横山光昭さんに学ぶ“お金の話”。お金を貯めたい人必見!数多くの赤字家計を救ってきた「横山式90日貯金プログラム」

2023/01/20 18:30 | 更新 2023/04/16 23:12
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「お金を貯めたい」とは思っていても、具体的にどうすればいいのかわからない――。今回、そんな人に紹介するのは、「横山式90日貯金プログラム」というものです。開発者は、ファイナンシャルプランナーでお金にまつわる数多くのベストセラーを持つ横山光昭さん。実際にこのプログラムを使って、数多くの赤字家計を再生してきたと言います。そのポイントは、どんなところにあるのでしょうか。

家計再生コンサルタント/株式会社マイエフピー代表取締役・横山光昭さん
家計再生コンサルタント/株式会社マイエフピー代表取締役・横山光昭さん【撮影=藤巻祐介】


「横山式90日貯金プログラム」は、なぜ「90日」なのか

お金を貯めたいという人に向けて、私が著書などを通じて提唱しているのは、「横山式90日貯金プログラム」というメソッドです。

このプログラムの大きなポイントは、「90日」という点にあります。ですから、具体的なプログラムの内容を紹介する前に、まずは「なぜ90日なのか」という点について解説しましょう。その理由は、「成果をあげやすい」ということに尽きます。これは、私がこれまでに数多くの赤字家計を再生させてきた中で導き出した結論です。

これが、「横山式30日貯金プログラム」だったらどうでしょう?1年間のうちには、例えば年末年始などどうしても多くの出費が必要な月もあります。そうでなくとも大型家電が故障して買い換えなければならない、冠婚葬祭が重なったなど、不測の事態によっていつもより出費がかさんでしまう月もあるでしょう。

そうしたときに、これから貯金をきちんとしようと決意したばかりの人だと、「せっかく頑張ろうと思っていたのに、やっぱり今月も赤字だった」と気を落としてしまい、結果的に貯金をあきらめてしまうということもあるのです。でも、90日であれば、赤字の月があったとしても、残りの2カ月で目標にしていた貯金をすることも可能です。

あるいは逆に、「横山式1年貯金プログラム」だったらどうでしょうか。これまできちんと貯金できていなかった人が貯金のモチベーションを保ち続けるには、1年はあまりに長過ぎます。どこかで心が折れて、やはり貯金をあきらめてしまう可能性は高いといえます。

また、1年だと、振り返りまでに時間がかかり過ぎるというデメリットもあります。きちんと貯金をできるようになるには、ある程度短いスパンで自分のお金の使い方を振り返り、お金の使い方を修正していくことが欠かせません。その修正が1年に一度なのか90日で一度なのかを比較すれば、どちらがよりよい方向に向かうかは明白でしょう。

「“モチベーションを保ち続けることができ、振り返りもしやすい長さ”というのがポイント」
「“モチベーションを保ち続けることができ、振り返りもしやすい長さ”というのがポイント」【撮影=藤巻祐介】


1カ月ごとに小さな目標を達成していく

では、具体的にプログラムの内容を紹介しましょう。ただ、ここではスペースに限りがありますので、あくまで概要というかたちで解説します。詳しく知りたい方は、私の最新刊でもある、『90日で「貯める力」をつける本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を読んでみてください。

このプログラムのスタート日は給料日です。共働き家庭でパートナー同士の給料日が異なるという場合は、家計のメインの収入となるほうに合わせてください。そして、ゴール日は3カ月後の給料日の前日となります。

そして、90日を1カ月ごとに区切って3つにわけ、1カ月ごとにこなしてほしい目標を設定しています。以下に、その目標を示しておきます。もちろんその目標とは別に、スタートする前に収支を想定したうえで貯金額の目標や、貯金することの目的をはっきりさせておくことも忘れないようにしてください。

【1カ月目の目標】
1.予算を立てて、家計簿を試算する
2.自分へのダメ出し
3.貯金額を設定し、貯金箱を用意する
4.借金リテラシーを学ぶ
5.遊ぶ(月1日)
6.本を読む
7.支出の無駄探し
8.欲しい物をあえて買わない

【2カ月目の目標】
1.予算を袋分けし、貯金袋を作成する
2.家計簿をつけはじめる
3.やることリストの作成
4.遊ぶ(月2日)
5.仲間や協力者を探す
6.お金の増やし方を学ぶ
7.家の掃除をする
8.無駄な支出の確認
9.貯金や投資の情報を集める

