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FP飯村久美さんに学ぶ『貯蓄1000万円の壁』を越えるコツ。「夢」があると実行力が高まる

2023/01/08 17:00 | 更新 2023/04/16 23:21
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円安による生活コストの上昇や、老後資金問題など、お金に関する漠然とした不安を抱えている人も多いはず。一方で、これまでにも「お金を貯めたい」と考えてきたにもかかわらず、なかなかうまくいかないという人も少なくないだろう。ここでは、『年収300万円でもラクラク越えられる「貯蓄1000万円の壁」』の著者でもあるファイナンシャルプランナーの飯村久美さんが、お金を増やすコツを伝授。

今回は第4回。

ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん
ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん【撮影=樋口涼】


貯蓄1000万円の壁を越えていくためには、とても大切な5つのコツがあります。貯蓄1000万円は、このコツを理解することからスタートします。お金が貯まる5つのコツとは、次のものです。

❶計画性を持つ
❷夢を持つ
❸我慢しない、無理しない
❹手間をかけずに時間をかける
❺お金が貯まらない人の特徴を知る

今回フォーカスするのは、❷「夢を持つ」です。どんなに素晴らしい計画がつくれても、今日なにをやるべきかわかっていても、実行力がともなわなければ目標を達成することはできません。「〇年後に、貯蓄1000万円を達成するぞ!」という明確な目標を掲げるだけで心が躍るような人なら実行できるわけですが、「1000万円は遠い目標だよなあ……」「1000万円なんて無理、無理!」と思う人は、最初の一歩を踏み出せないものです。

お金を貯めるには、背中を押してくれる強い動機が必要です。その動機とはずばり、「夢」です。「なんのためにお金を貯めようとしているのですか?」「それはやっぱり、将来が不安だから……」クライアントとのやりとりで多い会話パターンです。確かに「将来の不安を解消する」というのはひとつの理由ですし、動機ではあるでしょう。でもそれは、夢ではありません。貯蓄1000万円に向けて一歩を踏み出すには、もっと強い動機が必要なのです。それこそが、あなたの夢です。

お金を貯めて、なにをしたいのか――。その目的が夢のためであれば、がぜん人はやる気が出てきます。「留学したい」「家族旅行をしたい」「マイホームを建てたい」……想像するだけで楽しくなるはずです。目標金額を貯めたあとの楽しみがあるかないかで、モチベーションが確実に変わります。

それこそ、「なんとなく不安だからお金を貯めたい」と思っていたとします。そういう人はおそらく貯蓄や資産が増えていったとしても、お金に対する漠然とした不安がかき消されることはないでしょう。クライアントのなかでも、こちらからすると十分な資産があるのに、お金が足りなくなるのではないかと心配でたまらず、なかなかお金を使えない人もいます。お金があっても幸せに感じられないのは、実にもったいない。

これからどんなことをしたくて、そのためには、どのくらいのお金が必要になりますか?

・1年間で30万円貯めて家族で沖縄旅行に行く
・10年後に家を買うために、500万円の頭金を貯める
・20年後に、2000万円の貯蓄を実現する

そうした具体的な夢を持っているほうが、お金を貯めるモチベーションは維持できます。お金が貯まれば成果が「数字」となって可視化できますし、「あともう少しだ!」という喜びやワクワク感も生まれるでしょう。そうなることで、お金を貯めるモチベーションはますます高まっていき、好循環が生まれます。

例えば外出先でお腹が空いているとき、ちょっと軽食を食べてから帰ろうかなと思ったとします。選んだのは、食べたいものより300円安いメニュー。夢を持たずにお金を貯めている人は、お腹が空いたのにお金のために我慢した、ちょっとかわいそうな自分という気持ちがどうしても芽生えてしまいます。

しかし、そんなときに例えば高級自転車を買いたいという夢があれば、いま節約した300円で自分の欲しい高級自転車を買う夢に一歩近づくことができた、というように考えることができるのです。

