円安による生活コストの上昇や、老後資金問題など、お金に関する漠然とした不安を抱えている人も多いはず。一方で、これまでにも「お金を貯めたい」と考えてきたにもかかわらず、なかなかうまくいかないという人も少なくないだろう。ここでは、『年収300万円でもラクラク越えられる「貯蓄1000万円の壁」』の著者でもあるファイナンシャルプランナーの飯村久美さんが、お金を増やすコツを伝授。飯村さんは「社長になったつもりで、家のお金の管理をしましょう」と説く。
貯蓄1000万円の壁を越えていくためには、とても大切な5つのコツがあります。貯蓄1000万円は、このコツを理解することからスタートします。お金が貯まる5つのコツとは、次のものです。
❶計画性を持つ
❷夢を持つ
❸我慢しない、無理しない
❹手間をかけずに時間をかける
❺お金が貯まらない人の特徴を知る
❶の「計画性を持つ」から順を追って解説していきます。会社であれ、日常の仕事であれ、目標を立てたら次は、その目標を達成するための計画を立てることが欠かせません。そして、計画をより細かく落とし込んでいくことで、今日やること、1週間でやること、1カ月でやることなど、具体的にやるべきことが明確になってきます。
貯蓄1000万円における計画性だって同様です。「〇年で1000万円貯蓄する」という計画を立てることで、はじめて1年間でこれだけ貯蓄する、1カ月でこれだけ貯蓄するという具体的な数値目標をつくることができます。家計相談に来たクライアントには、目標額や目標年数を設定する前に、「人生のロードマップ」を描いてもらうようにしています。
上にあるものがサンプルになりますが、ロードマップとは「自分の未来予想図」と言い換えられます。どういう未来を描くかは自由です。それを見れば、「ここではこれくらいお金が必要になる」「これを実現するにはこれだけのお金がいる」など、目標額や目標年数を設定しやすくなります。
切り詰めても切り詰めても、なかなか貯蓄ができない人は、いまが自分の人生のなかで、支出がかさむ時期である可能性があります。例えば、子どもの学費、家のローンの支払いなどの支出が重なっている時期であれば、いまは貯蓄は難しいかもしれません。しかし、何年か経ち、支出がかさまなくなれば貯蓄できる時期が来るでしょう。
ロードマップを描くと、お金のかかる時期がひと目でわかります。クライアントのなかには、ロードマップを描くことで貯蓄が厳しい時期に終わりがあるとわかり、そういう見通しがついただけでも心の重荷が軽くなったという人も多くいらっしゃいます。人生の「お金のかかりどき」と「貯めどき」を、ぜひ、ロードマップで把握してみてください。
この記事のひときわ#やくにたつ
・自分の未来予想図、ロードマップを描く
・人生の「お金のかかりどき」と「貯めどき」を把握する
編集協力=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、洗川俊一、横山美和、撮影=樋口涼