『幸せにお金を貯める100のリスト』著書・太朗さんにインタビュー。「ストレスフリーな節約生活は『贅沢費』を決めることからはじまる」

2022/10/17 18:00 | 更新 2023/04/17 00:00
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『幸せにお金を貯める100のリスト』の著書・太朗さんにインタビュー
『幸せにお金を貯める100のリスト』の著書・太朗さんにインタビュー

妻、娘と家族3人で暮らす、ごくふつうの会社員である太朗さんは、本業の経理のスキルを生かして多彩な節約術を提案するYouTubeチャンネル「太朗のおもてなし。」でも人気を博すユーチューバー。また、5月には初の著書『幸せにお金を貯める100のリスト』(KADOKAWA)も上梓。「ごくふつうの会社員」は、お金を貯めるためにどんなお金の使い方をしているのか。節約しながらもストレスフリーに日々を暮らす、その基本的な考え方を教えてもらった。

『幸せにお金を貯める100のリスト』の著書・太朗さんにインタビュー
『幸せにお金を貯める100のリスト』の著書・太朗さんにインタビュー

自分にとっての贅沢ができなければ、節約に失敗する

無駄なく賢くお金を使っていくうえでまずなにより大切になるのが、「予算を決める」ことです。収入に見合っていない支出を続けてしまえば、お金が貯まるはずもありません。

そして、予算を決めるときに、僕の場合は「必要生活費と贅沢費を分けて決める」ことにしています。僕がいう必要生活費には、光熱費、水道代、保険料、スマホ代、Wi-Fi代といった一般的にいわれる固定費の他、日用品代や食費も含みます。僕の生活スタイルでは、それらも月によって大きく変動するようなものではないからです。

一方の贅沢費は、月々のものであれば妻のお小遣いや美容費、僕自身の勉強といった自己投資に使うお金、また年間のものとしては旅行代やプレゼント代、衣服代、「Amazonプライム」や「楽天マガジン」などのサブスク代などが含まれます。

なぜわざわざ贅沢費というカテゴリーを設けているかというと、ストレスフリーの生活をしながらしっかり節約することができるようになるから。僕にとっては、誰かの喜ぶ顔を見られて自分までうれしくなるプレゼントや、愛する家族との旅行は、大きな幸せを得られるものです。

みなさんも自分なりの「こういうことにお金を使えたらうれしいなあ」「幸せだなあ」と感じるものがありますよね?それらまで節約のために削ってしまうと、それこそストレスだらけの生活になり、結果的に節約をやめてしまうということにもなりかねません。だからこそ、自分が大きな幸せを得られる贅沢をするための予算をしっかり割いておくことが大切です。

『幸せにお金を貯める100のリスト』の著書・太朗さんにインタビュー
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自分なりの贅沢費を確保しつつ、削れる必要生活費をしっかり削る

一方、必要生活費についてはきちんと見直して、削れるところを削っていく必要があります。もちろん、贅沢費にも予算という上限を設けていますが、贅沢費は自分なりの幸せを感じてストレスフリーな生活を送りながら節約するためのものですから、例えば僕の場合は年間の旅行代は40万円とケチらないようにしています。

しかし必要生活費は、自分が幸せを感じるためというものではなく、生きていくために、いわば仕方なく払わなければならないものです。ですから、削れるところはしっかり削って、支出を抑えていくべきです。

なかでも、「第一優先でスマホ代を見直すべき」だと僕は思っています。「お金が貯まらない……」といっている人ほど、いまだに3大キャリアに高い利用料を支払い続けている人も多いように思います。

僕もかつては大手キャリアに月々7000円ほど支払っていましたが、2016年に格安SIMに変えてみたら月々1700円ほどに抑えることができました。格安SIMに乗り換えただけで、1カ月に5300円、年間で6万円以上も節約することができた計算です。食費や日用品代でこれだけ削るのはなかなか難しいことだと思いませんか?

僕が格安SIMにした当時は、格安SIM自体がまだあまり一般的ではないときで、雑誌やWebでいろいろと調べて乗り換えました。いまでは格安SIMの認知度も高まってそれぞれの比較情報も多いですし、3大キャリアも格安プランを提供しています。乗り換えもスムーズにできる時代になっていますから、3大キャリアを使っている人は、ぜひ格安SIMへの乗り換えを検討してみましょう。

『幸せにお金を貯める100のリスト』の著書・太朗さんにインタビュー
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現金ではなく絶対にクレジットカードを使うべき理由

それから、日々のお金の使い方でいうと、「買い物をするときは現金ではなく絶対にクレジットカードを使うべき」だと思っています。

FP(ファイナンシャルプランナー)などお金の専門家のなかには、「クレジットカードは手放すべき」「なるべく使わないほうがいい」といったことをいう人も少なくありません。それは「どれだけお金を使ったかわからなくなるから、使い過ぎてしまう」という根拠によるものでしょう。

でも、家計簿アプリに銀行情報やクレジットカードをひもづけておけば問題ありません。そうすることで、いつなににいくら使ったのかという支出の明細をあとでいくらでも振り返ることができます。むしろ、現金払いをしてレシートをもらい忘れた、家計簿に記入し忘れたなんてことになれば、そちらのほうがよほど支出の明細はわからなくなってしまいます。

また、家計簿アプリではクレジットカードの利用額の上限を決めてアラートを設定することもできます。まさに「どれだけお金を使ったかわからなくなるから、使いすぎてしまう」ということがなくなるわけです。

さらに、クレジットカードの利用によってポイントが貯まるというメリットもあります。バーコード・QRコード決済アプリとクレジットカードをひもづけておけば、クレジットカード決済のポイント、バーコード・QRコード決済のポイントそれぞれの二重取りができるというケースもあります。

収支の確認もラクになって家計簿に自分で記入する手間すらなくなるうえ、ポイントまで貯まってお得だということも考えると、やはり「現金ではなく絶対にクレジットカード」という結論に至るのです。

この記事のひときわ#やくにたつ
・必要生活費と贅沢費を分けて予算を決める
・第一優先でスマホ代を見直すべき
・現金ではなくクレジットカードを使う

構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=清家茂樹

『幸せにお金を貯める100のリスト』KADOKAWA(2022)
太朗 著

【プロフィール】太朗(たろう)
兵庫県出身。10年以上経理の仕事に携わる、ごく普通の会社員。妻、小学6年生の娘との3人暮らし。経理の業務スキルを生かし、多彩な節約術を提案するYouTubeチャンネル「太朗のおもてなし。」を2020年3月に開始。8年間で5000万の貯金に成功し、住宅ローンを完済。その後も年間450万貯蓄を継続。無理のないストレスフリーな節約術とともに、身の丈に合ったつつましくも豊かな暮らしぶりに親しみを持たれている。

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