのため、地域によって平均水道代に差があるのです。2019年度の日本水道協会のデータによると、都道府県別でもっとも高いのは青森県で、もっとも安いのは神奈川県でした。その差は、月額で約2300円になります。

1カ月の消費支出総額に対する水道料金の割合(全国平均)※出典:日本水道協会
1カ月の消費支出総額に対する水道料金の割合(全国平均)※出典:日本水道協会

ちなみに、市町村別では、もっとも高いのが北海道夕張市で、約6800円でした。安いのは兵庫県赤穂市で1000円未満。赤穂市には千種川が流れていて、水質の良さと水源の多さが日本一の安さの理由です。その差は同じ日本国内にもかかわらず、約6000円にもなりました。

公的な保険料や公共料金は住みはじめると毎月かかるコストですから、自分が住む街が高いほうなのか低いほうなのか事前に調べておきましょう。

ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん
ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん【撮影=樋口涼】


この記事のひときわ#やくにたつ
・住居費の目安は、1カ月の手取り額の3割以内
・引っ越し検討の際は「社会保険料」や「公共料金」も確認

編集協力=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、洗川俊一、横山美和、撮影=樋口涼

『年収300万円でもラクラク越えられる「貯蓄1000万円の壁」』
株式会社KADOKAWA(2022)

【プロフィール】
飯村久美(いいむら・くみ)
金融機関在籍中にファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得。退職後、自らの経験から、お金の正しい知識を身につけることが「生活を守る手段」であり、「やりたいこと」や「夢」につながると痛感。その経験を伝え、その人の夢が叶うマネープランをサポートすることを目的として、2006年FP事務所を開業。テレビやラジオ出演、セミナー講師など幅広く活躍中。著書に『ズボラでもお金がみるみる貯まる37の方法』(アスコム)、『シングル女子の今日からはじめる貯蓄術』(成美堂出版)、『子どもを持ったら知っておきたいお金の話』(KADOKAWA/中経出版)、『お金の先生! できるだけ簡単にお金が増える方法を教えてください。』(アスコム)、監修書に『一生お金に困らない! 貯め方・増やし方』(ナツメ社)などがある。FP事務所アイプランニング https://www.fp-iimura.jp

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