「将来が不安だから」「お金は貯めておかないと」といった漠然とした動機では、お金を貯め続けるのは困難です。でも夢があれば、結果はまったく違うものになるでしょう。

以前、ご主人とふたりのお子さんと暮らす奥様から、こんな相談を受けました。「食費を月にあと2万円は減らしたい」そして、こう付け加えます。「でも……買いたいものを我慢するのは嫌」多くの人の本音だと思いますが、我慢がまったくできないとお金も貯まりません。そこでわたしは、この先10年間で家族に起こるライフイベントを時系列で書き出せるシートを渡し、記入してもらいました。(下記、ライフイベント夢シート参照)

ライフイベント夢シート
ライフイベント夢シート


具体的に、「〇年後に長男が中学生になる」「○年後に車を買い替えたい」といったことです。そして、「楽しみにしていることや、家族でやりたいことはないですか?」と聞いてみると、こう答えました。「4年後に夫が勤続20年を迎えて長期休暇が取れるので、そのタイミングで家族旅行に行きたいです」「いいですね!どこに行きましょうか」「やっぱりハワイに行きたい!」「どれくらいの資金が必要でしょう?」「家族4人だから、ざっくり100万円くらいかな?」

ハワイ旅行の資金である100万円から逆算すると、ハワイ旅行まで4年(48カ月)ですから、月に約2万円を貯めなければならないことになります。明確な目標がないまま減らそうとしていた食費の2万円は、「4年後にハワイ旅行に行くための2万円」という強い動機に変わりました。

同じ月2万円でも、「4年後のハワイ旅行」という夢があるのとないのとでは、取り組み方の本気度は変わってきます。相談に来られたときは「我慢するのは嫌」といっていた奥様でしたが、家族でハワイ旅行をするという具体的な目標ができたことで、「我慢する」という感覚はどこかへ消え去ったようでした。そしてあっという間に、食費を上手に節約し、月にプラス2万円を貯蓄にまわせるようになったのです。

これこそが、「夢の力」です。「なにがなんでも貯蓄しなければ……」ではなく、前向きに貯蓄したくなるような夢をぜひ見つけてください。そうすることで、どんどんお金が貯まるようになって、それが可視化されることで、貯金・貯蓄の楽しみが高まっていきます。

ライフイベント夢シートのように、これからやってみたいと思うイベントや実現したい夢をぜひ、可視化してみてください。お金を貯める動機をはっきりさせて、目標金額を設定し、毎月の積立額を出していくと、夢が現実味を帯びてきます。そうすることで、お金の使い方、さらには時間の使い方も気がつくと変わっていて、夢が実現しやすくなっていますよ。

ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん
ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん【撮影=樋口涼】


この記事のひときわ#やくにたつ
・お金を貯めるための強い動機、夢を持つ
・これからやってみたいと思うイベントや実現したい夢を可視化する

編集協力=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、洗川俊一、横山美和、撮影=樋口涼

『年収300万円でもラクラク越えられる「貯蓄1000万円の壁」』
株式会社KADOKAWA(2022)

【プロフィール】
飯村久美(いいむら・くみ)
金融機関在籍中にファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得。退職後、自らの経験から、お金の正しい知識を身につけることが「生活を守る手段」であり、「やりたいこと」や「夢」につながると痛感。その経験を伝え、その人の夢が叶うマネープランをサポートすることを目的として、2006年FP事務所を開業。テレビやラジオ出演、セミナー講師など幅広く活躍中。著書に『ズボラでもお金がみるみる貯まる37の方法』(アスコム)、『シングル女子の今日からはじめる貯蓄術』(成美堂出版)、『子どもを持ったら知っておきたいお金の話』(KADOKAWA/中経出版)、『お金の先生! できるだけ簡単にお金が増える方法を教えてください。』(アスコム)、監修書に『一生お金に困らない! 貯め方・増やし方』(ナツメ社)などがある。FP事務所アイプランニング https://www.fp-iimura.jp

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