うさを(@huwapunpun)さんを含む3名が描く、日本のカステラ株式会社(架空の3DCGの制作会社)で、パース屋というちょっと個性的な職業に就く社員たちの社畜漫画「ふわふわ営業部vsぷんぷん制作部」がTwitterで注目を集めている。社内での営業部と制作部の戦いが描かれており、そのせめぎ合いもおもしろく、見どころとなっている。そんな“社畜漫画”の制作秘話などについて話を伺った。
――この漫画は会社の仲間3人で作られているとのことですが、3人はどのような関係性で、それぞれ何を担当されているのでしょうか？
制作部長(ぽんこつ)、チームリーダー(ヤマモト)、平社員(うさを)という、上司と部下のバチバチな上下関係のもと制作されました。ぽんこつは漫画と広報、ヤマモトとうさをはキャラクターデザインと広報を担当しています。
――パース屋の「お仕事あるある」について描かれていますが、「パース屋」とはどんなお仕事でしょうか？
デベロッパーさまや広告代理店さまからお仕事をいただいて、新築マンションや戸建て、商業施設等が竣工する前後に、完成予想図を3DCGで起こすお仕事になります。実際に住むお客様がそこに住むことを想像できるよう、1枚絵や動画、VR等でイメージをつくります。
――よくチラシ等で完成前の建物などのパースを見かけることはありますが、1枚のパースを作り上げるまでにどれくらいの時間を要しますか？
納期の早いものですと受注から完遂まで2、3日で終わるものや、長期のものだとプレゼンから始まり、完成まで数年かかってしまう物件もあります。物件の完成時期にも左右されるので、1枚のパースを作り上げるのも期間がマチマチになります。
――パースを描くお仕事に就くために、必要な資格はありますか？
実践で学んでいくので資格は特にありません。建築、3DCG、動画、ゲームエンジン、新しい技術に対する興味があることや、修正が毎日きたとしてもあきらめないこころ。めげないこころ。くじけないこころがあるとなお、パース屋に向いているかもしれません。
――これまでに受けた仕事の依頼の中で、一風変わった仕事(おもしろかった仕事)がありましたら、教えてください。
制作部総出で京都の伏見稲荷大社をCGで起こしたお仕事ですかね。途中で話がなくなって利益はありませんでしたが、とてもユニークでおもしろい仕事でしたね。
――パースのお仕事の一番つらい点はなんでしょうか？逆にうれしい瞬間は何でしょうか？
つらい点は、イメージをつくる仕事なので正解がわからないことですかね。設計されたデザインを残しつつ、クライアントの希望の絵にしつつ、多くの人に見てもらえるような、ほかにはない新しい絵にする。上手くいかないときはつらく感じますが、それもパース屋の腕の見せどころなので非常にやりがいが感じられます。
うれしい瞬間は、物件の仕事が完了したときですね。やり切った感と、もう修正がこない安心感が溢れます！
――「職業病だな」と思うようなエピソードはありますか？
他社のパース屋さんが制作した超大規模な高層ビル群のパースや動画を見たときや、道を歩いていて斬新で複雑な建築物を見たときに、この物件のパース作るの大変だっただろうな…と考えてしまうことですかね。あとは営業部の微妙な態度の変化で、返ってきた修正量の多さがわかるようになってきたことですかね。
Twitterには漫画だけでなく、漫画に登場するカステラ社社員のキャラ紹介もアップされていておもしろい。それを見ながら読むとより漫画を楽しむことができるので、ぜひチェックしてみて！
取材協力：うさを(@huwapunpun)