【3カ月目の目標】
1.予算の袋分け
2.メンターを探す
3.お金の使い方を他人と比較する
4.不要な物を売る、捨てる
5.遊ぶ(月3日)
6.得意なことで誰かをよろこばせる
7.欲しい物を買う(お金を使う)
8.銀行へお金を預けに行く

「貯金額の目標や、貯金することの目的をはっきりさせておくことも忘れない」
「貯金額の目標や、貯金することの目的をはっきりさせておくことも忘れない」【撮影=藤巻祐介】


最初の1カ月は節約をしてはいけない?

では、1カ月ごとの特に重要なポイントをお伝えします。1カ月目の狙いは、「支出の無駄探し」というところにあります。お金を貯められない人は、現時点での自分のお金の流れを把握できていないことがほとんどだからです。自分が何にどれくらいお金を使っているのかを把握できていないために、自分でも知らないうちに無駄なものにお金を使ってしまっているのです。

ただ、この無駄な支出を確認するために、「一生懸命に節約しようとする」ことはやめましょう。そうしてしまうと、ふだんとは違ったお金の使い方になってしまうからです。あくまでも普段どおりの生活をして普段どおりのお金の使い方をしながら、その中で自分がしてしまっていた無駄な支出を知ることが大切なのです。

2カ月目のポイントは、ちょっと意外に感じる人もいるかもしれませんが、「家の掃除をする」という点にあります。掃除をすると、「前にけっこう高いお金を払って買ったけれど、これはいらなかったな」というふうに、これまでの無駄な出費に気づくこともあるでしょう。そうして、これまでの自分のお金の使い方を振り返ることになるのです。

そして、掃除をして身辺を綺麗に整理整頓しておけば、これから無駄な出費をすることも減ります。テレビドラマなどに登場するお金に困っている人の部屋はたいてい散らかっていますよね?これは、紛れもない真実だと思います。自分の持ち物を把握していないので、何かが必要となったときにすでに持っているものも買ってしまうというのもよくあること。これでは貯まるお金も貯まりません。

3カ月目になると、「欲しい物を買う」というところがポイントです。対照的に、1カ月目の目標には「欲しい物をあえて買わない」というものがあると思います。最初は我慢をする。そうする中で、「本当にこれは自分に必要なものなのか?」と、自分なりの価値観やお金の使いみちについてあらためて考えるのです。

それで3カ月たっても「本当に欲しい!」と思えるものならば、実際に買ってみてもいいでしょう。これまで衝動的に買ってきたものと比べれば、考えて考えた末に買ったものですから、愛着も全く違ってくるはずです。

もちろん、3カ月たった結果、「やっぱりこれはいらないな」と思えることもあるはずです。そうであるなら、買う必要はありません。その変化こそ、3カ月のあいだに自分なりの価値観やお金の使いみちに対して意識的になった証です。そのマインドさえ持てれば、お金を貯めることはもう難しいことではありません。

「段階を踏むことでお金に対する意識が変わっていく」
「段階を踏むことでお金に対する意識が変わっていく」【撮影=藤巻祐介】


この記事のひときわ#やくにたつ
・自分がしてしまっていた無駄な支出を知る
・掃除をして身辺を綺麗に整理整頓しておく
・欲しい物をすぐに買わずに時間をおく

構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=清家茂樹、撮影=藤巻祐介

『90日で「貯める力」をつける本』ディスカヴァー・トゥエンティワン(2022)
横山光昭 著

【プロフィール】横山光昭(よこやま・みつあき)
1971年生まれ、北海道出身。家計再生コンサルタント。株式会社マイエフピー代表取締役。赤字家計の盲点を探りながら抜本的解決、確実な再生を目指す。個別の相談・指導では独自の貯金プログラムを生かし、リバウンドのない再生と飛躍を実現し、これまでに2万4000件以上の赤字家計を再生した。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌等の各種メディアでも活躍する。全国の読者や依頼者から共感や応援の声が集まる庶民派ファイナンシャルプランナー。『図解 日本一やさしい 年金の正解』(ワン・パブリッシング)、『18歳からの投資信託の教科書』(総合法令出版)、『かんたん年金家計ノート』(コスミック出版)、『13歳からの3000円投資生活』(アスコム)など著書多数。

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